shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ビートルズのインド盤特集②「赤盤」「青盤」

2016-11-20 | The Beatles
 先週の火曜日、まさかまさかのトランプ大統領爆誕で世界中に激震が走った。暴言乱発セクハラおやじ vs 根性ババの嘘つき女、という前代未聞の “嫌われ者対決” を制したワケだが、イギリスEU離脱時の夢よもう一度(笑)と世界経済の大混乱による円高の再現を願っていた私はトランプが勝って大喜び(^o^)丿  しかし悲しいことに私の期待は大きく裏切られ、何故かドルは110円台まで、ポンドも136円台へと上がってしまい、円高どころか大統領選前よりも超円安になってしまった...(>_<)  こんなことやったら開票中にトランプ優勢が伝わって一時的に $1=101円台に突入した時にウォッチしてあるレコードを根こそぎ買っとけばよかったわ。 “このままトランプが勝てば一気に95円ぐらいまで下がるかもしれんからもーちょっと待っとこ...” と欲をかいたのがアカンかったんか。トランプがぼろを出して(←メキシコ国境に壁を造るとかいう話はどーなったんや?)ドルが暴落するまでしばらくの間はアメリカのセラーからレコード買えへんな...
 ということで私の目線は今ヨーロッパに向いているのだが、今回もヨーロッパ経由で手に入れたインド盤の話である。記念すべきインド盤第1号としてゲットした「ラバー・ソウル」が最高とはいかないまでも結構面白い音で鳴ったこともあってもう少しインド盤を聴いてみたくなった私は次のターゲットとして「赤盤」と「青盤」に目を付けた。インドのレコードは70年代プレスの盤でもチューブ(真空管)カッティングされているということで、他国プレス盤とは一味違う温かみのある音が聴けるのではないかと思ったのと、このベスト盤2セットを手に入れればとりあえずビートルズ全214曲の内の約1/4をインディアン・プレスで聴けるという理由からだ。お試しセットとしてはコスパ的にベストのチョイスだろう。
 eBayやDiscogsでインド盤を検索してみてまず気が付いたのは、何故かハンガリーのセラーが滅多やたらに多いということ。インドとハンガリーって地理的にかなり離れてると思うんやけど歴史的に何か繋がりがあるんかいな? まぁハンガリーのセラーはユーロ決済やし送料も安いしでこちらとしてはラッキーだ。それと、盤質表記が日頃滅多に目にしない “P(POOR)”“F(FAIR)”“G(GOOD)” というガチャ盤の類がめっちゃ多いのにもビックリ。どうやらインドにはレコードを大切に扱うという文化はないらしい。それとも50度近い高温多湿な気候でレコードがダメになってしまうのだろうか?
 そんな玉石混交 “石だらけ” 状態の中から「赤盤」「青盤」共にNM状態の盤をどちらも€18というお買い得価格でゲット。送料込みでも3,000円台だからラッキーだ。センター・レーベルはUK盤とは違うノーマルなアップル・デザインで、1978年にイエロー・パーロフォン、その後シルバー・パーロフォン・レーベルで再発されたらしいのだが(←オークション市場では黄パロ盤が一番人気のようだ)、このあたりのレーベル・デザインの変遷に関してはいまいちハッキリしたデータがないのでよく分からない。インド盤に関してはまだまだ謎の部分が多いのだ。
 先に届いたのは赤盤で、“どんな音がするんやろ?” とワクワクドキドキしながらA面に針を落としたのだが、私の期待感に冷や水を浴びせかけるようなショボイ音にガッカリ。ハッキリ言ってEAS型番の日本盤とトントンなレベルだ。A面はずーっとそんな調子で、B面になると音は急に良くなって “A面とのこの格差は何なん?” という感じなのだが、C面に入ると再びもっさりした音に逆戻り(特にC③④は濁った音で最悪、C⑥はインド版「ラバー・ソウル」に入ってたのとは違うノーマルなミックス)。ところがD面は全曲シャキッとしためっちゃエエ音で、各楽器の音やコーラス・ハーモニーも超クリア(^.^)  こうなってくると一体何がどーなっているのかワケが分からない。やっぱりインドは謎である(笑)
 「青盤」が届いたのはその2日後。「赤盤」のA・C面みたいなつまらん音やったら嫌やな~と思いながら聴き始めたところ、こちらの方は初っ端から太くて力強い音が楽しめて大喜び(^_^)/  これこそチューブ・カッティングの音である。A①「ストロベリー・フィールズ」なんかもう凄いの一言で、ついついヴォリュームを上げていってサウンドの大海原に身を投げ出すようにして聴いてしまう。A②「ペニー・レイン」やA⑤「ルーシー・イン・ザ・スカイ」ではベースの音が太く入っていて実に気持ちいいし、A⑥「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」におけるポールの闊達なベース・ラインやオーケストラの “ジャーン!” も見事に再生されるなど、どのトラックもホンマに文句のつけようのないエエ音で、先に届いた「赤盤」とはエライ違いだ。「青盤」はUKファースト・プレスもシャープな良い音だったが、このインド盤はそこに中域の分厚さをプラスしたような感じの太い音になっている。
 B面に入っても音に関しては相変わらず文句なしに素晴らしいのだが、しばらくして何かちょっと変やなぁと気付いた。A面では予想を遥かに上回る音の良さに感心して気付かなかったのだが、B④「マジカル・ミステリー・ツアー」~B⑤「レディ・マドンナ」とアップテンポの曲が続くあたりで、聴いてて何かせっつかれてるような、そんな感じがしたのだ。そこで念のためにストップウォッチで測ってみると、案の定1曲3分前後の曲で約3~4秒短い... 要するにピッチが狂っているのだ。湯浅氏の本によると「アビー・ロード」のインド盤もハイ・ピッチらしいが、この青盤も聴く時にはピッチの調整が必要だ。やっぱりインドは... もうエエか(笑)
 インドの「赤盤」は曲によって、レコード面によって音のバラつきが顕著だったが、こちらの「青盤」の方はC・D面もA・B面と同じく素晴らしい音で、大袈裟ではなくこのレコードに出会えただけでもインド盤に手を出して良かったと思えるほど...(^.^) こういう掘り出し物があるからレコード・コレクターはやめられない。それにしてもビートルズのレコードはホンマに奥が深いですな...
 アルバム・ジャケットは他のインド盤と同じくノンラミネートのボール紙仕様なのだが、この「赤盤」「青盤」は共にジャケットが他のアルバムより何故かタテヨコ数ミリずつ大きく、レコード棚でこの2枚だけがピョコンと頭一つ飛び出している。それと、紙質のせいなのかもしれないがインド盤はジャケットの造りがヤワで seam split、すなわちLP取り出し口の上部が大きく裂けているブツが多く、私の青盤もご多分に漏れず数㎝ほど縁割れしていてサイド&トップ・ローディング・ジャケ(笑)になっていたので久々にジャケット補修をする羽目になった。
 ということで「ラバー・ソウル」に続いて「赤盤」「青盤」もゲットし、私はインド盤蒐集のミステリー・ツアーを満喫中。最近は “次はどれにしようかな...” とか、“どんな音がするのかな...” とか、そんなことばかり考えながらレコード三昧の日々を過ごしている。これでドルが下がってくれたら言うことないんやけど...

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