未唯への手紙
未唯への手紙
イスラム国を操る「黒幕の存在」
『2015年日本経済のシナリオ』より 進展する「シェール革命」と出口の見えない「中東情勢」
イスラム国問題については、巷間さまざまな憶測を呼んでいます。
たとえば、真新しいピックアップトラック数十台を連ねた長い隊列を組んで、イスラム国の軍隊が行軍する写真がインターネットで出回っています。彼らに豊富な資金がなければ、このような装備を持つことは不可能です。そこで、スンニ派王家がバックにいるのではないかとか、アルカイダのときと同様にCIAが操っているのではないかといった陰謀論が飛び交っています。
もちろん、資金提供者はどこかにいることでしょう。資金も兵姑もないテロ組織がこれだけ大きな戦闘をつづけたり、支配地域を拡大したりはできません。
それがどこの国の、どの勢力なのかは、もちろん私の与り知らないことです。
ただ、ひとつ確実に言えることは、オバマ氏の外交音痴によって、アメリカが中東の泥沼にふたたび足を取られていることです。
イスラム国という組織は、もともとほとんどノーマークの組織でした。それがあっという問に、台風の目になりました。
その戦闘員は、いわゆる聖戦のために集まった中東諸国の志願兵だけではありません。彼らはヨーロッパの国々やアメリカからもやってきています。たとえば、ドイツのメルケル首相は、イスラム国の戦闘員は約2万人で、そのうち欧州出身者が約2000人を占めるとの見方を示しました。まだアメリカは、イスラム国の外国人戦闘員は約7000人を数えるとしています。
9・11同時テロ以来、アメリカはテロとの戦いをつづけてきました。その過程で、イスラム過激派の世界的なネットワークの殲滅作戦が行われてきましたが、いざイスラム国問題が浮上してみると、テロのネットワークは強化されこそすれ弱体化していなかったことがはっきりしました。しかも、私が見るに、今回は役者が一枚上手です。
たとえば、アメリカ人ジャーナリストがイスラム国によって処刑される映像がYouTubeで公開されました。
これは、切り落とされた首が映っている、非常にショツキングな映像です。報復の意味で、処刑の一部始終を記録した映像をYouTubeに投稿する勢力も多いのですが、イスラム国が公開した映像には処刑行為そのものは映っていませんでした。そのため、本当に処刑が行われたのか、偽旗作戦ではないかという疑問は残っています。
しかし、世界経済を予測する上で重要なポイントは、そこではありません。なぜそれが9月だったのか、タイミングの妙に注意を向けるべきなのです。
アメリカ人ジャーナリストの処刑をめぐっては、興味深い事実があります。じつは、その男性が捕えられたのは処刑の直前ではなく、1年も前のことだというのです。1年も生かしておいたものを、なぜこのタイミングを待って処刑し、映像を公開したのか。それは、アメリカの中間選挙の選挙戦たけなわの時期を待っていたからでしょう。
処刑映像を観て、怒りを爆発させないアメリカ人はいません。シリアのアサド政権が自国民を化学兵器で虐殺したときは国民が3対1で軍事介入に反対しましたが、今度は4対1で空爆に賛成しました。中間選挙を控えたオバマ大統領も、これ以上「弱腰外交」の大合唱を浴びるわけにはいかないため、空爆に踏み切りました。
逆にいえば、イスラム国ははっきりとアメリカを巻き込む意図を持って、処刑映像の公開を行ったといえます。
彼らはおそらく、「しめしめ、オバマ大統領が食いついてきた」と考えているのではないでしょうか。少なくとも、私はそう想像します。
イスラム国問題については、巷間さまざまな憶測を呼んでいます。
たとえば、真新しいピックアップトラック数十台を連ねた長い隊列を組んで、イスラム国の軍隊が行軍する写真がインターネットで出回っています。彼らに豊富な資金がなければ、このような装備を持つことは不可能です。そこで、スンニ派王家がバックにいるのではないかとか、アルカイダのときと同様にCIAが操っているのではないかといった陰謀論が飛び交っています。
もちろん、資金提供者はどこかにいることでしょう。資金も兵姑もないテロ組織がこれだけ大きな戦闘をつづけたり、支配地域を拡大したりはできません。
それがどこの国の、どの勢力なのかは、もちろん私の与り知らないことです。
ただ、ひとつ確実に言えることは、オバマ氏の外交音痴によって、アメリカが中東の泥沼にふたたび足を取られていることです。
イスラム国という組織は、もともとほとんどノーマークの組織でした。それがあっという問に、台風の目になりました。
その戦闘員は、いわゆる聖戦のために集まった中東諸国の志願兵だけではありません。彼らはヨーロッパの国々やアメリカからもやってきています。たとえば、ドイツのメルケル首相は、イスラム国の戦闘員は約2万人で、そのうち欧州出身者が約2000人を占めるとの見方を示しました。まだアメリカは、イスラム国の外国人戦闘員は約7000人を数えるとしています。
9・11同時テロ以来、アメリカはテロとの戦いをつづけてきました。その過程で、イスラム過激派の世界的なネットワークの殲滅作戦が行われてきましたが、いざイスラム国問題が浮上してみると、テロのネットワークは強化されこそすれ弱体化していなかったことがはっきりしました。しかも、私が見るに、今回は役者が一枚上手です。
たとえば、アメリカ人ジャーナリストがイスラム国によって処刑される映像がYouTubeで公開されました。
これは、切り落とされた首が映っている、非常にショツキングな映像です。報復の意味で、処刑の一部始終を記録した映像をYouTubeに投稿する勢力も多いのですが、イスラム国が公開した映像には処刑行為そのものは映っていませんでした。そのため、本当に処刑が行われたのか、偽旗作戦ではないかという疑問は残っています。
しかし、世界経済を予測する上で重要なポイントは、そこではありません。なぜそれが9月だったのか、タイミングの妙に注意を向けるべきなのです。
アメリカ人ジャーナリストの処刑をめぐっては、興味深い事実があります。じつは、その男性が捕えられたのは処刑の直前ではなく、1年も前のことだというのです。1年も生かしておいたものを、なぜこのタイミングを待って処刑し、映像を公開したのか。それは、アメリカの中間選挙の選挙戦たけなわの時期を待っていたからでしょう。
処刑映像を観て、怒りを爆発させないアメリカ人はいません。シリアのアサド政権が自国民を化学兵器で虐殺したときは国民が3対1で軍事介入に反対しましたが、今度は4対1で空爆に賛成しました。中間選挙を控えたオバマ大統領も、これ以上「弱腰外交」の大合唱を浴びるわけにはいかないため、空爆に踏み切りました。
逆にいえば、イスラム国ははっきりとアメリカを巻き込む意図を持って、処刑映像の公開を行ったといえます。
彼らはおそらく、「しめしめ、オバマ大統領が食いついてきた」と考えているのではないでしょうか。少なくとも、私はそう想像します。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「新エネルギ... | 「未唯への手... » |
コメント |
コメントはありません。 |
コメントを投稿する |