古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

原油価格の上昇

2004-09-28 | 経済と世相
 NY原油がバレル50ドルを越えたと夕刊が伝えています。中国の需要量が急増し
ているのが原因とマスコミは伝えていますが、それはキッカケに過ぎない。本質的な
経済の変化が起きているのではないか?と思います。
 昔、通貨が金本位制の時代には、通貨の信用が揺らぐと、金が暴騰しました。それ
と同じ現象が起きているのでは?
 ご承知のように、71年夏ニクソンは金・ドルの交換を停止しました。それ以後、基
本的にはただの紙切れに過ぎないドルが世界市場で国際決済通貨、基軸通貨としての
地位を30年以上保ちつづけたのは何故でしょうか?ドルだけが、石油取引の可能な
通貨であったからだと私は思います。
 アメリカが、国際決済通貨としてのドルを印刷できたことが、アメリカに莫大な利
益をもたらした事は言うまでもありません。どれだけ貿易赤字を出しても、輪転機を
回しさえすれば、決済が可能でしたから。ニクソンは、ドル・金の交換を停止し、ド
ル・石油の交換制をしいたのです。
 それは、言うなれば石油・ドル本位制でした。ところが、イラク戦争が泥沼化、戦
費は日々膨大な額に昇ります。米国の双子の赤字は解消の目途が立たない。それに、
最大の産油国サウジが石油を売ったドルで米国債を買わなくなった(買っているの
は、中国と日本)。
 ドルの信頼が揺らげば、金本位で金が上がったように、石油本位制では石油価格が
上がります。こういう時、日本は円相場を上げて、石油価格の上昇を相殺する方策を
採るべきでは?ところが、小泉内閣の方針は、ドルを買い支える従来方針を変えてい
ません。

 そもそも、イラク戦争は、イラクの石油を押えることが、米国の真の意図だったと
思います。米国の実需だけを考えるなら、イラクの石油などなくても困らない。です
が、石油取引に使われる通貨がドルでなくなるのは一大事なんです。実際、フセイン
は、2000年9月、「石油代金として今後一切ドルを受け取らない」と表明し、当
時のイラクは国連を通じてしか石油を売れなかったが、その国連が、なんと、10月
イラクの意向を受け入れることにした。フセインは虎の尾を踏んだ!
 そして、2003年10月、プーチン・大統領が「われわれは、ロシヤ産原油の輸
出をユーロ建てとする可能性を除外していない」と発言しました。イラク戦争の開始
に当って、仏・独が強硬にアメリカに逆らったのは、イラクの石油をユーロで取引し
たかったのでは?

 「フセインの圧政からイラク国民を解放した」という米国の言い分は全く信頼でき
ません。それなら、もっと圧政に苦しんでいる北朝鮮の国民を、何故解放しないのか

 米国がどんな理由で戦争するかは、米国の勝手ですが、その米国のお手伝いに、自
衛隊が日本の税金を使って、イラクくんだりまで出かけるのは、全く馬鹿げていると
愚考します。