shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「天国への階段」カヴァー特集④ ~他ジャンルのアーティストによる名カヴァー編~

2013-01-20 | Led Zeppelin
 レッド・ゼッペリンの楽曲は彼ら独特のグルーヴと一体化して初めて成立する類のものなので、他アーティストによるカヴァーというのは思いのほか少ないのだが、この「天国への階段」だけは別で、ロック以外のジャンルのアーティスト達も積極的にこの曲を取り上げている。ということで今日は、スパニッシュ・ギターからフォークロア、ブルーグラスにテクノ・ダンス・ポップ、そして最後はクラシックのオーケストラと、様々な解釈で楽しむ「階段」特集です。

①Rodrigo Y Gabriela
 私は以前から「天国への階段」の色んなカヴァーを集めているのだが、今回の特集をきっかけに改めて YouTube で徹底検索、新たに発見したものの中で一番の収穫といえるのがこのロドリーゴ・イ・ガブリエーラというギター・デュオ。二人はメキシコ出身で今はアイルランドを拠点に活動しており、元々スラッシュ・メタル・バンドをやっていたというだけあって、ラテン/フラメンコをベースにロック、ブルース、ジャズといった様々なジャンルのスタイルをミックスしたようなそのユニークな音楽性が、スパニッシュ・ギターといえばパコ・デ・ルシアぐらいしか知らなかった私の耳に衝撃的に響いたのだろう。とにかく2本のアコギだけでこれほどエネルギーに満ち溢れた情熱的なサウンドを生み出すとは只者ではない。「激情ギターラ」(←こっ恥ずかしいこの邦題、もうちょっと何とかならんかったんか...)というCDに付いていたDVDに収録されていた「階段」のライヴ・パフォーマンスもめっちゃカッコ良くて、特にボディーを叩きながらリズムを取るガブリエーラのプレイは何度見てもスリリング!!! テクニカルな速弾きを披露するロドリーゴも絶好調で、2分48秒からのジャガジャーン♪に始まる超絶技巧を駆使した後半部の盛り上がりは鳥肌モノだ。
Stairway to Heaven live (Rodrigo y Gabriela)


②Del Pueblo Del Barrio
 私は数年前の第一次「階段」マイ・ブームの時に100近いカヴァー・ヴァージョンを集めたが、その中で一番気に入ったのがこのデル・プエブロ・デル・バリオだった。「Escalera Al Infierno」というタイトルが付けられたこの曲、クレジットは “Page/Plant” ではなく “Agustin Bustos” となっているのだが、メロディーのモチーフになっているのはどこをどう聴いてもゼップの「階段」以外の何物でもない。因みに「Escalera Al Infierno」をネットの自動翻訳にかけるとスペイン語で「地獄への階段」という意味らしい。 なるほど、そーゆーことか...(^.^)  以前に一度このブログで取り上げた時にも書いたが、ジプシー・キングスを想わせるハイテンションでエモーショナルな歌と演奏が心の琴線をビンビン刺激する名カヴァーだ。
Del Pueblo...Del Barrio - Escalera al infierno (videoclip)


③Nashville Super Pickers
 レッド・ゼッペリンがアメリカで圧倒的な支持を受けている理由の一つに彼らの音楽性が内包しているカントリー・ミュージックの薫りが挙げられると思うのだが、そのせいかカントリー/ブルーグラス系アーティストによるゼップのカヴァー/トリビュートは結構多い。中でも私が気に入っているのがナッシュビルの凄腕セッション・ギタリスト達で結成されたナッシュビル・スーパー・ピッカーズというグループによる「ピッキン・オン・ゼッペリン ~ア・トリビュート~」というアルバムで、ギター、マンドリン、バンジョー、フィドル、ハーモニカetc といった楽器が一致団結して作り上げるブルーグラスなサウンドで聴くゼップというのも中々オツなモノだ。
Stairway To Heaven Instrumental Bluegrass Version- Led Zeppelin Cover


④EtCetera Theatre Company
 エトセトラ・シアター・カンパニーという謎のユニットによるこの「階段」は例の「ザ・マネー・オア・ザ・ガン」からのもので、ゼップの名曲で踊ってしまおうという大胆不敵な発想が面白い。ファルコ(←元斗皇拳のファルコではありません...)の「ロック・ミー・アマデウス」にトーキング・ヘッズを少々振りかけてレンジでチンして一丁上がり、といった感じ(?)のキャッチーなテクノ・ダンス・ポップに仕上がっており、さながら「ロック・ミー・ゼッペリン」といった按配だ。
Stairway to Heaven EtCetera Theatre Company


⑤The London Symphony Orchestra
 私がクラシックを全く聴かないのは曲も演奏も退屈すぎて眠くなってしまうからだが、このロンドン・シンフォニー・オーケストラによる「階段」は結構好き(^.^)  クラシック界の巨匠カラヤンが “私がオーケストラで演奏するとしてもこれ以上のアレンジを必要としない名曲” と絶賛しただけあって、ここでも原曲に忠実な器楽アレンジが施されており、ドラマチックな盛り上がりを見せるスケールの大きい演奏はロック・ファンも一聴の価値アリだ。
The London Symphony Orchestra-"Stairway to Heaven"

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