山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

真壁のひな祭りを見に行く

2016-02-13 04:16:23 | 宵宵妄話

 ひな祭りというのは、古来3月3日の桃の節句のイベントのことなのですが、この頃は気が早くなったのか、かなり前倒しになって、各地でひな祭りのイベントが開催されています。

 我が家から近い開催地としては、茨城県では真壁のひな祭り(桜川市)、千葉県の佐原のひな祭り(香取市)があり、この季節になると思い立ってそれを見物に出かけます。真壁のひな祭りは桃の節句の1か月前の2月4日から、佐原のひな祭りはなんと1月の29日からという早い時期から始まっています。

 この二つの町に共通なのは、いずれも国の文化財に指定されている重伝建(重要伝統的建造物群指定地区)という、昔の面影が残る古い建物群があることです。関東には重伝建は少なくて、茨城県と千葉県にはこの1カ所しかありません。その双方にひな祭りのイベントが開催されるのは、雛飾りが昔の名残をとどめる町に相応しい雰囲気があるからなのだと思います。

 真壁のひな祭りが始まってから今年で14回目を迎えるそうですが、家内の話では私どもは今年で7回ほど訪ねているということです。ここ2年は雑事が重なり行けなかったので、今年は思い立ったらすぐにということで、開始間もない9日の日に見物に行ってきました。

 家内が張り切っていたのは、昨年9月に同じ屋根の下に住む長男夫婦に孫娘が誕生して、初めての女の子の祭りを迎えることになるためなのだと思います。私どもは二人の息子だけで、5月の端午の節句のイベントだけしか縁が無かったため、家内にとっては今年は格別の思いのあるひな祭りなのだと思います。真壁のひな祭りを見に行く前から、どこにしまっておいたのか、木目込み人形の内裏雛などを初め様々なお雛様絡みの人形などが並べられて、一人悦に入っていたようでした。孫娘の方は、未だ5カ月しかこの世を見てはおらず、お雛様に気づき興味関心を示すまでにはかなりの時間が必要な様です。

      

我が家のお雛様。この40年間に、いつ、どこで手に入れたのか知らないけど、家内がどこかに仕舞っていたコレクションが、ようやく日の目を見たようだ。

 さて、今年の真壁のひな祭りは、3年前よりも展示件数が少し減っているようで、参加されている家は154軒でした。とても全部を見るのは不可能で、お雛様に関心のある家内でも、その家の方とお喋りしながらの見物が多いので、せいぜい20~30軒ほどが限界ではなかったかと思います。もう7回目にもなるので、特徴のある雛はどこにあるのかは凡そ見当がついており、それを確認に行くといった感じなのだと思います。

     

造り酒屋さんに飾られていた、昭和10年代の木目込み雛かざり。関西からのものとのこと。真壁の造り酒屋さんは、近江商人との係わりが深いと聞いている。

 自分といえば、元々お雛様にはさほど関心があるわけでなく、最初の頃はそれでもまじめに一軒ごとに覗いていたのですが、この頃はもうそれはあっさり卒業して、ひたすら真壁の古い町並みを歩き回ることに喜びを見出しています。5年前の大地震で、この町の古い建物もかなりの被害を被っており、未だ復興の見通せない建物もあるようで、それらを見ながらの歩きは、少し複雑な気持となるものでした。

 家内とは最初から別行動で、駐車場に車を置いてから歩き初め、殆どノンストップで90分ほど歩き回り、一息入れに車に戻ったのは正午近くでした。歩きの中で最も関心があるのは、町中の民家の庭にある天然記念物のサイカチの古木で、来る度に元気でいるかが気になっています。この季節の落葉樹は、残酷なほどに樹齢を露わにしたむき出しの樹姿なので、樹齢が500年ほどと推定されるその古木は、一体果たして息をしているのかが気になります。古木と呼ばれるものは、やはり若葉が芽吹いたあとでないと、その消息を確認できないものだなと、今年もそう思ったのでした。ひな祭り以外にはなかなかお邪魔の機会が無いので確認は出来ないのですが、未だ頑張って生命をながらえてくれているのだと思います。

       

真壁を訪ねる時には、必ずこの老木にお目にかかることを常にしている。樹の姿からすると、まだまだ元気でいてくれそうで安堵した。

 今回は旅車で来たので、外食を止め、昼食は車の中で簡易に済ませました。家内が戻ってきたのは、13時をかなりオーバーした時刻でした。どうも我々夫婦の腹の空き具合は常に一致せず、自分は早め、家内は遅めのようです。一致させようとするとお互いの健康に悪影響しそうなので、干渉はしないようにしています。遅い昼食を済ませたその人は、15時半をリミットとして再び巷に出かけて行きましたが、自分の方はその後は近場の豆腐屋さんに豆腐を買いに行っただけでした。この頃は手づくりの豆腐屋さんが見つからなくなって来ていますが、ここへ来るといつもの豆腐屋さんが店を開いてくれているので、必ず買うことにしています。90歳を超えているのではないかと思われるおばあさんが店番をされており、今年もお元気な姿を拝見して、安堵して車に戻った次第です。

ひな祭りの見物と言いながら、この頃は一体何をしに行っているのか、我ながら判然としないのですが、真老のおのこがお雛様をまじめに見て歩いている姿は、却って異常なのではないかと、思うこの頃です。

来週辺りには、佐原のひな祭りもちょいと覗いて見ようかと、暇にまかせて考えているところです。

コメント (2)
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