shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ウクレレ・ビートルズ

2009-02-03 | Beatles Tribute
 昔はウクレレというとまず「夏」、「ハワイ」、「高木ブーのカミナリ様」というイメージしかなく正直言って軽く見ていたのだが、ライル・リッツという人のジャズ・ウクレレLPを聴いてその心地良いスイング感に開眼し、「アンソロジー」や「コンサート・フォー・ジョージ」のDVDを見てすっかり気に入ったお調子者の私はそれ以降ウクレレというと喜び勇んで買うようになった。
 そんなある時、ヤフオクでこの「ウクレレ・ビートルズ」を発見、「ヘルプ」のカラフルなパロジャケも気に入ったので速攻で落札した。1580円也。しかし好事魔多しで、このCDは全17曲中数曲の素晴らしいトラックを除けば残りはしょーもない演奏のオンパレードだった(>_<) 例えば①「キャント・バイ・ミー・ラヴ」(関口和之&IWAO)はいきなり「いらっしゃいませ、毎度ありがとうございます...」と自販機か何かの自動応答メッセージで始まり、その後あろうことかウクレレ演奏のバックでずーっとこのダサいSEが鳴り続けるのである。アホか!気が散ってまったく音楽に集中できない。プロデューサー、頭おかしいのとちゃいますか?コイツらはラストの⑰「ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア」でも同じ様なダサい過剰演出でこのCDに泥を塗っている。あんまり不快なのでいつも飛ばして聴いていたが、今回ブログに書くにあたって久々に聴いてみて、やっぱりめちゃくちゃ鬱陶しかった(笑) もう二度と聴かない。
 ⑥「カム・トゥゲザー」(勝誠二)も別にウクレレで演る必要ないんちゃう?というようなワケのわからん演奏で聴いてるこっちの気持ちが萎えてくる。⑨「フール・オン・ザ・ヒル」(知久寿焼)に至ってはあろうことかウクレレを使って前衛まがいのキモチ悪い演奏に終始しているのだ。ポールの大名曲に対して何たる無礼!このCDは「ウクレレ・ビートルズ」なのだ。ビートルズの素晴らしい楽曲の数々をウクレレ独特の気持ちのいいサウンドでストレートに聞かせてナンボやないんか?勘違いもはなはだしい。それ以外にもただ何となくウクレレを使ってみましたというようなダラダラとした演奏が続き、ウクレレ好きのビートルズ・ファンを自認する私を言いようのない失望感が襲う。
 ハズレか...?しかしそんな私を救ってくれたのが、テンポを自在に変えながら歯切れの良いプレイを聞かせてくれる②「プリーズ・プリーズ・ミー」(バンバンバザール)、ウクレレとリコーダーという素朴な楽器の共演で実に心が和む③「夢の人」(栗コーダーカルテット)、4弦しかないウクレレという楽器で見事にビートルズの曲をスイングさせた⑦「オール・マイ・ラヴィング」(キヨシ小林&ウクレレ・スウィング・ギャング)、リズムボックスの単調なビートと軽快なウクレレの音色が不思議な調和をみせる⑭「ミッシェル」(ワタナベイビー)の4曲で、これらのトラックはめちゃくちゃ気に入っている。そのどれもがウクレレでビートルズの楽曲の魅力を上手く引き出していて、それまでのマイナス要素を帳消しにしてお釣りがくるぐらい素晴らしい演奏なのだ。上記のアホ連中とはアーティストとしての貫目が違うということだろう。まぁ1曲400円の4曲入りCDと考えれば腹も立たんか...(笑)

オールマイラヴィング

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