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17の忘れてはならない図書館のポイント

『知の広場』より

 1 図書館が柱となり、市民を巻き込み動かすこと。図書館は、小学校、警察、消防団と同じように、その地域にとって必要不可欠な機関である。市民の声が図書館に届くように運営し、行政が問題に取り組むよう仕向けること。

 2 その地区、町、国の性格に合わせること。どんな地域で、どんな人が住んでいるのかということに注目すること。特に、図書館に来ない市民に気を配ること。どんな人にとっても心地良く、文化的に豊かな図書館を創ることは共通の課題であるが、どこにでも有効なモデルというのは存在しない。

 3 丁寧な分析から出発し、どんな人が利用者となるかを理解すること。なぜなら、利用者というのは固定できないし、また、新たな利用者を獲得するのはとても大変だから。非利用者のもつ図書館のイメージについて、調査・研究を行うこと。

 4 変化に抵抗するのではなく一体となり、できることなら、変化の一歩先を行くこと。グーテンペルグ世代とiPad世代との間にある深い溝は、どうしたら埋められるのかよく考えること。

 5 人はどのように振る舞い、どのように動くのかを観察すること。そして、そこからより良い空間作り、開架方法、サービスの向上に役立つ手がかりを引き出すこと。また、私的空間での試行案からもヒントを得ること。

 6 建築、内装、職員の態度を通して、感じのいい場所だと目に見えるようにすること。市民が図書館で、あたかも地元の古い商店や、百年前に創業された広場のカフェに入った時のように、「本能的に」居心地がいいと感じられなければならない。

 7 形式ばらない雰囲気にすること。禁止行為のリストを貼り出すよりも、そうした行為が職員の力で自律的になくなるのが望ましい。ぶ叉全第戸を採用するのではなく、制限することで生まれる長所と短所を天秤にかけてみること。

 8 市民とのコミュニケーションは、即興でなされるべきではない。建築、色使い、内装、規則こ開館時間、職員の態度などの要素を包括的に検討した成果であるべきである。

 9 一般市民は、図書の専門用語は知らないし、知りたくもないという前提に立つこと。したがって、すべての案内標識は、到着したての外国人でも理解できる言葉やマークで示されなければならない。

 10 図書館の人工的な分類法は、の呂腎やアマゾン、その他の検索エンジンのように、インターネット上の共有や交換を容易にし、アクセスしやすくするはずである。

 11 批判精神をもち、独創的で、どんなことにも果敢に取り組める人以外には、将来、図書館でのポストはない。伝統的な図書館員を思い描くのは止めた方がいい。これからは、他分野出身の新たな考え方をもった図書館員、市民の出会いの場、文化イベントの場、地域の活発な場で必要とされることに対応できる図書館員が有利である。

 12 職場のヒエラルキーより実力を重視すること。全職員を同じ立場に置く人員配置も試してみる。

 13 図書館のプロジェクトやイベントに市民を参加させること。どんな種類の協会も受け入れ、場を提供すること。図書館は何より町の一部であり、そこにはたまたま本もあるだけのことなのだ。

 14 自由に動けない市民のいる所には、どこであろうと図書館の資料を持って行くこと。例えば、病院、養老院、刑務所など。

 15 図書館への入り口となる新しいコンテンツ(ブログや掲示板など)を作る際に、インターン生を巻き込むこと。彼らにとって、経験や討論のできる現実的な場にすること。自分の両親や祖父母にコンピューターのいろはを教えさせるなど、「デジタルーデバイス」と闘うように刺激する

 16 監視の目が気にならず、孤独な人々が出会うことのできるような、新しい都市空間を作りだすこと。共通の良識、人と一緒にいる歓び、市民である歓び、こうしたことを忘れてしまった人々が参加できる場を作ること。

 17 プロジェクトは、あらゆる側面、つまり、文化的、技術的、組織的側面から何度も見直されるべきであると意識すること。
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