山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

酒のラマダンの顛末

2013-04-01 05:41:07 | 宵宵妄話

  今日から四月、ようやくというべきか、それとも斯くも早くにというべきか。この歳になると時間の流れの速さに戸惑いを覚えずにはいられません。悲劇の花粉環境も少しずつですが改善されて来ているようです。このところ雨降りの日が多くなっており、寒さも戻ったりして花冷えなどといわれているようですが、重花粉症の者にはとにかく黄色い花粉が飛ばない日々が何よりもありがたいのです。

 去る2月1日から酒のラマダンなどという愚かな保身健康策にチャレンジして来ました。目標では、このブログを投稿する今日(4/1)には完遂しているはずなのですが、さてその結果はどうなったのか。今日はその顛末などについて書くことにします。

今年の冬は、結局近場にさえも出掛けることなく、じっと家の中を中心に近郊を歩きまわるという暮らしを続けており、それがここ1カ月は花粉の攻勢に合って外へ出るのも限られた時間だけとなっており、加えてアルコールも断っているという状況なのですから、これはもう近年にない異例の過ごし方なのでした。

 酒のない人生なんて、あり得ないし、あってたまるか!など意気がって言っていたりしていたのですが(これはまあ、今でもそう思っていることに変わりはないのですが)その割には意外とあっさりと矛を収めて、ラマダンの方は殆ど何の支障もなく順調に進展したのでした。3月に入っても一滴の酒類も口に入れることなく、まるで元から酒のみではなかったかのような暮らしぶりでした。それでもTVを見ている時や本を読んでいたりすると、結構飲酒の場面を取り扱ったものが多く、特にTVは視覚からの刺激が多くて、ああ、やっぱり酒は良いなあ、とラマダン中であるのを忘れて、その美徳に思い至ることがあったのは、これはもう人間としての正常性が保たれていた証ではないかなどと、一人納得していたのでした。

 ところで、ラマダンは結果的にどうなったのかといえば、「断固破棄!」というのがその答えなのです。3月末をゴールと決めていたことからすれば、客観的には未達とか挫折というのが当てはまるのだと思いますが、自分の中では断固「破棄」なのです。破棄というのはラマダンを止めたということです。要するに2月1日から連続54日間、一滴の酒も飲まなかったというだけのことでした。未達でも挫折でもないのです。スタートからゴールまでのラマダンという行為を投げ捨てたということです。

 勿論これには理由があります。元々酒のラマダンへのチャレンジは、持病の糖尿君との関係で酒が悪さをしているのではないかという医者のアドバイスと己自身の自責的な反省から、実際にどれほどの影響があるのかを身を以って試してみようと考えたりしている時に、友人からラマダンの話を聞いて、面白半分にいい機会なので俺もやってみようということが始まりでした。具体的にいえば、1月時点の定期受診時の血糖のHa1cの数値7.2が、2カ月の休酒期間でどう変わるかを見ようという試みなのです。これが1カ月後の2月の検診時では7.1となり、わずかに改善の兆しは見えたのですが、自分的には7を切るのではないかと期待していただけに、少しがっかりしました。もっと頑張ろうと心に決め、引き続き飲酒厳禁を保持するだけでなく、食事のコントロールもより厳しくするように心がけ、体重管理上も2kgの減量を実現しそれを維持するようになっていたのです。次回はHa1cの数値がもっと改善されるに違いないと大いなる期待を抱いていたわけです。ところが3月に入って26日の定期検診の結果は、何とまあ、先回と同じ7.1という数値ではありませんか。何の努力もしないまま、グータラな暮らしぶりだったのなら、納得できる数値なのですが、これは今までの努力の虚しさを証明する数値に思えたのでした。疑問を抱きながら医者に訊ねると、この時期(=冬)は一般的に血糖値の改善のスピードが遅くなるのだそうで、暖かくなれば結果が出るのではないかとの話でした。それはそうだろうとは思いましたが、何だか承服しかねる真剣味のない話のように聞こえました。

 家に帰る車の中であれこれと思いを巡らしたのですが、出した結論は、直ちに酒のラマダンを破棄するということでした。酒と糖尿君との関係はそれほど大きなものではない、というのが54日間断酒の結論であるということです。そう結論すれば、意味のない無駄なことは直ちに止めるというのが自分の本来の主義です。早速その夜は、深夜近くに放映されたサッカーワールドカップ予選のヨルダン戦を、秘蔵していた焼酎「農家の嫁」を取り出して飲みながら楽しんだのでした。しかし、対戦結果は敗戦となり、せっかくの焼酎の味も少しケチがついた感じでした。

 ところで、これで終わりというわけにはゆきません。54日間の無駄なトライの結果何も得なかったかといえば、決してそうではなく、「適当な酒は糖尿君の機嫌を損なうことなし」という現実を知ったことは大きな収穫でした。同時に考えなければならないのは、断酒以外でもそれなりの努力をしたのに、どうして血糖値は変わらなかったのかという真因についてです。医者がおっしゃるようなことだけではなく、やはり何かが不足しているのだと思いました。それを考えている時に、TVで三浦雄一郎氏が80歳という世界最高齢でのエベレスト登頂にチャレンジするというニュースが流れ、ご本人がトーク番組でそれについての話をされているのを拝見し、「これだ!」と思いました。三浦さんは70歳を過ぎてから登山へのチャレンジを再開された様で、そのための準備というか、平素の鍛錬の在り方についてのお話が心を打ちました。メタボ系で膨れ上がり、故障だらけだった身体をコツコツと鍛錬することによって、殆どの病の巣窟を叩き壊し、現在では10年前の体力を上まっているというお話でした。毎日20kg近いザックを背負い、足にもリストウエイトを巻いての歩行鍛錬の話は自分の心を打つものでした。やれば、誰でもできるという三浦さんの話は、本当だと思いました。

 この話は鍛錬のほんの一部の披歴に過ぎなかったのだと思いますが、糖尿君との関係改善には大変に参考になる話でした。気づいたのは、普段の暮らしの中でもっと汗をかかなければダメだということです。時には、ある程度身体を虐めなければダメだということです。自分としては、今年も今まで毎日平均1万4千歩余の歩きをして来ているのですが、考えてみれば汗をかくほどの歩行は少しもしておらず、いい気分で自然観察などを中心に楽しんでいるだけなのでした。この頃は、老人はそれでいいのだという決めつけのようなものが定着し始めて、無理をしないというよりも楽をしようという気持ちが上まって来ている感じです。これが糖尿君には気に入らないのではないかと思ったのです。三浦さん流にやれば、恐らく糖尿君も機嫌を直してくれるはずです。但し、超人のお方と同じことはできるはずもなく、分をわきまえてのチャレンジが大事だなと思っています。

 思い立ったら直ぐ実践というのも自分の流儀の一つです。「今やらねばいつできる。わしがやらねばたれがやる」というのは平櫛田中先生のことばですが、座右の銘の一つです。昨日から三浦先生に倣って、両足に各1kgのリストウエイトを課し、リュックに4本(=8kg)のペットボトルを背負って、1時間ほどの歩行訓練を開始しました。4月一杯は近隣を歩くことにし、終盤頃には筑波山(876m)に登ろうと考えています。以降、旅に出ない間は、毎週1回は筑波山に登れるようにしたいものだと、これはまあ半分夢みたいな話ですが、三浦先生のチャレンジに比べれば大したことではなさそうです。そして生きていたなら、80歳で富士山に登ってみたいと思っています。

 いやはや、酒のラマダンの顛末はとんでもないことを引きだすことになってしまいました。但し、こちらの方は何時挫折してもいいという条件をつけてチャレンジしたいと思っています。

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3 コメント

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がんばってください (Sora)
2013-04-02 22:03:21
実証的に解決、納得しようとする、御先輩の姿勢は非常に私も同感できます。
今度は、運動負荷ですね。結果に、とても関心があります。継続レポよろしくお願いします。
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頑張ります (馬骨)
2013-04-03 09:42:28
Soraさん
ご支援ありがとうございます。今日で4日目となりますが、ノルマは無事果たしました。今日は雨に加えて風もあり、傘が役に立たず、やけくそのままに濡れての1時間半の歩行でした。負荷は約12kgです。来週からはもう少し増やす考えです。また、報告します。
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ラマダンお疲れ様でした。 (SHINEI (有)真栄石材産業)
2013-04-04 11:06:07
無駄な物事は何一つないですね。
幾つになっても『チャレンジ』する姿勢が素敵です。そこに『継続』する事が加わる事で心や体に『変化』が訪れるのでしょうね。
わかっていても難しい。だから全ての物事の第一歩である『チャレンジ』を実践される姿が素敵だと思うのです。
前向きな気持ちを頂きました。ありがとうございます。

     
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