shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

各国盤頂上決戦⑪「Asia」

2022-05-22 | Rock & Pops (80's)
 “各国盤頂上決戦”企画も何やかんやで11枚目に突入。今回は70年代末期の混迷に終止符を打ち、キャッチーな80'sミュージック黄金時代の幕開けを高らかに宣言した歴史的名盤「Asia」を取り上げたい。

①インド盤(GHS-1-2008-ED1 STERLING EDP MISFISM5 / GHS-1-2008-ED3 EDP MISFISM6)
 「Asia」の各国盤でまず最初に買ったのがこのインド盤だ。ちょうどインド盤のビートルズ関連LPで入手可能なものはほぼ手に入れ終えて、その独特の音作りが大いに気に入り、“他のアーティストのレコードもインド盤の音で聴いてみたいな...” と思って色々と探していた時に、eBayに$75で出ていたのを見つけて衝動買いした1枚だ。後で知ったことだがインド盤の「Asia」って結構レアで滅多に市場に出てこないらしいので、盤質の良いのを安く手に入れることが出来て(←相場は$200~250くらい)ラッキーだった。音の方は期待通りの素晴らしさで、“これは買って良かったぁ!” と笑いが止まらない高音質盤だ。特筆すべき違いはその音場の広さで、インド盤の特徴である倍音がよく出ているし、音圧も申し分ない。A①「Heat Of The Moment」の爽快感も格別だが、A②「Only Time Will Tell」やB③「Cutting It Fine」の繊細な音作りもさすがはインド!という感じだ。

②トルコ盤 (Time 131 A / Time 131 B)
 インド盤の大当たりに気を良くして買ったのがトルコ盤の「Asia」だ。€9.99という安値で買えてしめしめと思っていたのだが、実際に聴いてみると薄っぺらい音で、高音がきつくてトルコ盤の良さである中域の分厚さが全く感じられないし、更に悪いのは低音がめちゃくちゃショボくてカール・パーマーがコレ聴いたらブチギレるんちゃうかと思うほどダイナミズムに欠けているのだ。曲間の無音部分でブ~ンという電磁ノイズみたいなのが聞こえるのもマイナスポイント。各国盤の中でもトルコ盤は特に当たり外れが大きいが、これは残念ながら大ハズレ盤といっていいだろう。

③ペルー盤 (SE-8539-A / SE-8539-B)
 「Asia」の各国盤はインドとトルコで一段落していたのだが、去年の夏にB-SELSでペルーとイスラエルという新たなターゲットを教えてもらい、性懲りもなく買ったのがこのペルー盤「Asia」だ。大当たりのインドと大ハズレのトルコの後で“ペルーはどうやろ?” と好奇心マンマンで盤に針を落としたのだが、独自カットの「Asia」ペルー盤はめっちゃハイ上がりの音作りで、正直言ってちょっとやりすぎちゃうかと思えるくらい耳にきつい。そのせいで相対的に中低音が弱く、トルコほど酷くはないものの全体的なバランスとしてはイマイチで、起伏に乏しく音がのっぺりしている。まぁ$8という “持ってけドロボー”価格だったのが不幸中の幸いだった。

④イスラエル盤(GHS-1-2008-S8 85577A Q STERLING + SLM △ 1186 / GHS-1-2008-S6 + SLM △ 1186-X STERLING 85577 BQ)
 インド(○)、トルコ(×)、ペルー(×)、と1勝2敗(?)で迎えた「Asia」の各国盤蒐集だが、最後に買ったイスラエル盤($14.99)は起死回生の大当たり盤で大喜び(^o^)丿 さすがに音場の広がりではインド盤に一歩譲るが、音のエネルギー感という点では勝っており、USやUKの最初期プレス盤(←エイジアみたいなイギリスのバンドがゲフィンみたいなアメリカのレコード会社からアメリカ市場向けの音作りのレコードを出した場合、オリジナルはUK盤なのかUS盤なのか、どっちなんでしょうね?)と比べても遜色のない... いやひょっとすると凌いでいるんじゃないかと思えるくらいパワフルでダイナミックなサウンドが炸裂する。ジョン・ウェットン、スティーヴ・ハウ、カール・パーマー、ジェフ・ダウンズという手練れの名手たちが生み出す壮大な80'sポップ・ロックの一大絵巻をド迫力サウンドで楽しめて言うことナシの逸品だ。

Asia - Heat Of The Moment (Video)
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