shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Beatles Anthology 2 (Disc 2-Pt. 1)

2009-10-18 | The Beatles
 アンソロジー2のDisc-2 は、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」怒涛の3連発で幕を開ける。①「デモ・シークエンス」はジョンの弾き語りによるホーム・レコーディング、②はメロトロンを大きくフィーチャーしたテイク1、③は公式ヴァージョンの前半に使われたテイク7と、ジョン中期の傑作がどのようなプロセスを経て完成されていったのかが分かる編集になっている。特に③の3分2秒から炸裂するリンゴのドラム連打は必聴!複雑なリズムを駆使してビシビシと演奏に強烈なグルーヴを与えている。「レイン」や「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」なんかでも際立っていたが、リンゴのドラミングはメチャウマだ(^o^)丿 ④「ペニー・レイン」は複数のテイクを繋ぎ合せた新生ヴァージョンだが、一番の特徴は中間部にピッコロ・トランペットではなく何とオーボエが使われていることで、しかもエンディングはシンプルに演奏の余韻を活かした公式ヴァージョンとは一味違う、USプロモ・シングル用のトランペット・エンディングが繋げられているのだ。私としては木に竹を接いだような違和感を禁じ得ないが、この摩訶不思議な編集のおかげでオーボエよりもピッコロ・トランペットの方が断然この曲に合っていることはよく分かる。
 ⑤「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」も3つのテイクが繋げられているがこっちは実に自然な編集で、アタマのジョンのカウント“シュガー プラム フェアリー、シュガー プラム フェアリー...” からもう雰囲気抜群だ。アンソロジー・ビデオでジョージ・マーティンがこのカウントを聴きながら当時を回想する場面があるが、まるで昔さんざん手を焼いたやんちゃな生徒を懐かしそうに思い出す校長先生みたいな彼の表情(←DVD Vol.5 チャプター2の8分21秒あたり)がとっても印象的だった。話戻って、水も漏らさぬような完璧なペパーズの、しかも壮大なエンディング曲の初期の姿(ロード・マネージャー、マル・エヴァンスのカウントや、ミドル・パートでトチッたポールの “Oh, shit!” という声まで入ってる!)が聴けるだけでもこのヴァージョンは価値がある。最後のガーン!!!の代わりにポールと誰かのおしゃべり(←“こーゆーのやる時って最初はみんな懐疑的でほんとイヤになっちゃうよ、ったく...” って愚痴ってるけど、相手は誰やろ?)が効果音的に入れられている。⑥「グッド・モーニング・グッド・モーニング」はブラスや様々な効果音をオーヴァーダビングする前の、まさに “ネイキッド” なベーシック・トラックが聴けて大満足。このライブ感溢れる演奏は強烈だ。特にリンゴ、あんたは凄い、いや、凄すぎる(≧▽≦)
 ⑦「オンリー・ア・ノーザン・ソング」はペパーズ・セッション時にレコーディングされたのでこの位置なのだろう。ジョージの弾くハモンド・オルガンがめっちゃ目立っている。⑧⑨「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」ではまずエンジニアのジェフ・エメリックがタイトルを “フォー・ザ・ベネフィット...” とアナウンスするとジョンがすかさず “ビーイング...” と言い直したり、曲のテンポを調整したり、ポールが歌い方をアドヴァイスしたりと、レコーディング現場での生々しい会話のやりとりが興味をそそる。ジョンのヴォーカルはいつ聴いても “ザ・ワン・アンド・オンリー” だ。⑩「ルーシー・イン・ザ・スカイ」も様々なテイクを繋いで生み出されたツギハギ・ヴァージョンで賛否両論ありそうだが、サウンド・プロダクションがやや凝り過ぎの感があった公式ヴァージョンよりもジョンのヴォーカルがリアルにミックスされているし、サウンドのもやが晴れて相対的にタンブーラが強調された結果、サウンドがよりサイケ色を増していて、私はこっちの方が好きだ。それにしてもこの時期のビートルズの創造性って神懸り的やなぁ... (≧▽≦)

Strawberry fields forever

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