喜捨の籠無用にされよと六地蔵
神仏に喜捨はいつもの世の習い
衆生どの笊を吊るすはやめなはれ
地蔵さんに年金出れば笊不要
悟りには遠い衆生のお布施かな
コメント:
榎の大木の根元に石で刻まれた六地蔵さまが置かれていた。その前には、誰が作ったのか、横渡しの棒があり、そこには大きな笊が幾つもぶら下がっていた。この辺りにはお地蔵さま思いなのか、それとも自分のためなのか、奇特な人がお住まいのようである。お地蔵さまたちのお気持ちと我ら衆生との気持ちを少しばかり勘ぐって、そのやり取りを句にしてみた。