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「トルコのEU加盟」が歴史の中のサファイア循環につながる

未唯へ。世界史の中でトルコの「ケマル・パシャ」という名前を覚えていますか。『激動のトルコ』302.27ナイのなかに、ケマル主義として出てきました。トルコはイスラムの世界にありながら、西欧化の一環として40年以上にわたってEU加盟を目指してきています。それはトルコ共和国が「ケマル主義」でイスラム原理主義を排除して、民族主義に基づく政権を維持してきたからです。そのEU加盟に危ぶまれている。

9.11以降、米国・ヨーロッパとイスラムの関係は険悪なままです。歴史の中で、サファイア循環を考える時に、Act Globallyの米国・ヨーロッパに対して、Think Locallyのイスラムへの橋渡しが必要です。これができれば、次の平和のステップに移行します。接点の一つが「トルコのEU加盟」だと、この本を読んで感じました。

ヨーロッパは過去にトルコを必要としていた。「冷戦時代にNATOに加盟したトルコは、ヨーロッパが冷戦を乗り越え、戦後復興を遂げるために不可欠な存在だった」「冷戦が終結しヨーロッパに共産主義の脅威がなくなると、ヨーロッパの中でトルコの位置づけは変わった」

トルコ加盟のメリットの一つは「9.11以降の宗教間対立の解消である。人口の大半がムスリムであるトルコが加盟すれば、相互の理解を促進し対立を解消できる」

ドイツのフィッシャー前外相は「ヨーロッパとイスラームの緊張を和解に導くことは極めて重要な課題である。西と東の文明をつなぐために、トルコは大きな役割をなしうる」「トルコの近代化・民主化はイスラーム世界の変化と安定の模範となり、ヨーロッパの安全保障にも貢献する。しかし近年はヨーロッパがトルコに不誠実な態度を取り、関係を悪化させている。ヨーロッパはトルコを戦略的につなぎとめなければならない」「トルコを遠ざけ、自ら危険を招いているのはヨーロッパ自身なのだ。トルコも、そしてEUも、この大いなる挑戦が頓挫してしまったとき、取り返しのつかない代償を払うことになる」と述べている。

現実としては、EU財政問題で2014年以降になり、EU自身も拡大よりも深化を求めている。失業問題やイスラムへの嫌悪感からヨーロッパ市民はトルコのEU加盟を望んでいないが、「EUの理念は、拡大と統合によりかつての「敵」を内に取り込んで平和共存を目指す」を取り戻す時に来ている
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