哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

運動と感覚は一体

2009年11月30日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか
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哺乳動物の脳の運動形成回路には、(拙稿の使う仮説によれば)運動感覚シミュレーションのための神経機構が付随している。哺乳動物の脳神経系では、目や耳や鼻の感覚器で捉えた遠隔的な情報によって環境にある対象を認知すると同時に、それに関連する適当な運動感覚シミュレーションが活性化されて、運動の予測が起こる。

つまり運動と感覚は一体の神経活動として作動し認知される。このとき、いろいろな運動感覚シミュレーションの予測結果の選択が起こっている。多数の運動感覚シミュレーションが試行錯誤され、感情機構によって評価されて適切な運動が選択される。そのときに選ばれた運動の予測結果が運動目的のイメージを作る。

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意識運動の土台

2009年11月29日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

その記憶を繰り返し再生しながら、その運動目的のイメージに至るために必要な個々の神経系と筋肉系の活動を次々に実行していく。

パソコンのマウスを操作する指の動きなど、ルーティンになっている細かいレベルの運動は無意識で行われる。たまに慎重に指を動かすなど、注意して運動結果を予測しながら動作する場合だけ意識的運動になります。

ここでいう運動目的のイメージは、ふつう私たちが言葉でいう目的という抽象概念よりもずっと具体的な身体運動のイメージです。これは、(拙稿の見解では)人間の目的志向行動を含んだもっとずっと広いすべての意識運動の土台を作っています。運動の形成において運動目的のイメージを作り出す機能は(拙稿の見解では)人間に限らず哺乳動物一般の運動形成神経回路に備わっている。

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拝読ブログ:日高先生

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運動シミュレーション

2009年11月28日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

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目的は言葉にされると、はっきりと記憶される。しかし、目的が言葉で言い表される前に、身体を動かした結果の予測としての身体運動のイメージは身体の内部に作られている。

意識的に身体を動かす場合、その前に運動シミュレーションとして、いわば運動目的のイメージが身体内部に作られる。身体運動の結果を予測する運動シミュレーションです。身体の各部の筋肉と関節、骨格が変形してそれぞれの加速度、速度、位置が時間的に変化していく。その変化の運動感覚と映像感覚のシミュレーションが脳内で進行する。運動目的をイメージしたときのその運動のシミュレーションが運動形成神経回路に記憶される。それを(拙稿の見解によれば)私たちは自分の運動の目的と思っている。

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拝読ブログ:篠原みな子の日記 両側面 

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言葉にしない目的

2009年11月27日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

行動の目的は、それを言葉にしていない場合、忘れやすい。パソコン操作の途中で電話に呼び出されたりすると、もう、(筆者の場合、しょっちゅうですが)何を目的にしてパソコンを使っていたのか忘れてしまったりします。

独り言でもいいから、目的を言葉で言ってみる。口に出して、自分の耳で聞く。そうしてちゃんと言葉にしておけば、大丈夫です。ゴミ箱から拾った封筒の裏にメモ書きしたり、メモ用紙に書いて目の前の壁に貼ったりしておくともっとよい。さらに行動の結果を、今日中にだれかに報告することになっていれば、もう忘れるということはありません。

拝読ブログ:浴室掃除と独り言。

拝読ブログ:すぐ忘れる。

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記憶:言葉―運動イメージ

2009年11月26日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

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こうして作られる「インターネットで新大臣の経歴を検索する」というシミュレーションに導かれて、「インターネットで新大臣の経歴を検索する」という実際運動が形成され実行される。その後、自分の行動を他人あるいは自分自身に説明する必要を感じた場合には「インターネットで新大臣の経歴を検索した」という言葉が作られて発音される。あるいは、自分自身に言い置く場合は、音は出さずに頭の中で発音されます。

説明する必要がなければ、はっきりした言葉にする必要もない。そういう場合、パソコンを操作して検索するというルーティン運動のシミュレーションが呼び出されるだけで、行動が実行される。言葉は生じません。そういう場合、身体が動いた運動イメージの記憶だけが残る。ふつう、そういう記憶は忘れるのも早い。言葉にする場合のほうが忘れにくいようです。

拝読ブログ:体の感覚

拝読ブログ:動作は身体で覚える

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