未唯への手紙
未唯への手紙
地域密着性の高いシェアサイクルサービス
『シェアリングエコノミーがよ~くわかる本』より 移動のシェアリングの可能性
「スマートフォン」と「IoT」の組み合わせでシェアサイクルを事業化
世界的な規模で通信事業を展開するソフトバンクグループ(孫正義氏率いる)がグループ企業の社員のアイデアを広く募集して事業化を行う新規事業提案制度「ソフトバンクイノベンチャー」の中から起業した4社のうちの1社が、2016年11月に発足したOpenStreet株式会社(代表取締役 横井晃)です。
ソフトバンクの経営理念「情報革命で人々を幸せに」を軸に多種多様な事業展開を進めているソフトバンクグループ会社は、勢いに乗り始めているシェアサイクルサービスの事業を独自の戦略で展開しています。
地域住民の声を重視し、地域密着型の高い新規ビジネスで、自転車シェアリングシステム「HELL CYCLING」による、IoTを活用したシェアサイクル事業です。
ここ1、2年「シェアリング経済」「シェアリングエコノミー」が騒がれ始めていますが、もともとシェアするというのは昔からあったビジネスです。例えば、農業組合の農機具を始め、近所のおすそ分け、子供服、衣類(着物)の貸し借りなど、シェアの発想はもともと私たちの生活、ビジネスの世界に根付いていました。人間はもともと社会性を大事にするところがあり、“シェアの発想”は存在していたということになります。
自転車の非稼働率の効率化の解消にシェアサイクル
急成長する中国を始め、欧州、米国の各主要都市でのシェアサイクルの普及拡大は続いています。「世界の都市に比べれば、日本は後れを取っている」といわれながらも、日本のシェアサイクルの普及拡大の動きも活発になってきています。全国のコンビニエンスストアや自転車のシェアサービス拠点が増えています。
国内のシェアサイクル市場を見てみると、国内の自転車の保有台数は、ここ数年横ばい状態が続いています。放置自転車数も、自治体の放置自転車対策費が膨大になり、社会的な課題の一つにもなっています。また、通学・通勤での自転車利用の場合、自転車の1日の稼働時間はごく限られた時間で、残りは自宅か、駐輪場で眠っていることになります。
この自転車の非稼働率の効率化が、シェアサイクルで解消されることも期待されています。シェアサイクルの特徴はとこでも借りられて、どこでも返却可能な短距離交通インフラです。
同社の横井晃社長は「シェアサイクルの市場が爆発的に拡大していますが、圧倒的な普及を後押しする理由が『スマートフォン』と『IoT』の二つのファクターです。国も始動しています。2017年5月に自転車の活用の一層の推進を図るために『自転車活用推進法』が施行され、普及の後押しになっています」と話しています。
同社が展開する自転車シェアリングシステム「HELLO CYCLING」は、世界初のオープンプラットフォーム(製品やサービスの基本を構成する技術仕様を公開する)で、企業や自治体が自転車に、短距離交通インフラの可能性を高めたシェアサイクルです。IoTデバイス(スマートフォンで鍵を開け締めるシステムのスマートロック)を取り付けて、「HELLO CYCLING」に参画する企業や自治体を増やしていくことで、ユーザーは各地域で展開されるシェアサイクルブランドを「一度きりの会員登録で、エリアに縛られす利用できます。“11D1 PASS" で利用できるのが特徴です。
スマートフォンの普及がシェアビジネスでリアルタイムの情報を得られる即時性(RealTime)、今欲しいという要求(On Demand)、決済(Credit)が完結でき、IoTにより利用者のデータの取得、分析、可視化かできるようになります。
仕組みは「BtoBtoC」のシステムサービス
「HELLO CYCLING」の仕組みは「BtoBtoC」のシステムサービスです。最初のBはOpenStreet (プラットフォーム)であり、次のBは(シェアサイクルの運営事業者)です。最後のCはエンドユーザー(カスタマー)です。
各地ではそれぞれのブランドでシェアサイクルが運営されています。例えば、埼玉県さいたま市の街づくりを目的とした「エコモビ」(美園アーバンセンターの美園地区の街づくりの短距離交通インフラ)、栃木県小山市の観光などを目的とした「らく一る」(観光地の回遊や市民の手軽な足として)などが挙げられます。また、都内では、民間運営による「シェアペダル」などが展開されています。なお、同社の事業は全国展開といっても、パートナーとの連携により地域密着型を実現しており、それぞれの地域性を考慮したシェアサイクルの展開を目指しています。
シェアサイクルに必要となるのは、ソフト面では利用アプリ、HP・販促、決済システム、会員管理、分析ツールなどが必要になり、八一ド面では自転車、スマートロック、駐輪場「ステーション」の設置物なども必要になります。加えて、運用面では、ステーション開拓、ステーション管理、コールセンター、バッテリー交換、再配置、車輛メンテナンス、保険サービスなども必要になります。「HELLOCYCLING」が提供する範囲は、ソフト面とハード面および運用面の一部です。具体的にはソフト面では利用アプリ、HP・販促、決済システム、会員管理、分析ツールです。そしてハード面ではスマートロック、運用面では保険サービスです。
利便性が高く、手軽なノーライセンスの乗り
シェアサイクルが注目を集めている理由の一つが、自転車の持つ特徴です。車と違い免許が不要であり、手軽に利用できる乗り物です。都心部で実験してみたところ、湾岸エリアから東京駅まで約20分、新宿から四谷まで約15分、高輪から六本木まで約10分という短時間で移動できたということでした。
また、観光スポットが点在する観光地を回遊するとなれば、電車を利用するよりも、はるかに自転車のほうが便利であることも多い、ということです。
自転車の拠点(ステーション)が増えれば、借りたところと別なステーションに返却する「乗り捨て」がどんどん便利になるため、今後、ステーションは増えていくことは間違いありません。
シェアサイクルの普及の一方でレンタサイクルが普及しなかった理由としては、無人の拠点を置く場合には、利用料を支払うための機器を事業者が設置しなければならす、高額の設備投資が必要であること、また導入に手間がかかることが挙げられます。また、シェアサイクルと異なり乗り捨てができないため、利用者にとっても利便性に欠けるという現実がありました。
どこでも“乗り捨てができる”「11D1 PASSWORD」方式
「HELLO CYCLING」では、アプリ、またはWebサイトから簡単に自転車の予約が可能です。予約した自転車に取り付けられているディスプレイに、暗証番号を入力することでスマートロックが開錠し、自転車を利用できるという流れです。また、ディスプレイに交通系ICカードをタッヂするだけで、自転車を借りることができます。
シェアサイクルを運営する事業者や地域が異なっても、「HELLO CYCLING」に登録されたステーションであれば、どこでも利用でき、「1ID1 PASSWORD」方式を導入しています。「HELL CYCLING」に参画する事業者をプラットフォーム化しているようなイメージです。
現状では日本のシェアサイクルは海外に後れを取っています。「グローバルでのシェアサイクル市場は海外がダントツで膨れ上がっています。米国、中南米、欧州、中国と世界的な規模でシェサイクルのグローバル化が進んでいます」(横井社長)
ユーザーの利用履歴が次のサービスアイデアを生む
地域密着性の高いシェアサイクルブラッドフォームを目指す同社は、「HELLO CYCLING」を活用してシェアサイクルを運営する事業者をネットワーク提携企業とし、各地域の事業者とステーションづくりを展開しています。
横井社長は「当社は地域密着型でユーザーの二-ズに的確に対応したステーションづくりを重要視しています。ですから、地域によって、自転車の車種なども異なります。地域活性化のためのシェアサイクルサービスに徹します」と話します。
例えば、坂道の多い地域と海岸沿いの地域では自転車の車種が違って当然です。販促の面でも地元企業のネットワークを活用しています。
「HELLO CYCLING」の自転車に取り付けられているスマートロックには、GPSが搭載されているため、自転車の走行データの収集と分析が可能です。つまり、ビッグデータの分析と活用による可能性も非常に高いということです。 GPS情報からユーザーがどういう回遊ルートでどこに立ち寄ったか、などを分析してステーションの設置場所などを工夫することでサービスのレベルアップにも役に立ちます。
日本のシェアサイクル市場をめぐっては勢いのある海外勢のシェアサイクル事業者の進出などにより競争化か始まっています。同社が展開する「HELLOCYCONG」は「短距離の交通移動インフラ」への挑戦です。
「スマートフォン」と「IoT」の組み合わせでシェアサイクルを事業化
世界的な規模で通信事業を展開するソフトバンクグループ(孫正義氏率いる)がグループ企業の社員のアイデアを広く募集して事業化を行う新規事業提案制度「ソフトバンクイノベンチャー」の中から起業した4社のうちの1社が、2016年11月に発足したOpenStreet株式会社(代表取締役 横井晃)です。
ソフトバンクの経営理念「情報革命で人々を幸せに」を軸に多種多様な事業展開を進めているソフトバンクグループ会社は、勢いに乗り始めているシェアサイクルサービスの事業を独自の戦略で展開しています。
地域住民の声を重視し、地域密着型の高い新規ビジネスで、自転車シェアリングシステム「HELL CYCLING」による、IoTを活用したシェアサイクル事業です。
ここ1、2年「シェアリング経済」「シェアリングエコノミー」が騒がれ始めていますが、もともとシェアするというのは昔からあったビジネスです。例えば、農業組合の農機具を始め、近所のおすそ分け、子供服、衣類(着物)の貸し借りなど、シェアの発想はもともと私たちの生活、ビジネスの世界に根付いていました。人間はもともと社会性を大事にするところがあり、“シェアの発想”は存在していたということになります。
自転車の非稼働率の効率化の解消にシェアサイクル
急成長する中国を始め、欧州、米国の各主要都市でのシェアサイクルの普及拡大は続いています。「世界の都市に比べれば、日本は後れを取っている」といわれながらも、日本のシェアサイクルの普及拡大の動きも活発になってきています。全国のコンビニエンスストアや自転車のシェアサービス拠点が増えています。
国内のシェアサイクル市場を見てみると、国内の自転車の保有台数は、ここ数年横ばい状態が続いています。放置自転車数も、自治体の放置自転車対策費が膨大になり、社会的な課題の一つにもなっています。また、通学・通勤での自転車利用の場合、自転車の1日の稼働時間はごく限られた時間で、残りは自宅か、駐輪場で眠っていることになります。
この自転車の非稼働率の効率化が、シェアサイクルで解消されることも期待されています。シェアサイクルの特徴はとこでも借りられて、どこでも返却可能な短距離交通インフラです。
同社の横井晃社長は「シェアサイクルの市場が爆発的に拡大していますが、圧倒的な普及を後押しする理由が『スマートフォン』と『IoT』の二つのファクターです。国も始動しています。2017年5月に自転車の活用の一層の推進を図るために『自転車活用推進法』が施行され、普及の後押しになっています」と話しています。
同社が展開する自転車シェアリングシステム「HELLO CYCLING」は、世界初のオープンプラットフォーム(製品やサービスの基本を構成する技術仕様を公開する)で、企業や自治体が自転車に、短距離交通インフラの可能性を高めたシェアサイクルです。IoTデバイス(スマートフォンで鍵を開け締めるシステムのスマートロック)を取り付けて、「HELLO CYCLING」に参画する企業や自治体を増やしていくことで、ユーザーは各地域で展開されるシェアサイクルブランドを「一度きりの会員登録で、エリアに縛られす利用できます。“11D1 PASS" で利用できるのが特徴です。
スマートフォンの普及がシェアビジネスでリアルタイムの情報を得られる即時性(RealTime)、今欲しいという要求(On Demand)、決済(Credit)が完結でき、IoTにより利用者のデータの取得、分析、可視化かできるようになります。
仕組みは「BtoBtoC」のシステムサービス
「HELLO CYCLING」の仕組みは「BtoBtoC」のシステムサービスです。最初のBはOpenStreet (プラットフォーム)であり、次のBは(シェアサイクルの運営事業者)です。最後のCはエンドユーザー(カスタマー)です。
各地ではそれぞれのブランドでシェアサイクルが運営されています。例えば、埼玉県さいたま市の街づくりを目的とした「エコモビ」(美園アーバンセンターの美園地区の街づくりの短距離交通インフラ)、栃木県小山市の観光などを目的とした「らく一る」(観光地の回遊や市民の手軽な足として)などが挙げられます。また、都内では、民間運営による「シェアペダル」などが展開されています。なお、同社の事業は全国展開といっても、パートナーとの連携により地域密着型を実現しており、それぞれの地域性を考慮したシェアサイクルの展開を目指しています。
シェアサイクルに必要となるのは、ソフト面では利用アプリ、HP・販促、決済システム、会員管理、分析ツールなどが必要になり、八一ド面では自転車、スマートロック、駐輪場「ステーション」の設置物なども必要になります。加えて、運用面では、ステーション開拓、ステーション管理、コールセンター、バッテリー交換、再配置、車輛メンテナンス、保険サービスなども必要になります。「HELLOCYCLING」が提供する範囲は、ソフト面とハード面および運用面の一部です。具体的にはソフト面では利用アプリ、HP・販促、決済システム、会員管理、分析ツールです。そしてハード面ではスマートロック、運用面では保険サービスです。
利便性が高く、手軽なノーライセンスの乗り
シェアサイクルが注目を集めている理由の一つが、自転車の持つ特徴です。車と違い免許が不要であり、手軽に利用できる乗り物です。都心部で実験してみたところ、湾岸エリアから東京駅まで約20分、新宿から四谷まで約15分、高輪から六本木まで約10分という短時間で移動できたということでした。
また、観光スポットが点在する観光地を回遊するとなれば、電車を利用するよりも、はるかに自転車のほうが便利であることも多い、ということです。
自転車の拠点(ステーション)が増えれば、借りたところと別なステーションに返却する「乗り捨て」がどんどん便利になるため、今後、ステーションは増えていくことは間違いありません。
シェアサイクルの普及の一方でレンタサイクルが普及しなかった理由としては、無人の拠点を置く場合には、利用料を支払うための機器を事業者が設置しなければならす、高額の設備投資が必要であること、また導入に手間がかかることが挙げられます。また、シェアサイクルと異なり乗り捨てができないため、利用者にとっても利便性に欠けるという現実がありました。
どこでも“乗り捨てができる”「11D1 PASSWORD」方式
「HELLO CYCLING」では、アプリ、またはWebサイトから簡単に自転車の予約が可能です。予約した自転車に取り付けられているディスプレイに、暗証番号を入力することでスマートロックが開錠し、自転車を利用できるという流れです。また、ディスプレイに交通系ICカードをタッヂするだけで、自転車を借りることができます。
シェアサイクルを運営する事業者や地域が異なっても、「HELLO CYCLING」に登録されたステーションであれば、どこでも利用でき、「1ID1 PASSWORD」方式を導入しています。「HELL CYCLING」に参画する事業者をプラットフォーム化しているようなイメージです。
現状では日本のシェアサイクルは海外に後れを取っています。「グローバルでのシェアサイクル市場は海外がダントツで膨れ上がっています。米国、中南米、欧州、中国と世界的な規模でシェサイクルのグローバル化が進んでいます」(横井社長)
ユーザーの利用履歴が次のサービスアイデアを生む
地域密着性の高いシェアサイクルブラッドフォームを目指す同社は、「HELLO CYCLING」を活用してシェアサイクルを運営する事業者をネットワーク提携企業とし、各地域の事業者とステーションづくりを展開しています。
横井社長は「当社は地域密着型でユーザーの二-ズに的確に対応したステーションづくりを重要視しています。ですから、地域によって、自転車の車種なども異なります。地域活性化のためのシェアサイクルサービスに徹します」と話します。
例えば、坂道の多い地域と海岸沿いの地域では自転車の車種が違って当然です。販促の面でも地元企業のネットワークを活用しています。
「HELLO CYCLING」の自転車に取り付けられているスマートロックには、GPSが搭載されているため、自転車の走行データの収集と分析が可能です。つまり、ビッグデータの分析と活用による可能性も非常に高いということです。 GPS情報からユーザーがどういう回遊ルートでどこに立ち寄ったか、などを分析してステーションの設置場所などを工夫することでサービスのレベルアップにも役に立ちます。
日本のシェアサイクル市場をめぐっては勢いのある海外勢のシェアサイクル事業者の進出などにより競争化か始まっています。同社が展開する「HELLOCYCONG」は「短距離の交通移動インフラ」への挑戦です。
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