村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

等伯

2013-08-24 23:53:21 | 書籍
病院へ行くと実に待ち時間が長い
それで本でも持って行くのだが
このところは里庵さまからお借りした
阿部龍太郎の「等伯」を持っていった
初めは回りの人を気にしつつ読んでいたが
段々入り込んで気がつくと泪がにじむ
それを気がつかぬようにぬぐっては読むを繰り返していた
読み終え無かったので その後は
自宅でゴロゴロしながら読んでいた
その上下巻なるもの 漸く今日読み終えた
読んでは眠り
起きてはちょっと読んでと
休み休みでないと疲れて読めない
何故なら 老眼で明るい所で無いと読めないし
ホントにこの本を読むと泣くのだ
泣くと疲れるので 休み休みになったし
その分時間もかかった
大徳寺の高僧に利休や近衛前久など
よく聞く人物がたくさん登場し文章もわかりやすい
能登の七尾から上京してくるにも大変な苦労を経験し
比叡山の焼き打ちの場面などもありそれが後あとの人生へと繋がってくる 
悲しい親族の別れもいくつもあるし
狩野永徳との確執も辛いものだ
御存じ国宝の松林図屏風が最後に登場してくる頃には
ただただ私めは泣くだけだった
でも 読み終えてひと眠りすれば 
寝起きはすっきりである
これから残された作品を見る時は
その等伯の苦しかったであろう人生を思い
また必ず泣くと思うが
もしその場をご覧になっても
知らん顔の見て見ぬふりを 秘かにお願いしたい



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秋の色

2013-08-24 00:06:42 | 懐石・料理
さびしさの をさなそだちや けさの秋  季吟


勝どのが引越しするのと、
私の手術がうまくいったのとで
夜六時半から社中で食事会
今月は稽古が休みなので
久しぶりの面々が揃い
お互い懐かしく嬉しい

食事は綱島のふくもと
始めに葛屋に鴨ロースと口取り
鮎の一夜干し、湯葉、もろこししんじょ、山桃、松風、あずま甘薯

煮物椀は蓋を開けると松茸さまが鎮座まします萩しんじょ
食べるのは一瞬だが作るのには時間がかかるのだ
もっともっと味わって食べればよかった

お造りは
湯引き鱧、平目に甘エビ、中トロ、雲丹 豪華だ 

黄こうちの菊皿に南瓜団子 
何度美味しいねと言い合う事か
ホントに美味しい蟹餡がかかる



焼き物は
マナカツオと帆立貝に酢取り生姜に新ギンナン

牛蒡の炊き込みご飯に赤だしみそ汁と香のもの

銘は初萩のお菓子と薄茶



まだまだ暑いが
献立はすっかり 秋の色だ

料理は美味しいし
皆で飲むお酒も美味し

そしていつも 
祭りのあとは 
少しさびしい




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