『ゴミを資源にまちづくり』より 自立する地域経済のために
「1年間1日も休まず働き、週に3日は徹夜勤務。なのに年収は290万円。これ、ある人のケースですが、どんな職業かわかりますか? 答えは、コンビニ店のオーナー」
2016年11月17日に放送されたNHKクローズアップ現代十は、こうはじまりました。
わたしたちの生活になくてはならないコンビニは5万3544店(2015年末)、従業員70万人以上、年間売上高は10兆円以上で、百貨店の売り上げ6兆円を大きくこえています。セブンーイレブン、ローソン、ファミリーマートの3社で売り上げの8割をこえ巨大化しています。
三宮貞雄『コンビニ店長の残酷日記』(小学館新書、2016年)では、コンビニ店長の大変な日々が描かれています。
東日本大震災ではコンビニ物流が止まったため、店長の三宮さんは困っている消費者のために近所の格安販売の店からお茶や水、食品などを購入してコンビニで販売しました。驚いたのが、本社から正規ルートで仕入れる価格よりも格安販売店から購入したほうが安い商品がいくつもあったことです。これは渡辺(2016年)も明らかにしています。
コンビニが競って規模を大きくするのは、大量に仕入れることでメーカーから低価格で仕入れることができるからです。そのうえで、販売店に高く卸せば、本社の利益は大きくなります。本社の利益は大株主(富裕層)のものです。
コンビニ店長は「独立した経営者」ですが、実際は「売りたいものを売る自由」「仕入れの自由」がありません。売り上げは毎日全額を本部に送金することが義務づけられているため、手持ちの資金はなく経営の自由がありません。深夜はアルバイトの希望者が少ないので、店長が深夜に働くことになります。店長は、売れ残りの弁当を食べて生活費を節約します。
ここまでがんばって売り上げを上げても、「本部だけが儲かり、加盟店には利益が残らない」巧妙な仕組みがあります。赤字で辞めようと思っても多額の違約金を請求されるなど、情報とノウハウを持った本社と、個人店長ではケンカになりません。奪われる一方です。
コンビ二本社の社員は会社の利益のため、コンビニ店長から奪う仕組みをつくりあげます。ところが、その社員もまた過酷な仕事を会社から求められています。元コンビニ社員のブログ(家庭円満.com)にはコンビニ会社の社員を続けるための条件として以下のように書かれています。(一部抜粋)
・人生に夢や目標がない
・長時間労働に耐えられる忍耐力がある
・友達がいない
・趣味がない
・プライドがない
・妻子がいない
・社会情勢に興味がない
・仕事に対して疑問がない
・仕事にやりがいを求めていない
家族や友人というつながりをなくし、自分の感情をすりつぶして働き、より多くコンビニ店長から利益を奪った社員だけが、コンビニ会社の幹部として出世します。株主の利益を実現する人しか社長や幹部になれない仕組みがあります。
徹底して利益を吸い上げられる過酷な状況ゆえ、コンビニ店長がコンビ二本社を訴える裁判も多くありますが、ほとんどテレビでは報道されません。セブンーイレブンが「ブラック企業大賞2015」を受賞しても大手メディアはほとんど報道しません。それは、テレビのスポンサーの一つがコンビニ会社だからです。テレビ局の報道もまた富裕層の支配下にあります。
経済産業省が2009年にまとめた報告書では、地元の商店会に加入するコンビニは2割強です。コンビニ店長が地域や商店街とのつながりを持ちたいと思っても、経営的にも時間的にも余裕がないため地域とのつながりをつくることができません。
「1年間1日も休まず働き、週に3日は徹夜勤務。なのに年収は290万円。これ、ある人のケースですが、どんな職業かわかりますか? 答えは、コンビニ店のオーナー」
2016年11月17日に放送されたNHKクローズアップ現代十は、こうはじまりました。
わたしたちの生活になくてはならないコンビニは5万3544店(2015年末)、従業員70万人以上、年間売上高は10兆円以上で、百貨店の売り上げ6兆円を大きくこえています。セブンーイレブン、ローソン、ファミリーマートの3社で売り上げの8割をこえ巨大化しています。
三宮貞雄『コンビニ店長の残酷日記』(小学館新書、2016年)では、コンビニ店長の大変な日々が描かれています。
東日本大震災ではコンビニ物流が止まったため、店長の三宮さんは困っている消費者のために近所の格安販売の店からお茶や水、食品などを購入してコンビニで販売しました。驚いたのが、本社から正規ルートで仕入れる価格よりも格安販売店から購入したほうが安い商品がいくつもあったことです。これは渡辺(2016年)も明らかにしています。
コンビニが競って規模を大きくするのは、大量に仕入れることでメーカーから低価格で仕入れることができるからです。そのうえで、販売店に高く卸せば、本社の利益は大きくなります。本社の利益は大株主(富裕層)のものです。
コンビニ店長は「独立した経営者」ですが、実際は「売りたいものを売る自由」「仕入れの自由」がありません。売り上げは毎日全額を本部に送金することが義務づけられているため、手持ちの資金はなく経営の自由がありません。深夜はアルバイトの希望者が少ないので、店長が深夜に働くことになります。店長は、売れ残りの弁当を食べて生活費を節約します。
ここまでがんばって売り上げを上げても、「本部だけが儲かり、加盟店には利益が残らない」巧妙な仕組みがあります。赤字で辞めようと思っても多額の違約金を請求されるなど、情報とノウハウを持った本社と、個人店長ではケンカになりません。奪われる一方です。
コンビ二本社の社員は会社の利益のため、コンビニ店長から奪う仕組みをつくりあげます。ところが、その社員もまた過酷な仕事を会社から求められています。元コンビニ社員のブログ(家庭円満.com)にはコンビニ会社の社員を続けるための条件として以下のように書かれています。(一部抜粋)
・人生に夢や目標がない
・長時間労働に耐えられる忍耐力がある
・友達がいない
・趣味がない
・プライドがない
・妻子がいない
・社会情勢に興味がない
・仕事に対して疑問がない
・仕事にやりがいを求めていない
家族や友人というつながりをなくし、自分の感情をすりつぶして働き、より多くコンビニ店長から利益を奪った社員だけが、コンビニ会社の幹部として出世します。株主の利益を実現する人しか社長や幹部になれない仕組みがあります。
徹底して利益を吸い上げられる過酷な状況ゆえ、コンビニ店長がコンビ二本社を訴える裁判も多くありますが、ほとんどテレビでは報道されません。セブンーイレブンが「ブラック企業大賞2015」を受賞しても大手メディアはほとんど報道しません。それは、テレビのスポンサーの一つがコンビニ会社だからです。テレビ局の報道もまた富裕層の支配下にあります。
経済産業省が2009年にまとめた報告書では、地元の商店会に加入するコンビニは2割強です。コンビニ店長が地域や商店街とのつながりを持ちたいと思っても、経営的にも時間的にも余裕がないため地域とのつながりをつくることができません。
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