2013/11/05 OnAir - 1st. Week - 特集:アルバム“The Circle”より
Franz Ferdinand:Love Illumination
Arctic Monkeys:Why'd You Only Call Me When You're High?
Volcano Choir:Comrade
Paul McCartney:New
佐野元春:レインガール
佐野元春:トゥモロウ
佐野元春:ザ・サークル (Mark McGuire Version)
佐野元春:欲望
佐野元春:新しいシャツ
佐野元春:彼女の隣人
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■内容の一部を抜粋
・アルバム『The Circle』特集
番組後半は今年でリリース20年目を迎えたアルバム『The Circle』からの曲を特集する。
・Love Illumination
・Why'd You Only Call Me When You're High?
フランツ・フェルドナンドの新しいレコードの曲「Love Illumination」。
アークティック・モンキーズの「Why'd You Only Call Me When You're High?」。「タイトルがいいですね。なんで連絡してくるのはハイになってるときだけなの?」と元春。
・Comrade
「ボン・イヴェールの中心人物、ジャスティン・ヴァーノンが作った新しいバンド、ボルケーノ・クワイアー。素晴らしいレコードを出しました。新しいアルバム『Repave』から曲はComrade聴いてみました」と元春。
・3PICKS!
「Motoharu Radio Show」では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしている。今月11月の「3PICKS!」はポール・マッカートニー『New』、キングス・オブ・レオン『Mechanical Bull』、そしてパール・ジャム『Lightning Bolt』。どのレコードも心に響くよいソングライティングと素晴らしいサウンドがあると元春。この中から今週はポール・マッカートニー『 New』。
・ポール・マッカートニー
ポール・マッカートニー。ビートルズのメンバーのひとり、現在71歳。ビートルズ時代にはジョン・レノンと組んで素晴らしい曲をたくさん残した。その後、ビートルズは解散。ポール・マッカートニーが新たなバンド、ウィングスを始めたのは1971年。それ以来ウィングスとしては7枚、マッカートニーのソロとしては16枚、そのほかザ・ファイアー・マン名義の作品、またクラシック音楽の作品を含めるとこれまでにかなりのレコードを発表してきた。そのポール・マッカートニーが新しいアルバム『New』を出した。このアルバムでは4人のプロデューサーと組んで新しいサウンドを作っている。
「ポール・マッカートニー、現役71歳のミュージシャン。これまでも素晴らしいレコードをたくさん出してきたけれども、まだ前に進もうというクリエイティブな意欲を感じます。これはとても感動的なことだと思います。個人的なポール・マッカートニーのエピソードで気に入ってるのは、彼がギターを覚えたての頃の話です。子どもの頃、ギターを買って練習したのはいいけれど、なかなかうまくならない。そのうち自分が左利きだというのに気づいて、弦を逆さに張り替えて持ち替えてみると、みるみるうちに上達していったという。そんな楽しいエピソードがあります。気がついてみればジョン・レノン、ジョージ・ハリスンがいなくなった今、現在生き残ったビートルズ・メンバーのひとりとなったポール・マッカートニー。ここ最近の素晴らしい活躍をみると、二十世紀最高のバンド、ビートルズという宝物を次の世代に繋げてゆこうという、何か使命感のような心意気を感じます」と元春。
ポール・マッカートニーの新しいアルバム『New』から、僕らはやりたいようにできる 自分で選んだ道を歩いていける 何の保証もないけれど 僕らには失うものは何もない そんなふうに唄ってる「New」。
佐野元春 : さて、11月ですね。この時期に降る雨。ちょっと寂しげで、しかも長雨だったりします。文学者、堀口大學が書いた歌の詩に「十一月にふる雨」という詩があります。十一月はうらがなし 世界を濡らし雨がふる! 十一月にふる雨は あかつき来れどなほ止まず! 正にこの季節の雨の情景をうまく歌っていて僕は好きですね。雨の歌。僕の曲にも一曲あります。聴いてください。「レインガール」!
・GreenPeople
環境問題に取り組むユースたちを紹介するレポート「GreenPeople」。毎週このコーナーでは環境を巡る社会活動を通じて様々なアクションを起こしている人たちを紹介。
今週は「葉っぱ塾」。山形の豊かな自然を生かし、登山やキャンプなどの様々な体験プログラムを行っている団体。
・トゥモロウ
番組後半は今年でリリース20年目を迎えたアルバム『The Circle』からの曲を特集する。
佐野元春 : 『The Circle』。1993年に出したこのレコードは自分にとって9枚目のスタジオ・アルバムになります。'90年代に出したレコードの中でも自分らしさを表現できた個人的にもとても気に入ってるアルバムです。自分の場合振り返ってみるとアルバムを作るときにはそのときの世相とか時代の雰囲気、そうしたものがソングライティングやサウンドに何気なく影響してきます。このアルバム『The Circle』を作ったのは1993年。日本はバブル経済が崩壊して不況の嵐にさらされていました。当時国内の政治では細川内閣がはじまりました。自民党55年体制の崩壊なんて言われていました。海外ではアメリカ合衆国大統領にビル・クリントンが就任した年です。そのほかにはレインボーブリッジの開通、そしてサッカーではドーハの悲劇というのもありました。音楽でいうとニルヴァーナ、スマッシング・パンプキン、スウェード、そしてブラーといったオルタナティヴなロックに人気があった頃です。そんな年にこのアルバム『The Circle』が生まれました。
・ザ・サークル (Mark McGuire Version)
・欲望
佐野元春 : 『The Circle』。1993年ということですから今から20年前ですね。1993年に出した自分にとって9枚目のスタジオ・アルバムです。今聴いても言葉とサウンドがしっかり寄り添ったクリエイティブなサウンドになってるんじゃないかと思います。そして歌詞ですね。今こうして歌詞を振り返ってみると、やはり'90年代前半ということもあって、バブルが崩壊したそのときの街の景色を描いています。例えばこの曲ですね。借り手のつかない寂れたビルの上で 茜色の空に鳥が大きな輪を描いている これは「新しいシャツ」という曲の一節です。1993年に出したこのアルバム 『The Circle』。改めて聴いてみるとバブルという儚い夢が終わったあとの虚しい景色をスケッチしている、そんなアルバムだったんだなぁと感じました。ではその曲「新しいシャツ」聴いてください。
(曲をかけ終えて)
この曲はオルガンに英国のキーボード・プレーヤー、ジョージィ・フェイム氏が参加してくれました。
佐野元春 : このアルバムには僕は個人的にとても深い思い出があります。それはそれまでライヴにレコーディングに共に活動してきたザ・ハートランド、彼らとの最後のスタジオ・アルバムになったということです。約12年間の活動でしたけれども、その間に僕たちが手に入れた音楽的な成果というのは本当に大きなものだったと思います。ひとつのバンドが生まれてひとつのバンドが終わるということですよね。当時のバブルが終わったあとの虚しい気持ちと重なって、この『The Circle』というアルバムは何か自分にとってひとつの輪っかが閉じたような、そんな気持ちになったことを覚えています。ではアルバム『The Circle』から最後にこの曲を聴いてください。「彼女の隣人」。
・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/