芭蕉と同時代、オランダで、異端の哲学者スピノザは似たような思想を書いています。「人間の心を構成する観念の対象は実際に存在する延長としての身体であってそれ以外のものではない(一六七七年 バールーフ・デ・スピノザ没後出版「エチカ」)」つまり主観は体感という形の客観の一部であるから物質的客観と別のものと思う必要はない、と言っているようです。これでは物質世界を分析的に観測し操作していく科学への情熱は起こりませんね。実際、西洋哲学はスピノザを迂回して、デカルトの系譜からニュートン、ライプニッツの自然哲学そして科学へと発展していきます。
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スピノザとドゥルーズ=ガタリをつきぬける孤高の哲学者によるおそるべき触発
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