哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

動物的合理的行動

2008年04月30日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

ふつう動物は、「人生(動物生?)」とか「目的」とか「主体性」とか、などはなくて、上手に生きていく。生まれつき備わった反射運動のプログラムと感覚器官を通じて受ける環境からの信号、それに過去の経験の記憶から再生される反射運動が加わって、自動的に動きが決まっていく。生まれつきの反射で決まっている一瞬一瞬の単純な自動的運動が連鎖して、複雑な合理的な行動のように見えるわけです。

動物の行動は、たいがい合理的に見える。数多くの試行をすれば成功も失敗も出るが、統計的に平均した結果としては、たいてい環境に適合した行動になっている。上手に生き抜いて、子供を増やせるような行動をとっている。計算して最適な戦略を選択した結果と同じようになる。環境適合を目的として設計された人工知能のような最適化アルゴリズムが算出する最適行動に似ている結果が出ます。

カエルやトカゲが、深く考えて最適戦略を選んでいるとも思えません。また、それら小動物が、高級な人工知能のような最適化アルゴリズムを備えているはずもない。小動物の小さな脳は、反射運動に必要な小さい計算能力を持つだけで、高級な人工知能のようにあらゆる場面において最適化アルゴリズムを構成してそれに必要な高速計算をする能力はない。

拝読サイト:ソロモンの指環 動物行動学入門

拝読サイト:虚構キャラクタに対する罪

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ロボットとカエルは違う。

2008年04月29日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

Tizianovenustoi

哺乳類に比べて簡単な脊椎動物、たとえば、カエルやトカゲは、人生(カエル生、トカゲ生?)の目的を持っていて、それを実現するように行動しているようには見えませんね。たとえば、カエルの脳には、財産を増やしたいとか、子孫を増やしたいとかいう人生目的がセットされているわけではない。目の前に表れた異性の運動やフェロモンに刺激されて、手足が自動的に動いて、自然に交尾の姿勢をとってしまう。目的のために計画して行動を作り出す機能はない。

同じように、トカゲが、幸福なトカゲとして一生を送るために、計画的に確実な餌場を確保するとか、自分の生存に最適な行動を選択しているとは思えません。目の前に飛んできた虫をぱくつく、とか、目の前の現象だけに対応して反射的に動いていく。カエルやトカゲなどの行動の原理は、目的とする利得を最大化する人工知能のアルゴリズムにより計算されて動いているロボットの行動原理とは、かなり違う。

トカゲに限らず、ふつうの動物の行動は、みな、単純な反射運動の連鎖で生成されている。身体の右側で大きな音がすれば、左に頭を向けて全速力で走りだす。とかですね。もし、人間の行動の仕組みが、財産を最大化するというように、目的を設定して最適な行動をアルゴリズムから算出するようになっているとすれば、人間は、人間以外の動物とは全然違う原理で行動していることになる。

拝読サイト:トカゲはかわいい。

拝読サイト:【進化論】頭の中で使っている言葉があなたの未来を紡ぎ出す

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ロボットと人間は根本的に違う

2008年04月28日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

 アルゴリズムで動く人間という仮説モデルは、実は、人工知能で動くロボットに似ています。現在開発されている知能ロボットは、みんな、この原理で設計されている。このようなロボットは、セットされた目的を最適化するアルゴリズムに状況のデータをインプットして最適な行動計画を算出し、それをモーターのアウトプットとすることで動いていきます。このようなロボットの行動計画の作られ方は、いかにも人間の思考に似ているように見える。しかし、(拙稿の見解では)このように作られている現代のロボットは、人間のような思考はできない。行動計画の作られ方が違う。そのために、ロボットの動きは、人間を含めた動物全般の動きとは違うものになっています。

私たちは、財産が増えるとうれしい。幸福になります。その幸福を最大化することが、ある人々にとっては、人生最大の目的といえるようです。しかし、現代、そのために一番確実な方法は、すべてをトレーディングロボットにまかせることかもしれない。では、投資家に取って代わったそのロボットは、目的のために行動する人間と同じなのか? 株を買ったり売ったりして、財産を増やしていく行動を見ている限り、人間と同じです。しかし、投資がうまくいくと、ロボットは幸福を感じるのか? 

ロボットが幸福を感じる、という言葉の意味がよく分かりませんね。ロボットは、いくら財産が増えても、幸福になるとは思えない。こういうロボットが幸福になれないとすると、では、人間は、なぜ幸福になれるのか? 同じ行動をして財産を増やすことに成功しているのに、なぜ、ロボットは幸福になれず、人間だけが幸福になれるのか? そもそも、ロボットは幸福になる必要がない。幸福になれなくても、目的を目指してしっかり働く。人間はそうなっていません。幸福になれないと分かっていては、やる気は出ない。どうも、行動の仕組みが、そこのところで、ロボットと人間は根本的に違うらしい。なぜ違うのでしょうか?

拝読サイト:人工知能ロボット「ひこまた」

拝読サイト:僕が僕自身に嘘をつきたくないこと。①

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人間は最適化アルゴリズム?

2008年04月27日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

Tizianovenus20anadyomene

このようなコンピュータプログラム、つまり、効用という得点を最大化するようにゲームの戦略を選定していく最適化アルゴリズムは、機械的に主体性を実現する試みといえる。認知心理学などでは、このような情報処理システムが人間の行動の基本的なモデルとされている(一九七五年 ジェリー・フォダー思考の言語』)。この仮説によれば、私たちの主体性とは、人生というゲームの得点を最大化するような戦略を計算して選び取っていくアルゴリズムだ、という理解になる。

人間の行動をこのような最適化アルゴリズムとする見方は、また、現代経済学の考え方に通じる。ゲーム理論から発展した経済学では、個々人が自己の利益を最大化する最適行動をとると仮定して、経済現象を理論化する。こういう理論は、現代人の理解する人間行動のモデルにぴったりあっているように見えるところから、現代の経済理論、政治理論、経営理論などに、広く受け入れられている。

 だが、本当にこれが人間なのか? 人間は一種の最適化アルゴリズムなのか? 人間という動物は、本当にこう動くような仕組みになっているのでしょうか? 拙稿は、この点に関しても、懐疑的な見解を述べてみたい。

拝読サイト:アダム・スミスの失敗―なぜ経済学にはモラルがないのか

拝読サイト:人間が知恵の実を食べて得たもの、失ったもの

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ゲーマーとしての私

2008年04月26日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

入試が難しい大学や学科に合格すれば将来お金持ちになれそうだ、と予想して、合格確率から将来収入の期待値とコストを計算し、効用が最大になるような大学や学科を選んで受験する。そういうことを判断するのが、主体性を持った「ゲーマーとしての私」です。こういうことも、うまくプログラムされたコンピュータに、十分な量の正しいデータをインプットすれば、計算で答えを出せそうです。

かつては、むずかしい意思決定の問題は、人間が多くの知識と経験を使って、熟慮の末、結論を出すしかなかった。しかし、高速コンピュータが実現した現代ならば、変動する膨大なデータをコンピュータにリアルタイムで読み込ませ、瞬時にペイオフ行列を計算することで、次にすべき行動を決めさせることができる。

現代の株式市場では、取引の半数がコンピュータにより自動化されたトレーディングロボットを使う、つまりシステムトレーディングになっているそうです。それが景気の動向を左右する。私たちの実生活の根幹を決定する人々が、急速に、コンピュータによる主体性に取って代わられていく、ともいえる。

拝読サイト:Libertarian Paternalism

拝読サイト:株式用語・世界の株価指数リアルタイムチャート

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