世の中で自分の命が一番大事、と思い込んでいる人がたくさんいますが、それは存在しない神様を拝んでいる素朴な信者と変わらないのではないでしょうか。その神様に誉められたくて善行をすれば、社会はうまく動いていく。実用上は、それはとても役に立つ。しかし実のところ、自分の命というものは、すくなくとも自分にとっては存在しない、と言うほうが、理屈としてはもっとも正しい。つまり、自分にとっては、他人の命があるだけです。私の命は、私の目に見える物質としての私の身体の中にはないけれども、私の身体を見ている他人の身体(脳)の中にある。私にとっては、仲間の人間のだれもがそれがあると感じていると感じられるから、それはあるのです。
目に見える物質ではないけれども、だれの脳の中にも物質の感知よりもずっと深いところにある錯覚の存在感として、生き物の命というものはある。そういうものは、人間にとって、目に見える物質よりもずっと大事なものです。
だから人の命は、どの物質よりも大事なものなのです。
(サブテーマ:命はなぜあるのか? end ご愛読感謝)
(次回からは サブテーマ:心はなぜあるのか? 乞うご期待)
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