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てらまち・ねっと



 住基ネットについての最高裁判決。
 予想のとおりとはいえ、いやそうであるからこそ、改めて、司法と行政の関係がクローズアップされた。
 
 先日のブログ ◆住基ネット訴訟/最高裁は3月6日にまとめて判決/政府の要請との声も で、私たちのやってきたことやいろんな経過や、「住基カード手詰まり 普及率1.5% 使い道不足空回り(朝日新聞 2008年03月03日)」を紹介したとおり、行政の現場では、国がやれといっているから続けるしかない、金も多くは降りてくるし・・・・そんな雰囲気がありあり。
 喜んで使っている人は少ないだろう。大部分の人に関係ないカードの世界。

 ともかく、昨日の判決に関しての報道を見る。  まず、
   ◎ 原告の「国のいいなりの判決だ」
   ◎ 国は「適法性、有効性が改めて確認された」
   ◎ 高裁の違憲判決を受けてそれに従っていた箕面市長は「大阪高裁判決を受け入れたことは間違いなかった」
   ◎ 新聞論評の「『多額の税金支出に見合わない』との費用対効果の主張については判断していない」「住基ネット導入で利便性実感は乏しく」

 その後に、判決自体の報道を見る。
 最後に昨日アップされた最高裁判決にリンク。主要判決の速報は早いとは言え、言い渡しのすぐ後にアップされたとは、全部段取り済みということを見せ付けたわけだ。

 裁判所と行政といえば、昨年5月31日に岐阜地裁でほぼ全面勝訴し 返還命令が出た判決、行政や職員側が控訴していた「カラ渡船」の住民訴訟も、高裁の審理でヘンな裁判になった。
 ちょうど来週金曜日が控訴審判決。おかしな裁判官たちだった。
 話は次のよう。

 控訴した被告行政側が、高裁の2回目の期日から「和解を」と言い出した。
 こちらは本人訴訟なんだけど、被告側(=控訴人)代理人が「弁護士同士ならいろいろと話ができるんですが、そうじゃないので」と付言して。

 途中での裁判官との2回の協議、すっかり被告の言う和解に呼応して、こちらを説得なさる。・・・こちらは和解意思は無いことを答えているにもかかわらず、最後の終結予定の法廷においてさえ裁判長から、盛んにこちら原告側に和解してはどうかと、持ちかけてくる。裁判長は、「てらまちさん、和解の可能性があると思うから言うんですよ、判決になったら地裁のとおりとは限りませんよ」、とまでおっしゃる。・・・半ば脅迫じゃないか・・

 言葉を換えれば、よほど、判決文を書きたくないのだろうと思った。
 こんな経過だから、判決で逆転負けは無いにしろ、岐阜地裁の返還命令額の減額修正はあり得るかと思わざるを得ない・・・今度の14日の名古屋高裁の判決は、違う意味で興味がある・・・

 元に戻って、今度の最高裁での一括判決、他の全国の多数の住基ネット判決で、いちいち個別の事情や理由について各地の裁判所の裁判官が書かなければいけないから、最高裁で何本かの裁判についてまとめて方向を示すことで、各地の地裁高裁は、右ならへの判決で済むから、大幅に省力化する、裁判所の費用対効果は抜群、とでもいうのだろうか・・
 ・・・今後の各地の判決は、「『平成19(オ)403 最高裁判所第一小法廷 平成20年03月06日』判決のとおり 」と書けば済むから・・・仮に良心に従った裁判官がダメと書きたくても書けないことになったんだし・・・

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●住基ネット:「国のいいなり」…原告が口々に判決批判  毎日新聞 最終更新時間 3月6日 20時32分
 「国のいいなりの判決だ」。住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)を合憲と判断した6日の最高裁判決。自分の個人情報が知らぬ間に国や自治体の間を行き来するのは耐えられないと、訴訟に踏み切った住民たちは、口々に判決を批判し、各地で今なお続く同種訴訟などでの巻き返しを誓った。
 判決後の会見ではまず、住基ネット差し止め訴訟全国弁護団の渡辺千古(ちふる)事務局長が「政府が進めようとしている国民総背番号制を後押しする判決。地裁・高裁で現在取り組んでいる裁判で、住基ネットの問題点をさらに明らかにする」との声明を読み上げた。続いて、山本博弁護団長も「国の主張通りで、独自の判断がゼロに近い」とこき下ろした。

 敗訴が確定した各地の原告も次々にマイクを握った。逆転負けとなった大阪訴訟の山中喜美子さん(66)は「今思えば2審判決は(直後に死亡した)裁判長の遺言だったのかも。それに比べ今回の判決はあまりにお粗末。素人が見ても情けない」と怒った。愛知訴訟の北島良人さん(75)も「司法権を放棄して行政に追随している。憲法について何らの研さんも積んでいない証拠だ」と5人の裁判官を批判した。

 1審では違憲判断の勝訴判決を受けた石川訴訟の浅野陽子さん(72)は「住基ネットだけでなく、いろんな点で『監視社会』が強まっている。(自分の)裁判が終わっても、いろいろな運動を続けていきたい」と力を込めた。
 弁護団によると、同種訴訟は約10件が地裁・高裁で係争中だが、今回の判決で敗訴が濃厚になった。東京高裁で5月に結審予定の訴訟の原告でジャーナリストの斎藤貴男さんは「国の主張は全部正しいと言っているだけ。私でも書ける」と皮肉った。【高倉友彰】

http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-080306X429.html

●<住基ネット>「有効性改めて確認」 合憲判決で総務省  3月6日18時32分配信 毎日新聞
 最高裁が6日、住基ネットを合憲とする判決を言い渡したことに関し、総務省の滝野欣弥事務次官は同日の記者会見で「適法性、有効性が改めて確認されたと理解している」と述べた。また、依然として東京都杉並区と国立市、福島県矢祭町がシステムに接続していないことについて「違法状態になったということだ。どんな対応を取るか十分、見極めていきたい」と語った。【七井辰男】

●箕面市長「高裁判決受け入れに誤りなし」  時事通信社 2008.3.6 22:16
 上告を断念し、住基ネットからの個人の離脱を認めた大阪府箕面市の藤沢純一市長は6日、最高裁判決を受けて市役所で記者会見。「行政として、司法の最終判断を重く受け止めたい」としながらも、「予測していたこと。大阪高裁判決を受け入れたことは間違いなかったと思っている」と話した。
 藤沢市長は平成18年12月、大阪高裁でともに敗訴した大阪府吹田市と守口市が上告する中で唯一、判決受け入れを表明。市議会などからは批判されたが、希望する住民を離脱させる「選択制」の導入の方針を示していた。

 しかし、1人のコードを削除すると約12万7000人分のデータが入ったコンピューターのサーバーがダウンする技術的問題があることが判明。やむなく原告の女性1人だけ書類の住民票をつくり、書類上でコードを削除する形をとった。現在もサーバー内には女性のコードは残っている。
 藤沢市長はこの日も「私の方針に変わりないが、実施できるかどうか」と語り、「今後法律の専門家らの意見を聞いて、総合的に判断し、今年度中に最終的な市の方針を決めたい」と述べるにとどまった。
 府市町村課は「行政側が主張してきたことが認められた。箕面市も判決内容をふまえて適切な対応をされると考えている」としている。

●【視点】住基ネット、利便性実感は…  サンケイ 2008.3.6 16:45
 6日の最高裁判決は、「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)は国民のプライバシー権を侵害する」とした住民側主張は杞憂(きゆう)に過ぎないと認めた点で大きな意味を持つ。しかし、住民側の「多額の税金支出に見合わない」との費用対効果の主張については判断していない。確かに住基ネット導入で生活が便利になったという国民の実感は乏しく、この主張は判決を経た今も一考に値する。
 住基ネットは平成14年に稼働開始。15年に本格稼働が始まった。総務省によると、導入コストが約390億円、年間のランニングコストが約140~190億円かかっている。
 これに対し、国民が得られる利益としては、住んでいる区市町村以外でも住民票が取れること(広域交付)や、パスポート申請の際に住民票の写しが不要になったことなどが挙げられている。
 しかし、広域交付の必要が生じることがそれほど頻繁にあるのかは疑問が残る。住民側によると、大阪府守口市で15~18年度に広域交付で発行された住民票はわずか253枚しかなかった。
 パスポートにしても、有効期限は最長で10年あるので、住基ネットの恩恵にあずかれるのは10年に1度に過ぎない。
 住基ネットを利用するのに必要な住基カードの発行枚数は、総務省は15年度だけで300万枚を見込んでいたが、昨年末までで187万枚。普及率はわずか1・5%と低調を極めている。
 総務省は「一連の訴訟は普及のブレーキになった」と話す。それならば、今回の合憲確定を弾みに、国民が有用性を実感できるような運用策を講じていくべきだろう。そうでないと、それこそと国民からそっぽを向かれかねない。(半田泰)

●住基ネットは「合憲」 最高裁が初判断   共同通信
3月6日

 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の運用はプライバシー侵害で違憲として、大阪府吹田、守口両市の住民が各市に住基ネットからの離脱を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷は6日、「住基ネットはプライバシー権を侵害せず、合憲」とする初判断を示した。
 その上で「拒絶している住民への適用はプライバシー侵害で違憲」として離脱を認めた2審大阪高裁判決を破棄、住民の逆転敗訴とした。請求を棄却した1審大阪地裁判決が確定した。
 涌井紀夫裁判長は「住基ネットで管理される氏名、住所などは個人の内面にかかわる秘匿性の高い情報とはいえない。情報漏えいや目的外利用の具体的な危険性はない」との判断を示した。
 第1小法廷は同日、千葉、愛知、石川各県の住民が起こした同様の3件の訴訟の判決で、請求を退けたそれぞれの2審判決を支持、住民側上告を棄却。計4件でいずれも住民敗訴となった。

●住基ネット:最高裁が「合憲」初判断 住民側の敗訴確定  毎日 3月6日
 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)はプライバシー権を侵害し違憲だとして、大阪府守口、吹田両市の住民3人が自分の住民票コード削除(ネット離脱)を求めた訴訟の上告審判決が6日、最高裁第1小法廷(涌井紀夫裁判長)であった。小法廷は「自分の情報が第三者にみだりに開示される具体的な危険はない」と述べ、住基ネットは合憲との初判断を示した。
 そのうえで、違憲性を認めて両市に削除を命じた2審・大阪高裁判決(06年11月)を破棄し、住民側の請求を棄却した。小法廷は同日、石川、愛知、千葉3県の住民が国や県などを訴えた3件の訴訟でも住民側の上告を棄却する判決を言い渡し、最高裁に係属していた4件すべてで住民側敗訴が確定した。
 住基ネットを巡る初の最高裁判決が「合憲」のお墨付きを与えたことで、各地の地・高裁で続く同種訴訟でも、住民側が敗訴する見通しになった。
 訴訟で住民側は「住基ネットの情報を利用すれば、複数のデータベースから横断的に個人情報を収集して一まとめにすること(データマッチング)が簡単にでき、プライバシーを著しく侵害される」などと主張していた。

 判決はまず、住基ネットが扱う名前や住所、住民票コードなどは「個人の内面にかかわるような秘匿性の高い情報とは言えない」と指摘。住基ネットの仕組みを検討し「外部からの不正アクセスで情報が容易に漏えいする具体的危険はない」と判断した。データマッチングの危険性についても「情報の目的外利用は懲戒処分や刑罰で禁止されている」と否定し、プライバシー侵害はないと結論付けた。
 大阪高裁は「個人情報保護対策に欠陥がある」などと高裁レベルで初めて違憲判断を示し、箕面市も加えた3市に住民4人のコード削除を命じた。箕面市は上告せず削除命令が確定したが、残り2市が上告していた。石川訴訟の1審も違憲と判断したが、2審で取り消されていた。【高倉友彰】

 ▽住民基本台帳ネットワークシステム 国民全員に重複しない11けたの住民票コードを割り当て、氏名や住所、生年月日などの情報をコンピューターで一元管理するシステム。国は年金の現況確認などの事務で利用できる。一方、国民は住基カードを公的な身分証として使える。ネットワークの構築に国は約365億円かけ、年間の維持費は約190億円とされる。

 ◇最高裁判決の要旨は次の通り。
 憲法13条は、何人も個人に関する情報をみだりに第三者に開示、公表されない自由を有するものと解される。そこで、住基ネットが前記の自由を侵害するか否かを検討する。
 住基ネットによって管理、利用される本人確認情報は、氏名、生年月日、性別、住所の4情報に、住民票コード及び変更情報を加えたものにすぎない。4情報は、一定の範囲の他者には当然開示されることが予定されている個人識別情報であり、変更情報も転入、転出等の異動事由、異動年月日及び異動前の本人確認情報にとどまるもので、いずれも個人の内面にかかわるような秘匿性の高い情報とはいえない。
 これらの情報は、以前から住民票の記載事項として各市町村で管理、利用されるとともに、法令に基づき必要に応じて他の行政機関等に提供され、事務処理に利用されてきた。そして、住民票コードは、住基ネットによる本人確認情報の管理、利用を目的として、無作為に指定した数列の中から各人に割り当てられたものであるから、前記目的に利用される限りは、その秘匿性の程度は本人確認情報と異ならない。
 また(1)システム上の欠陥等により本人確認情報が容易に漏えいする具体的な危険はない(2)本人確認情報の目的外利用または秘密の漏えい等は、懲戒処分や刑罰をもって禁止されている(3)住基法は、審議会や委員会の設置など、本人確認情報の適切な取り扱いを担保するための制度的措置を講じている--などに照らせば、本人確認情報が法令等の根拠に基づかずに、または正当な行政目的の範囲を逸脱して第三者に開示、公表される具体的な危険は生じていない。
 行政機関が住基ネットにより原告住民らの本人確認情報を管理、利用する行為は、個人に関する情報をみだりに第三者に開示、公表するものということはできず、当該個人がこれに同意していないとしても、憲法13条により保障された前記の自由を侵害するものではない。
 また、住基ネットにより原告住民らの本人確認情報が管理、利用されることによって、自己のプライバシーにかかわる情報の取り扱いについて自己決定する権利や利益が違法に侵害されたとする主張にも理由がない

●住基ネットは「合憲」 最高裁が初の判断  朝日 2008年03月07日03時07分
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)はプライバシー権を侵害し、憲法に違反するとして、大阪府の吹田市と守口市の住民が住民票コードの削除を求めた訴訟の上告審判決が6日あり、最高裁第一小法廷(涌井紀夫裁判長)は住基ネットを「合憲」とする初めての判断を示した。「システム技術や法制度上の不備はなく、情報が第三者に開示される具体的な危険はない」と述べた。そのうえで、住基ネットを「違憲」とした二審・大阪高裁判決を破棄。住民側の敗訴が確定した。

 また、第一小法廷(涌井、才口千晴の各裁判長)は同日、石川、愛知、千葉各県の住民が個人情報の削除を国や県に求めた訴訟でも判決を言い渡し、二審判決の「合憲」判断を支持して、住民側の主張を退けた。これで、全国各地の同様の訴訟も住民側敗訴で決着する見通しだ。

 争点となったのは、氏名や住所などの「本人確認情報」を住基ネットで管理することが、憲法が保障する「個人情報をみだりに第三者に開示、公表されない自由」を侵害するかどうかだった。

 「大阪訴訟」で6日の最高裁判決は、住基ネットが管理する情報について「社会生活を営む上で当然開示が予定されている情報であり、個人の内面にかかわるような秘匿性の高い情報ではない」と指摘。住民サービスの向上や行政の効率化を図ることが目的で、かつ秘密を漏らした場合は懲戒処分や罰則が予定されるなど保護対策もとられていることから、住民の権利を侵害しないと結論づけた。

 06年11月の大阪訴訟の二審判決は第三者による監視機関がないことなどから、個人情報が目的外利用されたり、住民の多くのプライバシー情報が結びつけて扱われたりする具体的な危険性があると認定した。しかし、第一小法廷はこの点についても「個人情報を一元的に管理する主体は存在しない」などとして危険はないと判断した。

 住民が主張していた自己のプライバシー情報の取り扱いを自分で決める「自己情報コントロール権」には触れなかった。
 大阪訴訟二審判決のほか、「石川訴訟」で05年5月に金沢地裁が言い渡した一審判決も「違憲」としたが、控訴審の名古屋高裁金沢支部が06年12月に「合憲」とした。「愛知」「千葉」の両訴訟では一、二審とも「合憲」判断だった。
  ◇  〈キーワード〉住民基本台帳ネットワーク 住民に11けたのコード番号をつけ、氏名・生年月日・性別・住所とそれらの更新履歴を国や全国すべての自治体で取り出せるシステム。02年8月から稼働し、原則として500円の発行手数料で住民票の写しが全国の各自治体で取れる。制度導入に391億円かかったが、利用時に必要な住基カードの普及率は発行開始から4年半でわずか1.5%。一方、国や自治体に情報削除や損害賠償などを求めた訴訟は総務省によると全国で59件にのぼる。
 
       最高裁のWebページの判例
事件番号 平成19(オ)403
事件名 損害賠償請求事件
裁判年月日 平成20年03月06日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄自判
判例集巻・号・頁

原審裁判所名 大阪高等裁判所
原審事件番号 平成16(ネ)1089
原審裁判年月日 平成18年11月30日

判示事項
裁判要旨 行政機関が住民基本台帳ネットワークシステムにより住民の本人確認情報を収集,管理又は利用する行為は,憲法13条の保障する個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由を侵害するものではない

     判決全文はこちらに

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