山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

老友懇話会

2018-04-15 06:21:52 | 宵宵妄話

 毎年4月の前半の時期にこの集まりがある。何年か前に親しき知人即ち我が親友の提案で、5人の仲間を誘って一夜懇談の時を持とうということになった。直ぐに賛同して、偶々自分の住む守谷市に、あつらえ向きの施設があり、そこで最初の集まりが実現したのだった。今年も先日そこで懇話会が開催されたのである。

 5人共に同じ大学を同じ頃に卒業して社会に旅立った。その歩んだ道は皆全く別々なのだが、お互いに各自の歩んだ世界に関しては、さほど興味関心は抱いていないし、何故このメンバーとなっているのかも良く判らないという、そのような連中の集まりなのである。我が親友が核となっての集まりであることは間違いないのだが、そのような経緯(いきさつ)などどうでもいいことなのである。確実なのは、5人合わせた年齢が385歳以上となること、即ち全員が疑いも無い後期高齢者なのである。それゆえに詮索無用の懇談ができるのである。

 その5人がチエックインを済ませた15時半過ぎから、たちまち部屋での懇談に入り、夕食を済ませた後も22時過ぎまで話を続けたというのだから、これはまあ奇特な連中だというべきものなのかもしれない。形だけの乾杯の後は、酒を飲むのは二人だけで、あとは少々の菓子などをつまみながらお茶を飲むだけ。歌もカラオケも無く、只管(ひたすら)次々出される話題に身を乗り出すという状況だった。

 話題は多岐に亘った。それらを一々書くのは控えなければならない。5人で共有した話をこのような場で披歴するのは、軽薄過ぎる行為となる。ま、歳相応の健康論から始まって、夫婦間の出来事などを含めた暮らしのあり方、更には古墳時代や弥生・縄文などの文明論的な話題から、将又(はたまた)都市の活性化に係わる地勢論など、途方もなく膨らんだり、又ごく身近な老人の暮らしのあり方などに絡む話題となったりして、いやあ、飽きることなく話は続いたのだった。

 自分的に、一つだけ心に止め置かなければならない話題があった。それは夫婦のあり方、即ち老夫婦関係論であり、老の生き方についてである。話題の中に、夫婦二人暮らしに破綻が生じたのをどう修復するかというようなテーマがあった。熟年離婚というのがあるけど、我々は既に熟年などを通り越して、まさにこれから先は夫婦二人が力を合わせて生きて行かなければならない歳回りになっているのに、破綻を生ずるというのは、人生において不幸極まりない事態と言えよう。

 しばし議論があったのだが、どう考えても、最早これには対策も解決法も無いのではないか、と思った。そうなった以上は同じ鞘に戻るのはもう放念して、当事者夫々が残された人生を自ら如何に生きるかを考えるしかないのではないか、と。自分はそう思った。そしてそれ以上に強く思ったのは、自分はそのような事態を決して招来させてはならないということだった。

 どのような夫婦においても、常に円満などということはあり得ない。不満があっても、お互い我慢の範囲にあるというのが普通なのだと思う。ま、振り返って自分たちのことを考えてみると、今のところお互い我慢の範囲にあるようなので、破綻に至るようなことはないと思っているのだが、家内からは時々自分が暴言を吐いてハラスメントまがいの状態にあると言われている。本気で怒るから、それが暴言に聞こえるのであろう。暴力を振るったことは金輪際無い。「女を殴るような男は、理由の如何を問わず最低だ」というのが信念であり、それを破ったことはない。ま、そのようなことは当たり前であり、自慢するようなことではないのだが、家内への暴言が立派なハラスメントとなっているのであれば、要注意となるのかもしれない。これからはそのような時は「金」の行動をとるようにしたい。即ち「沈黙は金」である。しかし、あまり「金」の行動を長くするのは控えることにしよう。沈黙が「無視」に変わるようなことになったら、破綻を近づけることになりかねないからである。

 一つ大きな反省をさせられながら帰途に就いたのだった。それにしても、この集まりは貴重だなと思った。いろいろな集まりがあるけど、本当に話したいことを話せるような場というのはそれほど多くはない。この歳になると、ともすると後ろ向きの話となりがちなのだが、前を向いての話は、生きる力に更なる活力を与えてくれる感じがする。これからの老をしっかり生きて行くためにも、この集まりを大切にしたいなと思った。お互い来年の再会を約しての散会となったが、全員が責任を持って健康を維持して、今度はもっと前向きの話ができればいいなという思いが膨らんだ。次回は390歳の集まりとなる。元気で行こうぜ!

 

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