shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ストーンズのシングル盤特集③【1966-1967】

2020-07-23 | Rolling Stones / The Who

① Paint It Black [F.12395 英Decca / 1966.5]
 もしもストーンズのベスト曲を選べと言われたら、「Sympathy For The Devil」かこの「Paint It Black」を選ぶだろう。前者が音楽の範疇を超えた得体のしれない吸引力で聴く者をグイグイ引き込んでいくのに対し、この曲はメロディー、リズム、そして器楽アレンジといった純粋に音楽的な要素のみで聴き手を圧倒するところが凄い。ブライアン・ジョーンズのシタールが絶妙な隠し味になっており、この曲の持つ妖しげな魅力をアップさせているし、後半部のベースがうねりまくるところなんかもうたまらない。尚、ベンチャーズ歌謡として有名な渚ゆう子の「京都の恋」はこの曲にインスパイアされたもので、実際に「ベンチャーズ・オン・ステージ'71」以降の来日公演でしばしばこの2曲をメドレーで演奏している(←ジェリー・マギーのエレキ・シタールがエエ味出してます...)のが面白い。
Paint It, Black (Mono)

Paint it Black - Ventures live in Japan 1990


② Let's Spend The Night Together [F.12546 英Decca / 1967.1]
 リンゴ・スターのあのドラムの音がなければビートルズのサウンドにならないのと同様に、“ストーンズの音” を形作っているのは間違いなくチャーリー・ワッツのドラミングだ。この曲でもドコドコ叩きまくるチャーリーが目立っていて思わず頬が緩んでしまうが、もう一つこの曲のイメージを決定づける重要な役割を担っているのがジャック・ニッチェの弾くピアノで、曲を前へ前へと押し進めていく大きな推進力になっている。尚、[エド・サリバン・ショー」出演時に “歌詞が性的な意味を連想させる” という理由で圧力がかかり、サビの部分を “Let's Spend Some Time Together” へと変えて歌わされたという話は有名だが、「Brown Sugar」といい、「Starfucker」といい、いかにも下ネタ上等を信条とする(?)ストーンズらしいエピソードだ。
Let's Spend The Night Together (Mono)


③ We Love You [F.12654英Decca / 1967.8]
 この「We Love You」はビートルズの「All You Need Is Love」のレコーディングにミックとキースが参加したことに対するお礼としてジョンとポールがコーラスで参加したという理由でビートルズ・ファンにも知られているが、この曲の一番の魅力は何と言ってもニッキー・ホプキンスの弾くスピード感溢れるピアノに尽きるだろう。彷徨浮遊系のヴォーカル、妖しい雰囲気を醸し出すコーラス・ワーク、そして混沌としたサウンドを生み出すバックの演奏と、どこを切っても典型的なサイケデリック・ロックのサウンドだが、そんな中でホプキンスの硬質なピアノの音が曲全体をグイグイ引っ張っていくところが超カッコイイ(^o^)丿 この曲はオリジナル・アルバムには未収録だが、コレを「Their Satanic Majesties Request」のAラスかBラスに入れてたらあのアルバムの評価も変わっていたかもしれない。
We Love You


④ She's A Rainbow [AT15088 オランダDecca / 1967.12]
 ストーンズの名曲というのはほとんどがキャッチーなリフを中心としたタテノリ・ロックなのだが、ごくごくたまにめちゃくちゃメロディアスな曲に出くわして “これ、ホンマにストーンズ???” と驚かされることがある。この「She's A Rainbow」なんかその典型と言ってもいいような名曲で、まるでポール・マッカートニーが作曲したかのような流麗なメロディー・ラインに耳が吸い付く。曲全体をリードするピアノはまたまたニッキー・ホプキンスで、彼のピアノがこの時期のストーンズ・サウンドに欠かせないものであったことがよくわかる。一度聴いたら耳に残るバックコーラスも絶妙で、ミックのヴォーカルを見事に引き立てているところはさすがという他ない。かなり昔のことになるが、この曲がCMソングとしてテレビから流れてきたのを聴いた時、選曲担当者のセンスに唸ったのを覚えている。尚、ストリングス・アレンジはレッド・ゼッペリン加入前のジョン・ポール・ジョーンズが担当している。
She's A Rainbow ((Original Single Mono Version))

iMac [She's a Rainbow]
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