山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

除虫菊

2010-05-29 04:46:42 | くるま旅くらしの話

市の菜園を借りての野菜作りが楽しみとなっていますが、野菜作りで苦労するのは、雑草と虫害への対処です。勿論その基盤には土造りという大切な仕事がありますが、これは時間が掛かっても、地道に努力をすれば実りが期待できるやりがいのある仕事です。しかし雑草と虫害への対応には、なかなかやりがいを感ずることは少なく、雑草の方は取り終えた直後の一時的な満足はあっても、数日過ぎればたちまち眠っていた種が芽生えますし、虫害に至っては、それまで順調に育っていた作物が、一夜にしてアブラムシどもにダメにされるというような事件も体験したのでした。

雑草の方は根気よく取り続けることしかなく、除草剤などを使ったら、採れた野菜を食べるのは自殺行為に等しくなってしまいますので,これはもう使用厳禁です。長期のくるま旅をしている間は、畑にシートをかぶせて雑草の生えるのを防ぎ、この間は作物を作らないというのがこれまでの菜園の運営スタイルです。夏の旅から戻ってから、秋から冬、そして春という3シーズンが私の野菜作りの基本パターンとなっています。

一番簡単そうで難しいのが虫害に対する対応です。害虫退治の定番といえば、殺虫剤を散布するということなのでしょうが、果樹類ならばともかく、野菜類となると、どんなに安全性が保証されていたとしても、薬を使うのはためらわれますし、使ったこともありません。結局のところ、虫を手作業で取り除くか、多少虫に食われても気にせずに、「こんなに穴が開いているのは、虫も美味いと思ってがぶりついたんだろう」などと負け惜しみをいいながら、その穴の開いた野菜を食べるということになっています。

これを何とかしたいと思っていましたら、ホームセンターで聞いた話の中で、菜園の周りに虫の嫌いな花などを咲かせる植物を植えるという方法があるというのを知りました。なるほど、その手もあるのかと思いました。世の中には知恵者が居るもんだと感心しました。そういえば、畑の周りにマリーゴールドを植えているのを見かけます。最近は特に増えてきているようです。これは知恵者の情報に学んだ人が早速実行に移した結果なのだろうと思いました。僅かに30~50㎡の広さなのですから、その周囲をマリーゴールドの花で囲むというのは難しいことではありません。花に囲まれた菜園の中で、健康的な野菜が収穫できたら、最高の喜びです。それを実行している方に聞いた話では、さほどに効果を実感できているわけではないけど、少しは効いているということでした。

それを聞いて、よし自分も試してみようと、そのことを聞いた去年の秋にマリーゴールドの種を探したのですが、どこにも売っていませんでした。あの花は種を播くのではなく、別の方法で増やすのかなと戸惑いながら、そのままにして忘れていたのですが、この春になって思い出し、念のためもう一度ホームセンターの種売り場に行きましたら、何と幾つもの種類のマリーゴールドの種が置いてあるではありませんか。つまり、秋は播き時ではなかったということだけなのでした。

早速種を買ってきて、育苗ポットにそれを播いて只今育成中なのですが、マリーゴールドは思ったより発芽率がよく、芽生えた苗は順調に育っており、嬉しい限りです。移植できるまでにはまだかなりの時間がかかりそうですが、その時を楽しみにしています。

ところで、これからが今日の話の本番なのですが、欲張りな私は、マリーゴールドの話を聞いて、たちまち思ったのは、除虫菊のことでした。蚊取り線香に代表されるあの強烈な匂いは、蚊を寄せ付けず、日本の夏の風物詩の中には定着している感のする煙の素です。あれほどの虫除け効果のある植物なのですから、その花もきっと虫除けに役立つに違いない。マリーゴールドなんぞを遙かに凌ぐ効果があるに違いないと思ったのでした。よし、自分の畑にはこれも植えまくってピカピカ(?)の作物を作ってやろう、などと思ったのでした。

除虫菊などというのの種など売っているのだろうか、と心配したのですが、ちゃんと置いてありました。早速育苗ポットにそれを播きました。除虫菊の種もマリーゴールドの種も良く似ていて、細い形をしており、黒っぽい実には羽根の様なものがついていて、自然界の中では風に運ばれ、大地に突き刺さるというような機能性を持ったか形の種の姿なのです。自然界の植物の智恵のようなものをそこに感じました。

さて、播いたのはマリーゴールドの直後だったのですが、1週間もする間にマリーゴールドの方は芽が出て、殆どのポットには双葉の可愛らしい苗が顔を出したのですが、除虫菊の方は音信沙汰無しです。これは発芽までに時間がかかる性質なのかなと、水をやりながら芽が出てくるのを待ち続けたのですが、2週間経っても相変わらず何の反応もないのです。こりゃあ、一体どうなっているのかと、育苗の土や水やりに問題があったのかと気になりましたが、他の苗はちゃんと発芽しており、何の異常もありません。

その後しばらく発芽を待ち続けたのですが、僅かに双葉らしいものが2~3個は見られたものの、大半のポットは土があるばかりです。これは大失敗なのだと判断しました。何が気に入らなくて発芽しないのか解りませんが、もしかしたらややこしい性格の植物なのかも知れません。それで気になってネットで除虫菊のことを調べて見ました。いろいろ書かれていました。

先ず判ったのは、この植物はもともと日本のものではなく、外国から移入されたものであること。瀬戸内海地方での栽培が盛んだったこと。蚊取り線香の効果は、この植物を刈り取った後乾燥させて抽出した成分によるのであり、花そのものには虫除けの効果はないこと。現在では、薬用としては殆ど使われていないこと、等々が書かれていました。

また、ある人のブログでは、虫除けになるかと鉢植えの除虫菊を買ってきて庭先に置いておいたら、葉にダニのような虫がつき、これは除虫菊の力で排除するのだろうと期待しながら見守っていたら、一向に虫たちは減ることがなく、逆に増えてきてガッカリしたというようなことが紹介されていました。

除虫菊という名前からは、蚊取り線香にならなくても、ある種の成分が虫を近づけない働きをするに違いないというのをイメージさせますが、薬効というのは、やっぱりある種の化学変化が作用するようですから、言葉だけではダメなのだということが解りました。

してみると、除虫菊の播種に失敗したというのは、ある意味で良かったのかもしれません。せっかく虫除けに植えた除虫菊の葉や花にアブラムシなどがぞっくり集って、虫を防ぐどころか、なす術もなく作物が虫まみれになったりしたら、これはもう腹立ちを通り越して、笑っちゃいますの世界に至ってしまうからです。

一先ずはマリーゴールド君に庭先で頑張って貰って、最小限でもいいから虫除けの力を発揮して欲しいと願っています。

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