未唯への手紙
未唯への手紙
岡山県奈義町 出生率2・81!
『超少子化』より 日本でもできる! 岡山県奈義町
フランスほどお金をかけずに出生率2・81に!
フランスのようなまとまった現金給付に頼らず、少子化対策に成功した自治体が日本にある。
2015年11月、その町で開かれた記者会見。町長が、両手に持ったパネルを記者団に披露した。書いてあったのは、驚きの数字だった。
「合計特殊出生率2014年速報値 2・81」
日本の全国平均1・42の倍近く、あのフランスをも上回る出生率を実現させた町。それは、岡山県奈義町。
奈義町は、県の北部に位置する人口6000人ほどの町だ。
JR山陽本線が通る岡山駅から車で2時間、山陰本線が通る鳥取駅からは車で1時間、北は鳥取県と接している。山間にありながら空を広く感じられる開けた地形で、四季折々の自然を楽しむことができる。
国道53号線が町の東西を横断し、車とバスが主な交通手段だ。町の中心部に教育施設や福祉施設が集まっているので公共サービスの利便性は高い。
南東部に製造業を中心とした工業団地があるほか、林業と農業が町の主な産業になっている。町外へ通勤や通学で出る人も多い。
町役場には「子育て応援宣言のまち 子育てするなら奈義町で!!」の巨大な垂れ幕が3階部分から掲げられていた。
この町で、14年、60人の赤ちゃんが生まれた。
前年と比べると17人増で、内訳は第1子34人、第2子15人、第3子10人、第4子1人。おかげで出生率も前年よりO・93上昇した。
長らく人口減少に苦しんできた奈義町。出生率が二時1・41まで落ち込んだこともあったが、03年から子育て支援に本格的に乗り出すと順調に回復。およそ10年で2倍になった。
子育て世代への徹底したサポート
町が力を入れたこと。それは、子育て世代への徹底したサポートだ。
町に在住する子育て世帯を支援するだけなく、他の県や市町村にいる子育て世帯までもが奈義町に住みたくなるような、魅力的な施策を打ち出している。
その一つ一つを丁寧に見ていきたい。
①保育料が安い、「出産祝い金」も
②医療費が18歳まで無料、予防接種も町が負担
③子育て世帯向けに町営住宅も整備
④孤独な子育てとは無縁「なぎチャイルドホーム」
町の発展には、人を育てるのが一番確実
町の発展を考えるなら、産業振興や企業誘致などを思い浮かべる人もいるかもしれない。財政面でダイレクトに効果があるからだ。
しかし、産業や企業は経済状況によって変化してしまう。せっかく誘致して優遇策をとったとしても、経営方針が変われば町を出て行くこともあるだろう。経営状態が悪ければ期待した税収が見込めないかもしれない。
一方、町の大人や自然と触れ合って豊かな子ども時代を送った人なら、町に愛着をもってくれる。町にある企業に勤めるのが難しかったとしても、暮らしの軸を町に残して住み続けてくれるかもしれない。
子どもを安心してのびのびと育てられる環境なら、他地域の親も奈義町に興昧をもってくれる。実際に子育てしやすければ、少なくとも子どもが独り立ちするまでは奈義町にいてくれるだろう。地道ではあるが、人を育てるのが一番確実だと町は考えた。
奈義町は03年からそのスタートラインに立ち、走り始めた。そして、日本の子育て政策のトップランナーとも言うべき存在になりつつある。
社会に関わる人みんなで考える
こうした海外事例や奈義町を含めて、成功している地域の類似点を探ると、浮かび上がってくることがある。
それは、社会全体で子育てを支援しようという、行政と市民の姿勢だ。
子育て世帯も、そうでない世帯も、これから子育てを支援しなければいけないという〈合意形成〉ができている。だからこそ〈財源〉からの出費が認められ、予算が有効に使われている。
また「施設は子どもを預かるだけ」「親はサービスを利用するだけ」という決めつけがない。施設やサービスの役割を非常に柔軟に捉えている。そのなかで何ができるのか、関わる人みんなが考えている。
奈義町役場の職員が備品のムダ遣いを減らすのも、高齢者の町民が「チャイルドホーム」に立ち寄って子どもたちの相手をするのも、その一つだ。
多くの人が、生活の軸を子どものためにシフトすることが、巡り巡って自分たちや自分たちの住む町を守る、持続可能なものにしていくということを、奈義町の例は私たちに教えてくれている。
フランスほどお金をかけずに出生率2・81に!
フランスのようなまとまった現金給付に頼らず、少子化対策に成功した自治体が日本にある。
2015年11月、その町で開かれた記者会見。町長が、両手に持ったパネルを記者団に披露した。書いてあったのは、驚きの数字だった。
「合計特殊出生率2014年速報値 2・81」
日本の全国平均1・42の倍近く、あのフランスをも上回る出生率を実現させた町。それは、岡山県奈義町。
奈義町は、県の北部に位置する人口6000人ほどの町だ。
JR山陽本線が通る岡山駅から車で2時間、山陰本線が通る鳥取駅からは車で1時間、北は鳥取県と接している。山間にありながら空を広く感じられる開けた地形で、四季折々の自然を楽しむことができる。
国道53号線が町の東西を横断し、車とバスが主な交通手段だ。町の中心部に教育施設や福祉施設が集まっているので公共サービスの利便性は高い。
南東部に製造業を中心とした工業団地があるほか、林業と農業が町の主な産業になっている。町外へ通勤や通学で出る人も多い。
町役場には「子育て応援宣言のまち 子育てするなら奈義町で!!」の巨大な垂れ幕が3階部分から掲げられていた。
この町で、14年、60人の赤ちゃんが生まれた。
前年と比べると17人増で、内訳は第1子34人、第2子15人、第3子10人、第4子1人。おかげで出生率も前年よりO・93上昇した。
長らく人口減少に苦しんできた奈義町。出生率が二時1・41まで落ち込んだこともあったが、03年から子育て支援に本格的に乗り出すと順調に回復。およそ10年で2倍になった。
子育て世代への徹底したサポート
町が力を入れたこと。それは、子育て世代への徹底したサポートだ。
町に在住する子育て世帯を支援するだけなく、他の県や市町村にいる子育て世帯までもが奈義町に住みたくなるような、魅力的な施策を打ち出している。
その一つ一つを丁寧に見ていきたい。
①保育料が安い、「出産祝い金」も
②医療費が18歳まで無料、予防接種も町が負担
③子育て世帯向けに町営住宅も整備
④孤独な子育てとは無縁「なぎチャイルドホーム」
町の発展には、人を育てるのが一番確実
町の発展を考えるなら、産業振興や企業誘致などを思い浮かべる人もいるかもしれない。財政面でダイレクトに効果があるからだ。
しかし、産業や企業は経済状況によって変化してしまう。せっかく誘致して優遇策をとったとしても、経営方針が変われば町を出て行くこともあるだろう。経営状態が悪ければ期待した税収が見込めないかもしれない。
一方、町の大人や自然と触れ合って豊かな子ども時代を送った人なら、町に愛着をもってくれる。町にある企業に勤めるのが難しかったとしても、暮らしの軸を町に残して住み続けてくれるかもしれない。
子どもを安心してのびのびと育てられる環境なら、他地域の親も奈義町に興昧をもってくれる。実際に子育てしやすければ、少なくとも子どもが独り立ちするまでは奈義町にいてくれるだろう。地道ではあるが、人を育てるのが一番確実だと町は考えた。
奈義町は03年からそのスタートラインに立ち、走り始めた。そして、日本の子育て政策のトップランナーとも言うべき存在になりつつある。
社会に関わる人みんなで考える
こうした海外事例や奈義町を含めて、成功している地域の類似点を探ると、浮かび上がってくることがある。
それは、社会全体で子育てを支援しようという、行政と市民の姿勢だ。
子育て世帯も、そうでない世帯も、これから子育てを支援しなければいけないという〈合意形成〉ができている。だからこそ〈財源〉からの出費が認められ、予算が有効に使われている。
また「施設は子どもを預かるだけ」「親はサービスを利用するだけ」という決めつけがない。施設やサービスの役割を非常に柔軟に捉えている。そのなかで何ができるのか、関わる人みんなが考えている。
奈義町役場の職員が備品のムダ遣いを減らすのも、高齢者の町民が「チャイルドホーム」に立ち寄って子どもたちの相手をするのも、その一つだ。
多くの人が、生活の軸を子どものためにシフトすることが、巡り巡って自分たちや自分たちの住む町を守る、持続可能なものにしていくということを、奈義町の例は私たちに教えてくれている。
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