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未唯への手紙

未唯への手紙

感情日記の書き方Q&A

2018年06月30日 | 7.生活
『日記を書くと血圧が下がる』 感情日記の書き方Q&A

Q&A:なにを書けばいいのか、よくわかりません

 心が揺れたことを探してみましよう

 やはりテーマ選びに悩むこともあれば、書くべきことがなにもないような気がする場合もあるかもしれません。

 感情日記に最適のテーマは、ストレスを感じたこと、心の傷になっているような出来事などです。それは、過去に起きたことでも、最近の出来事でもかまいません。

 テーマがうまく思い浮かばないときは、はじめは「気持ちが少しでも高ぶった出来事」や「落ち込んでしまった出来事」という視点で探してみてください。

 大きな出来事でなくても、だれかとの会話の中でふと心が揺れた、仕事や人間関係の中でなぜか苛立ってしまったなど此細なことでもかまいません。小さなことでも心が動いた出来事なら、感情や洞察の記述もふくらみやすいのです。

Q&A:感情といわれても、よくわからないのですが

 ワンワードで表現できるのが感情

 この質問は多くの人からいただきます。とくによ〝感情〟と〝思考〟の区別がつかないという人が多いようです。

 〝感情〟は〝気分〟と言い換えることもできます。うれしい、悲しい、好き、嫌い、楽しい、イライラする、ホッとする、不安だ、困った、情けないといったもので、そのほとんどは一つの言葉(ワンワード)で表現することができます。

 それに対し〝思考〟は、一緒にいたい、理由が知りたい、ここにいてもいいのかといったようにいくつかの単語をつなげないと表現することができません。自分が書いたことが感情と思考のどちらなのかがわからなくなったときは、この「ワンワードで言えているかどうか」でチェックしてみてください。

 また、がまん強い人や、感情を外に出すことに恥ずかしさや嫌悪感のある人は、日記においても感情表現にブレーキがかかりがちです。

 日ごろから感情を出さない人の中には、自分の中にそんな感情があることに気づいていない場合もあります。すると、書いているつもりでも、感情の記述が不十分になりがちなので、「感情について書いているか」としばしば確認しながら進めていくといいでしょう。

 反対に、うれしかった、いやだったなど、感情的なことがつい先に出てきてしまうという人もいますが、出来事・感情・洞察(考え)の3要素が含まれていれば、日記の入口はどこでもかまいませんし、文章の順序がどのようになってもかまいません。洞察から入ると書きやすいという人は、それでもちろんけっこうです。あなたはどのタイプでしょうか。左記を参考にしてください。

Q&A:いやな出来事についても、書かなければいけないのですか?

 よいことも、悪いことも、バランスよく

 よいことも、悪いことも、バランスよく、なるべく書いてください。感情日記の研究では、多くの場合はハートの奥に痛みを感じるようなネガティブな感情をあらためて感じとることで、それを解消し、心身のストレスを和らげていくという報告がなされています。

 一次感情にふれるときは苦痛を伴いますし、一時的にはつらさも生まれますが、そのあとは浄化されたようなスッキリとした気持ちになれます。ただし、しっかりと一次感情に向き合わないと、かえって苦痛だけを中途半端に感じることとなり、またネガティブな感情から回避している状態に戻ってしまいます。すると、表面的ないやな二次感情を感じるだけになり、「日記なんか、書かなければよかった」ということになってしまうことも少なくありません。

 なかにはポジティブな感情を感じられないという人もいますが、これも一次感情を十分に感じていないときに見られる現象です。ネガティブな一次感情に向き合わないために、ポジティブな一次感情を感じとることもできないというマヒした状態になってしまうのです。

 入は、ネガティブな感情だけを感じるようにはできていません。悲しみなどネガティブな感情をしっかりと感じることが可能になると、一方では喜びなどのポジティブな感情も自然に感じることができるようになってきます。その逆に、ポジティブな感情を少しずつでも感じることで、悲しみなどのネガティブな感情も、より深く、より自然に感じられるようになるのです。

 実際の日記研究でも、「ネガティブな話題について書いているときに、肯定的な感情を多く感じることができたとしたら、それはネガティブな一次感情により深くふれることにつながり、結果、日記の効果を多く得ることができる」と報告されています。

 つまり、日記には、楽しいこと、うれしいことのみならず、落ち込んだ出来事、怒りを感じた出来事などもバランスよく出てくることが大切なのです。

 時間があれば、1週間の日記を見返して、いいこと、悪いことをどんなバランスで書いているかをチェックしてみてください。そして、どちらかに偏っているようでしたら、その後のテーマ選びの際に少しずつ修正していくよう努力してみましょう。

Q&A:昔の思い出が湧いてきたら、それを書いてもいいですか?

 古い出来事を書くと、大きな効果が期待できる

 日記に書く内容は、その日の出来事にかぎる必要はありません。なにかのテーマについて書いていて、昔のことが思い出されるというのはごく自然なことです。小さいころの夢の話、古い失恋のこと、会社の新人時代の思い出、母親に理不尽に怒られたことなど、振り返ればいろいろあるでしょう。

 じつは多くの日記研究から、昔話を書くことは、最近のことについて書くこと以上に大きな効果が期待できることがわかっています。

 第2章でもお話ししたように、とくにつらい経験をした場合は、長年にわたってさまざまな感情が蓄積していたり、そのときに感じた不安や恐怖がいまだにその人を苦しめたりしていることがあります。

 それらの出来事に日記を通じて向き合うことは、一次感情を感じきり、浄化することに結びつきます。それによって、心身の不調の要因となる二次反応も自然に消えていくことが期待できるのです。

Q&A:感情は湧いてこないのに、体に反応が出てしまいます

 体のほてりもドキドキも、正常な反応

 日記を書いていると、体に反応が出ることもあります。カッカカッカと体が熱くなるとか、興奮してドキドキするとか、吐き気がするとか、なかなか寝つけないなどといったものです。こんな反応があると不安になる人もいるかと思いますが、これも一つの正常な反応ですから、心配することはありません。

 怒り・怖さといった感情がなかなか表現できないという人も、よく見ると体には反応が出ていることはよくあります。

 どんな人でも崖の上に立たされればドキドキしてふるえるように、T沢感情を強く感じているときは、体の症状も強まりますし、体の反応が強く出れば、一次感情も高まるように人はできています。ところが、一次感情に向き合わないでいると、身体感覚が鈍くなったり、感じ方が歪んだりすることも多いのです。

 心身が蝕まれているときは、本来感じるべき一次身体感覚を感じられなくなる〝失体感症〟を抱えている場合も少なくありません。たとえば、過労慣れした人がいくら働いても感じるべき疲労を感じないということは多く、そんなとき歪んだ疲労反応として頭痛や耳鳴り、めまいといった病的な二次身体反応に苦しむといったことはよく見られる現象です。

 治療の場面では、そうした人々にはまず身体感覚を適切に感じる練習をしてもらい、その後、徐々に自分の一次感情に迫るトレーニングを行ったりもします。

 逆に、この質問の場合のように、体の反応ばかりが出てくるという実感をもつ人は、「身体感覚は感じられるけど、それが深い感情には結びついていかない」というパターンといえます。

 これに気づいたときは、一次感情に向き合ういい機会ともいえます。身体感覚は一次感情に迫る重要な手がかりともいわれますので、その感覚の訪れとともに、自分の中でどのような深い感情が呼びさまされてくるかを意識してみてください。繰り返し日記を書いていくことで、自分でも気づいていなかった一次感情や洞察が深まってくることでしょう。

 感情に向き合っているときは、自分の呼吸や心臓の鼓動に注意深く耳を傾け、小さなさざ波を拾うかのように体の声を聞いてあげることも大切です。そして、もし、なんらかの身体反応が起こっていたら、それもぜひ日記に記録するとよいでしょう。

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