村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

遠浦帰帆

2022-10-27 23:08:10 | 香道のこと

 遠浦帰帆 エンポキハン 
風向かう雲のうき波たつとみて
つりせぬ先にかへる舟人

 遠浦帰帆エンポキハンとは
遠方の海辺。
中国瀟湘八景の一つ
遠くの海辺に見える港に
帰って行く船の景色

今日は朝から晴天
とても久しぶりの香の会へ
香席の床には古い歌切れが掛かり
南鐐の掛花入には
白の秋明菊ホトトギスそれに白萩が入る

脇床には硯箱
古瓦の高蒔絵のある立派な硯箱
開けると
良弁僧正の風字硯が納められ
唐墨と唐筆が鍍金の龍の墨台にのる
他に
鉛の香箱などなど
拝見したことのないお道具が飾られている
しつらえの優雅なこと
歓声を挙げたい

時間になり襖が開く
歩み出でる香元の美しいこと
香道具を扱う穏やかでかつ凛々しい仕草に見惚れて
思わずカッコいいと呟いた
そうだ香道はカッコいいというのを
忘れていた

香をゆっくり聞く
香炉が回りゆけば
おのずと妙なる香りと時間とか流れる
異なる鑑賞香を味わう麗しい時間は
「香満ちました」で終了

まさに至福のとき
心洗われ
寿命が伸び
気持ちも晴れた

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