以上の拙稿の見解は、もちろんひとつの理論にすぎません。世界のチキン―エッグ問題、つまり世界が先か私が先かの問題、あるいは世界の構造と起源の問題に対応する理論は他にもいくつも考えられるでしょう。たとえば、すべては神様がなさっていることだから私たち人間は理解できるわけがないのであってそれでよいのだ、という理論もある。いずれ科学がすべてを解明するまで待つしかない、という理論もある。人生などすぐ終わってしまうのだから、めんどうなことは考えずに、元気いっぱい直感で動いているほうがうまくいくのだ、とか、いろいろな理論があります。
しかし私たち現代人の実際の人生に応用しようと思うと、どの理論も少しずつあやしいところがありそうです。どこかで破けてしまうような気がする。拙稿としては、あやしい理論ばかりの中では比較的シンプルなわりに破けにくそうな理論として、ここに述べたものをお勧めします。
(24 世界の構造と起源 end)