shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Ringo」US盤 vs UK盤

2019-04-14 | George・Ringo
 去年の12月に B-SELSでポールのソロ・アルバムの US盤を大人買いした話はこのブログにも書いた通りだが、思っていた以上に音が良かったこともあって、それ以降はジョン、ジョージ、リンゴのも安くて盤質の良い US盤を見つけたら逃さず買うようにしてきた。US盤は海外からネットで直に買うと送料だけで3,000円近く取られるので日本国内のお店で探すに限るのだが、2年ほど前に大阪や京都のレコ屋を廻ってみたところほぼ壊滅状態だったので、今となってはわざわざ電車に乗って県外にまで足を延ばす気には全くなれない。つまり私が行くレコ屋といえば地元の B-SELS一択なのだ。
 そういうわけで私は B-SELSに行くたびにソロのコーナーの US盤をチェックしているのだが、先日「リンゴ」の US盤で盤質 EX+という掘り出し物を見つけた。リンゴの US盤は「ブラスト・フロム・ユア・パスト」しか持っていないので、これはコレクション充実のチャンスである。私はいつものように試聴させて下さいとお願いし、Sさんと一緒に聴き始めた。
 US盤はプレス工場によって微妙に音質が違うが、この盤はジャクソンビル・プレスで(←デッドワックスにあるアルファベットの Oみたいな刻印が目印)、以前ここで「ウイングス・オーバー・アメリカ」の US盤2種を聴き比べた時と同じく音圧はやや低め。音がフワーッと広がる感じでとても華やかだが、押さえるところはきっちり押さえてある感じがする。比較試聴した UK盤の「リンゴ」はカチッとしたソリッドな音で US盤よりもロックな音がするのだが、そもそもリンゴの歌というのは基本的にポップスなので US盤でも十分に楽しめるし、特に“パーティー気分でお気楽に楽しみましょう” というこのアルバムのコンセプトには合っているように思う。
 曲別に言うと、例えば A④「サンシャイン・ライフ・フォー・ミー」のようなカントリー色の濃い曲は US盤の方が雰囲気を上手く表現しており、さすが本場の音作りは手馴れているなぁという印象だ。一方、B③「シックス・オクロック」はどう考えても “イギリスの朝” という雰囲気の曲であり、UK盤の音作りがピッタリだ。又、B④「デビル・ウーマン」のドラム・ソロなんかは UKと USの特徴が如実に出ており、“押し出し感の UK” vs “派手さの US” という構図が実に面白い。私自身に関して言えば基本的に UKの音が好きなこともあって UK盤に軍配を上げたいが、US盤も捨てがたい魅力を持っている。
 それにしてもこのアルバムってさすがは元ビートルたちがこぞって参加しているだけあって絵に描いたような名曲名演のオンパレードで、ホンマによく作り込まれてるなぁ... と感心してしまう。特にジョージとの共作 A③「フォトグラフ」とポールが参加したジョニー・バーネットのカヴァー A⑤「ユア・シックスティーン」は絶品で、全米№1も納得のキラー・チューンであると再認識させられた。
 そういえばこのレコードを買った時に Sさんが “リンゴのレコードを一緒に聴いてあれやこれや言い合える人って中々いないですよ。まぁリンゴで UK盤と US盤の聴き比べやってる所なんか日本中探してもそんなにないでしょうけど...(笑)” とおっしゃっていたが、全く同感だ。好みの似通った音楽友達と一緒にレコードを聴いて語らい合うほど楽しいことは他にないのである。

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