哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

肉食動物の運動体予測能力

2011年01月31日 | xx4世界の構造と起源

肉食系の哺乳類や鳥類は、覚醒時には体温が高くなっていて、いつでもすばやく運動できます。その分、体温を維持するための餌食をいつも探しだして獲得しなければなりません。このような生態をとる動物は、その結果、身の回りの物事の変化を瞬間瞬間に察知してそれに対応して身体の神経・筋肉・内分泌系をすばやく変化させる機構を備えるようになりました。

これらの動物は、獲物や外敵など身体の周りに出現する変化に対応して、すばやく体勢を変化させることが必要です。これらのうち、高度な情報処理機能を持つ脳神経系を特に発達させた動物種は(霊長類が典型的ですが)、他の動物が動くときにその動きを予測して先回りする機能を持っています(拙稿21章「私はなぜ自分の気持ちが分かるのか?」)。

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猫に意志概念はあるか?

2011年01月30日 | xx4世界の構造と起源

Gustav_klimt_010 この現実世界の中にA君がいる。A君はA君の意志によってA君の身体を動かしている。言い換えれば、A君はA君の意志によって動いている。A君の身体の動きを見て私たちはそう思います。しかしなぜ、私たちはそう思うのでしょうか? そう思うのは人間だけではないでしょうか? それともチンパンジーもそう思うのか? チンパンジーも仲間のチンパンジーが自分の意志によってその身体を動かしていると思うのでしょうか?

それでは猫もそう思うのか? カラスもそう思うのでしょうか?

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故に我あり

2011年01月29日 | xx4世界の構造と起源

他の動物たちとは違って、私たち人間は(拙稿の見解では)このような(意志を持つ人間が存在する現実世界という認識を共有する)仕組みで互いに協力する。その仕組みをうまく働かすために、私というものがこの世界に存在する、といえるでしょう。

昔の大哲学者の言葉をもじっていえば、「『ここに机がある』と私は思う」とA君に語る必要があるが故にはある

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拝読ブログ:野田又夫の『デカルト』を読んで・・

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協力のためにある現実世界

2011年01月28日 | xx4世界の構造と起源

Gustav_klimt_009 「ぼくが今、机のこっち側を持ちあげるから、ちょっと重いけど、A君、きみもそっち側を持ちあげて机を動かそうよ」と私が言うことによって、私というものが意志を持って自分の身体をコントロールしている主体としてここに存在している、という世界の現実をA君は確認する。そして同時に、私もそういうような世界とその中で意志を持って自分の身体をコントロールしている私というものの存在を確認する。

このような現実認識を、私と私の協力者であるA君とが共有する場合に限り、私とA君との間に緊密な協力がなりたつ。逆に言えば、たとえば二人で机を運ぶ、という協力がなりたつためには(拙稿の見解によれば)、机を持ちあげる意志を持ち机の重力を感じとることができる私、という主体が(私にとってもA君にとっても)この世界に存在するという現実を、はっきりと感じている必要があります。

拝読ブログ:心が通じ合うことなど、無い。

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意志で身体が動く?

2011年01月27日 | xx4世界の構造と起源

A君と私の間に協力がなりたつためには、A君はA君の意志によってA君の身体を動かしている、私に関しても、私は私の意志によって私の身体を動かしている、とお互いに思い込む必要があります。そういうふうに動くものが私のこの身体だ、と思い込まなければなりません。つまりそういうように動くものが私だ、ということにする必要があります。

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