この設問には答えがない。どう答えようとしてもそれは証明できないからです。あえて(拙稿の論法で)答えれば、私たちは私たちが現実の中を生きていると思っているから現実の中を生きているのである、となります。
あるいはもっと正確に言えば、私たちは私たちが現実の中を生きていると思っていてそれで互いに話が通じ合うから私たちは現実の中を生きているのである。つまり現実の中を生きていると思っていて問題がないならば現実の中を生きているといってよい、という論法です。現実というものをこのようなものとして定義する、ということですね。