Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

ルーツ。

2008-06-17 12:27:46 | アメリカ生活雑感
今回ウィルヘルムがアメリカに訪れた目的のひとつが、今まで会ったことはないアイオワに住むという遠縁に会うことだった。
話は10年前、この“遠縁”からメールをもらったのが始まりだった。

「私の苗字はGoerdt(グァート)といいます。私の先祖はドイツの○○という地方からアメリカに移住してきましたが、あなたのルーツに心当たりはありませんか?」

その人は家に伝わる家系図や家族の話をもとに“Goerdt”を含むメールアドレスに片っ端からこのメールを送ったという。メールによれば、彼の4代前のご先祖が1850年ごろアメリカにわたりアイオワに移住、今でもこのGoerdtファミリーが脈々と続いているというのだ。
アメリカ人は元をたどればみな外国人。苗字を聞けば、たいがいどこにルーツがあるかがわかる。この人のようにアメリカ人は自分の“ルーツ探し”にとても熱心で、ルーツ探し専門の商売まで存在するという。

そして、このメールを受け取ったひとりがウィルヘルム。彼の苗字もGoerdtだ。
ドイツでも珍しい姓だったことや、メールに記されてあった地方が彼のおじいさんの出身地の小さな田舎町であったことから、どうやら二人の先祖に関係があるらしいことがわかり、調べていくうちにお互いのご先祖が一致したという。
こんなことってあるんだと、話を聞いた私たちはびっくり。

お互いの存在は知りつつも、ドイツとアメリカとでなかなか会うチャンスがなかったところ、今回仕事でアメリカ出張が決まり是非会いましょうという段取りになったという。

さて、いよいよ遠縁同士の運命の再会の日。
ウィルヘルムが向かうというシーダーラピッズ(Cedar Rapids)は、ここのところの大雨でミシシッピ川か決壊し町のほとんどが水没中という悲惨な状態だと毎日ニュースで報じられていたので私たちは心配していたけれど、彼らが実際に住むのはそこから60キロほど離れたダイアーズビル(Dyersville)という町で、被害はないとのこと。

ダイアーズビルで待ち受けていたのは、ロブ(ロバート)という男性(37歳)とふたりの息子たち。(あいにく奥さんはシカゴに行っていて留守中)
彼らの第一印象は、ウィルヘルムいはく「いかにもアメリカ人でびっくりした」。
興味関心のほとんどは「野球」と「軍隊」という、典型的なアメリカ人。シカゴやNYのような大都会とちがって、人口4000人ほどの小さな田舎町に行くとたいがいはそうだ。やたら信仰深く、政治のことなどどうでもよく、もちろん支持する正統はキリスト教原理主義寄りの共和党というコンサバな人々で町は形成されている。

それよりなにより、このダイアーズビルという町は、あのケビン・コスナー主演の映画「フィールド・オブ・ドリームズ」("Field of Dreams"(1989年)の舞台となった町だというではないか!この映画が大好きな私はかなり興奮。

★ ★

One of Pedro's old good friends in Germany, Wilhelm, is visiting us for a while.
He visits the U.S. for business, but another important purpose is meeting his "relatives" in Iowa.

About ten years ago, he got an e-mail from a guy.
"My last name is also Goerdt. My ancestor immigrated from a certain region in Germany. Do you know about my roots?"

After all, Americans are all "foreigners" from other countries.
Most of Americans know where their family came from, and they often are so enthusiastic about searching for their roots.

Wilhelm's last name is Goerdt and his grandfather also came from the region which this mail indicated. It turned out that both of their ancestors matched.
They have been keeping in touch each other since then, and finally the chance comes to meet together!

The guy's name is Rob (Robert.)
He is living with wife and two kids in Dyersville in Iowa. This small city is famous for the movie "Field of Dreams."

★ ★



映画のロケ地跡は今でも残っていて観光客が絶えないらしい。
もちろん、ここに案内してくれたそう。
Movie's site is preserved and open for the visitors.






そりゃぁ、野球小僧になるはずだわね
Good form! Future MLB stars!



やっぱりドイツ人にとって野球は未知のものらしい。構えがヘッポコ・・・
German has no idea about baseball...What a form...




このあと4人が向かったのは、Goerdt家のお墓。
Then they went to Goerdt family's grave.


Goerdt家のお墓はまことにもってご立派。あっちもこっちもGoerdt家。
さぞこの地で繁栄したのだろう。
右側のFATHER、MOTHERとあるのが最初に移住した夫婦だと思われる。
このKARL(カール)さんがロブにとって4代前(曾曾じいちゃん)にあたる。

Goerdt family's grave are all so gorgeous. They might be so successful in this city.
FATHER, MOTHER in right, means the first couple who came here.
KARL is the person four generations before Rob.


これがこの子たちのおじいちゃん(故人)とおばあちゃんのお墓。
おばあちゃん(DONNA)はまだ存命なので、没日が黒く塗られている。

This is the grave of the grandfather and grandmother of these kids.
"The year of the grandmother's death" is painted in black because she is still alive.




そのおばあちゃんのおうちがこれ。ここもまるで“フィールド・オブ・ドリームズ”の世界。
This is the grandmother's house. Looks like "field of dreams."



そして、もちろん一番大切な場所。教会へ。
一方のウィルヘルムは全くのatheist(無神論者)
The most important place, church. (Wilhelm is atheist...)



教会にあったという珍しい古い「免罪符(Ablass)」。
自分の犯したSin(罪)が許されるための興味深い“メニュー”が書かれているらしい。(ドイツ語なのでPちゃん訳)
This is the rare old Ablass written in old German.


わずか1日たらずの短い再会の時間をすごし、再び我が家に戻ってきたウィルヘルムの話を聞きながら、私たちはなんだかまるで自分たちの祖先にめぐり合ったような感動に包まれたのだった。
フィールド・オブ・ドリームズの町で、なんだか映画のまんまのような奇跡が起こったのだから。

いいお話をありがとう!ウィルヘルム。
Danke, Wilhelm!!!

★ ★

After the exciting visit of the relatives in America, Wilhelm explained all stories to us.
We are also impressed to hear his own "Field of Dreams" story.

Danke, Wilhelm for sharing your story!
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする