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未唯への手紙

未唯への手紙

図書館で本をごそっと借りてくる

2015年01月17日 | 6.本
『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』より 本を読まずにはいられない「環境」をつくる

「家にたくさんある」状態がいい

 いかに本が安価とは言え、何十冊も一度に買えば何万円にもなってしまいます。また、すべての本を子どもが気に入るとは限らず、1回読んだだけ、あるいはまったく見向きもされない本も出てくるでしょう。

 そんなとき、図書館で「とにかくたくさん借りまくる」のがいいのです。

 上位私立中学校に合格したある女の子のお母さんは、子どもが小さい頃、リビングに絵本コーナーを設け、図書館から借りてきた本を常に20冊くらい並べていました。

 毎晩その絵本コーナーの前で、「今日はどれがいい?」と選ばせます。子どもが手に取った2、3冊を持って、寝室へ向かうということを毎日行っていたと言います。

 この「選ばせる」というのは、とても憎い演出です。子どもは自分が好きなものを選んだ満足感を得ることができ、しかも、寝る前にお母さんに読み聞かせてもらえるのですから、寝る前の読書が大好きになります。

 小学校に上がる頃には、幼年童話を片っ端から読むようになり、読書に裏づけられた学力のおかげで、志望校に合格することができたのです。

 リビングや子ども部屋に、図書館で借りた本を置くスペースを作るのも一法です。たくさん借りてきた本の中でお気に入りができたら、借り直してもいいし、ここで初めて購入することにしてもいいでしょう。

 買うわけではないから、「これはウケないかも……」という本も、あえて借りてくるこ’とができます。そんな中で、意外と子どもがハマる本が出てきたりするのです。

意外に知られていない便利システム

 図書館は使い慣れてしまえば、利用価値は相当のものです。

 最近は、蔵書数の充実を図るだけでなく、施設作りに重点をおいた図書館が増えています。カビ臭い書架のイメージは払しょくされ、キッズスベースや喫茶コーナーなど、魅力的な場として変貌を遂げつつあります。

 インターネットで蔵書の有無、貸出状況をあらかじめ確認しておけば、「せっかく足を運んだのに、ほしかった本がなかった(借りられていた)」ということがなくなります。ひとつの市区にはたいてい複数の図書館がありますが、予約をすれば最寄りの図書館に本を取り寄せることができます。返却も、一括で大丈夫です。

 さらに、図書館の司書さんはとても頼りがいがあります。たとえば「妖怪の出てくる怖い本を探しているのだけれど……」などと曖昧な尋ね方をしても、いろいろな本を見つけ出してきてくれます。

 また、図書カードを作れる図書館は、住んでいる地域に限りません。近隣の市区であれば、たいてい可能です。通うことができるなら、ぜひ隣りの市区の図書館にも足を伸ばしてみてください。

 リビングに絵本コーナーを設けていた先はどのお母さんも、子どもが飽きないよう、地元と隣りの市の図書館を股にかけて借り出していました。

 私の知り合いの世田谷区在住者は、調布市、三鷹市まで足を伸ばし、3つの市区の図書館を使い倒しています。人気の本や新刊はすぐ貸し出されてしまうので、あちこち巡って借りているのでしょう。

大人向けの棚にも手を伸ばしてみる

 本に慣れてくると、子どもがやたらと読みたがる種類のものが出てきます。

 たとえば、おばけのお話が大好きな、ある6歳の男の子。そのなかでも、がいこつのおばけが好きで、がいこつが出てくる絵本ばかり見ているうちに、だんだん「骨」に興味を持つようになりました。

 図書館に行っても、絵本では飽きたらず、小学生向けの骨の図鑑などを片っ端から借りるように。あらかた借り尽くした後は、大人向けの棚にも手を伸ばし、専門書まで借りるようになったと言います。今ではすっかり骨博士で、写真を見ただけで「これは肋骨」「ソウの骨」などと即答するとか。

 子どもだからといって、子ども向けの本しか読んではいけないということはありません。関心を持っている分野の書棚へ行き、大人向けの本格的な本をどんどん見せてあげましょう。

 文章は読めなくても、写真や図、イラストを眺めているだけで、子どもは楽しみを見っけ出します。「大人向けの本なんて、見てもわからない」と決めつけず、子どもの知的好奇心を大いに刺激してください。

 また、こういう経験がベースになって、理科、生物、生命、環境……というように、自分で本が読めるようになったときの読書の守備範囲が広がっていくのです。

 難解な専門書は高価ですから、借りるに限ります。また、そのような本は借りる人も少ないので、少々貸出期間を延長しても大丈夫なのがいい点です。

 図書館で一度楽しみを見つけると、子どもにとって図書館が魅力的な空間として認識されます。「またあの大きな図書館に行こうよ」と子どもが自分から言うようになれば、しめたものです。ぜひそうなるように、親御さんは休日に家族で図書館へ出かけるなど、図書館通いを楽しいイベントとして目常に組み込んでください。

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