哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

西洋哲学はスピノザを迂回

2019年10月31日 | yyy70宇宙を俳句に閉じ込める


芭蕉と同時代、オランダで、異端の哲学者スピノザは似たような思想を書いています。「人間の心を構成する観念の対象は実際に存在する延長としての身体であってそれ以外のものではない(一六七七年 バールーフ・デ・スピノザ没後出版「エチカ」)」つまり主観は体感という形の客観の一部であるから物質的客観と別のものと思う必要はない、と言っているようです。これでは物質世界を分析的に観測し操作していく科学への情熱は起こりませんね。実際、西洋哲学はスピノザを迂回して、デカルトの系譜からニュートン、ライプニッツの自然哲学そして科学へと発展していきます。








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隣は何をする人ぞ

2019年10月30日 | yyy70宇宙を俳句に閉じ込める


秋深き隣は何をする人ぞ(芭蕉)
自然を感じ取り、そこに自我を表現する。主観と客観を区別しない。というよりも、むしろ、主観は客観の中に消えています。








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根性。



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主観的な芸術は非実用

2019年10月29日 | yyy70宇宙を俳句に閉じ込める


十九世紀は、客観的な科学が産業技術に応用されて大成功をおさめ、世界を変革して行くことが明らかになってきた時代です。客観的な科学は実用、主観的な芸術は非実用、と相反方向に別れて行きました。








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写実絵画の実用価値が失われた時期

2019年10月28日 | yyy70宇宙を俳句に閉じ込める


客観性を深追いせず、むしろ主観性をそのまま表現して鑑賞者の共感を得る。芸術のこの方向は、印象派以降、現代では常識になっていますが、西洋では十九世紀に発生した比較的最近の発想です。写真技術の普及によって、写実絵画の実用価値が失われた時期と重なっています。






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いど のブログ紹介作品についての補足。【作品名】、『作成者様及び代表者様』、《主にサイト名》。



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近代西洋絵画のアイデンティティの転回

2019年10月27日 | yyy70宇宙を俳句に閉じ込める


ダ・ヴィンチに始まる写実主義絵画の精神は近代の科学技術の基礎を作っていきます。一方、日本で発展した絵画はむしろ、対象を客観的に描写することではなく、画家の感覚や気分を含めたその場のコンテキストに沿って、画面をデザインする。絵画に対しての画家のこの態度は、十九世紀末のヨーロッパに伝搬し、近代西洋絵画のアイデンティティの転回に至り、印象派として大発展し、現代絵画の主流をなしていきます。








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