Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

子どもをなめちゃいないアメリカ。

2008-06-26 13:25:09 | アメリカ生活雑感
毎週水曜日の午後7時から、近所の図書館主催のフリー・アウトドア・コンサートなるものが図書館横の小さな公園で行われている。
水曜日はジムの日なので、その帰り何気に音のするほうへ行ってみたら・・・

 (courtesy by Ac・Rock)
えらい盛り上がり。
しかもこんなに子どもたちが一堂に会したところをおらが町で見たことがなかった。
私もよいしょと芝に腰を下ろして一緒に楽しむことに。


第1週目のパフォマーは“Ac・Rock”という4人組のアカペラ・ロックグループ。
ロックの名曲をすべてアカペラで聴かせてくれるのだが、しゃべりも楽しくて一瞬たりとも観客を飽きさせない。
楽しすぎて子どもたちもわれを忘れて体を動かしてしまうほどだ。

(courtesy by Ac・Rock)
やっぱり、いい音楽は子どもにもちゃんと伝わるんだなぁと実感。
子どもだからといって子ども向きに妙にアレンジしたりしないのだ。
アメリカに比べて日本は、“子ども扱い”がすぎるよな。

個人的にこのグループの大ファンになってしまった私は、翌週お隣町の図書館イベントにもわざわざ見に行ってしまった。


プレスリーも、ボブ・マーリィーも、子どもたちは知らないけれど、この人たちは真剣にやってくれる。もちろん親は大喝采。
しかもプレスリーのおっさんはでっぱったおなかをさすったり、ボブ・マーリィーのお兄さんは「昔はボクもこんなに(髪が)あったけれど、今は全てなくなっちゃった」といって笑わしてくれる。
極上の“バンド漫才”を見ているかんじ。そう、私の大好きだったあの“玉川カルテット”を髣髴とさせてくれるのだ。


このノリ!


こっちのお父さんは、子どもとよく遊ぶ。
だいたい、7時過ぎにはちゃんと家に帰っているところが日本(人)と全く違う。


2週目は、1960~2000年代という50年間(!)の幅広い音楽を原曲に忠実に聞かせてくれる“スポークン・フォー”
Rock、Pop、 R&B、Hip-Hop、CountryからFunkまでその時代を代表するヒット曲をまるでジュークボックスのように演奏してくれる。
もちろん子どもたちは知る由もないのだけれど、彼らの完コピバージョンは当然親たち(当然私も)を十分に楽しませてくれる。
サム・クック、アースウィンド&ファイヤー、マイケル・ジャクソン、ヒューイ・ルイス、ジャーニー、ボストン・・おおおお


子ども相手であろうが、超真剣なところがいい。
その音に、子どもたちも自然に踊りだす。

3週目は、“リトル・ナッシュビル”。カントリーの出番だ。(ストームの予報が出ていたので、残念ながら場所は体育館に変更。)
カントリーといっても、バリバリのウェスタンではなくロック・カントリー。大人には聞きなれたロックがカントリー調にアレンジされている。
ボーカルのお兄さん(おっさん)とお姉さんはさながら、歌のお兄さんとお姉さん。子どもたちは体中でリズムを感じて体育館の中を走り回る。
ドラムはジャック・ブラックみたいなおっさんで、誰も見ていないのにしっかりスティックをくるくる回していた。えらいぞ、おっさん!




誰も座っちゃいない。
アメリカは親も一緒に歌うし踊る。世界が一緒なのだ。

このイベント、今後はJazz(シナトラの世界!)、ギターと歌のおねぇさん、と続いていく。
いちばんはまっているのは、ひょっとして私かもしれない。


ある本屋さんの最期。

2008-06-26 11:54:53 | アメリカ生活雑感
バークレーの“良心”の象徴として、半世紀以上にわたって学生たちや町の人々に愛され続けてきた本屋さん"Cody's" が、ついに最期のときを迎えた、とDedeから悲しいメールがきた。
(Cody'sの歴史は以前にもここで述べた)



Euclidの一号店

1956年7月9日。UCバークレーのキャンパス近く、Euclid通りにフレッド&パット・コーディ夫妻が小さな本屋さんを開く。これがCody'sの誕生だった。
当時は、今と違って独立系の本屋さんが市場の40~50%を占めていた。Cody'sもアメリカ激動の時代の波に乗り、学生街のど真ん中テレグラフ通りに顔ともいえる店舗をオープン、1977年7月9日にはアンディー・ロスがCody'sを買収して2代目のオーナーとなり、ますます商売は繁盛していった。
しかし、その後独立系の本屋は大型チェーン店との競争に敗れ、次々と撤退していく。インターネットの普及も、本屋に訪れる人の足を遠ざけていった。

2006年、日本で最大の洋書取り扱い書店である「洋版」が、経営の悪化したCody'sを買収。残ったサンフランシスコ、バークレー(4th Street)の2店舗に最後の望みをかけたが、商況は依然厳しく、2007年4月にはサンフランシスコ店閉店、最後に残った4th Street店も3倍に跳ね上がった家賃に悲鳴を上げて2008年4月にシャタク通りに移転、これが最後の店舗となった。

そしてこの、6月20日。バークレーにその名を刻んだCody's Booksは、ついに姿を消した。

"a heartbreaking moment(断腸の思い)" だが、"unfortunately, my current business is not strong enough or rich enough to support Cody's.(Cody'sを維持し続ける資金力ももはやなかった)"( 最後のオーナーとなった洋版社長のカガワヒロシ氏)。

"Cody's is my treasure and more than that, Cody's is a real friend of (the) Berkeley community and will be missed"(Cody'sは私の宝だったし、それ以上にバークレーの人たちの心の真の友だった。寂しくなるでしょう)(カガワ氏)



C.P. Snow signing copies of his book in the courtyard of the Euclid Avenue store, 1960.



最後の店舗となったシャタク店の前には、閉店の知らせでがっかりする人たちが


*** Milestones in the life of Cody's Books ***

July 9, 1956: The store is founded by Fred and Pat Cody in a small shop on
Euclid Avenue, near the UC Berkeley campus.

November 1960: Cody's moves to larger quarters on the 2400 block of
Telegraph Avenue.

December 1965: Cody's moves to the big store farther up the block to the
store that became its most famous locale.

July 9, 1977: Andy Ross buys Cody's.

July 9, 1983: Fred Cody dies.

February 1989: the store is firebombed during the controversy over Salman
Rushdie's book "The Satanic Verses."

November 1997: A branch of Cody's is opened on Fourth Street in Berkeley.

September 2005: Another Cody's branch opens on Stockton Street in San
Francisco.

July 10, 2006: The flagship store on Telegraph Avenue closes.

September 2006: Andy Ross sells Cody's to a Japanese firm.

April 2007: The San Francisco branch closes.

March 2008: Berkeley's Fourth Street branch closes.

April 1, 2008: Cody's opens its only remaining store, on Shattuck Avenue in
Berkeley.

June 20, 2008: Cody's Books closes.