shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Abbey Road」トルコ盤

2021-05-02 | The Beatles
 「Let It Be」や「RAM」、「Hey Jude」ですっかりトルコ盤の重低音が気に入った私は “「Abbey Road」のトルコ盤って一体どんな音で鳴るんやろ???” という好奇心で頭が一杯になり、何とか手に入れてやろうと本気を出して探し始めた。このレコードはめちゃくちゃレアらしくeBayには出ていないし、ヤフオクに1枚だけ出ている盤はVG-でありながら7万円近い値段が付いている。最後の頼みの綱とでも言うべき Discogs には2枚出ていたが、片方は盤質Fで問題外だし、もう片方は “Japanでは利用不可” となっている。
 やっぱり無理か... と一旦は諦めかけたが、一縷の望みをかけて “利用不可” になってるセラーの詳細を調べてみると、別に “日本へは送りません” というような地域制限ではなくてただ日本への配送ポリシー設定していないだけっぽい。まぁわざわざトルコのレコードを買いたいなどという奇特な日本人バイヤーなんておらんから当然と言えば当然だろう。盤質はVG+ で “ちょっと反ってるけど音に影響なし。クリーンで力強い音で鳴ります。” とのことなのでダメ元で “日本に送ってくれませんか?” とメールするとすぐにOKの返事が来たので即決。お値段は何と$90で、送料込みでも1万円ちょっとでこの稀少盤を手に入れることが出来た。
 レコードが届いたのはGW前の金曜日。トルコから一気に荷物が4つもドドーン!と届いたので郵便屋さんがビックリしてたとオカンが言ってたが、私の一番のお目当ては当然この「Abbey Road」だ。しかしイの一番に梱包を解き喜び勇んでレコードを取り出した私の目に飛び込んできたのは盤一面が曇ったいわゆるひとつの “風邪ひき盤” で(←ヤフオクに出ている7万円盤も盤面曇りということなのでひょっとするとトルコの「Abbey Road」は風邪ひきがデフォルトなのかもしれない...)しかも盤の反りも私が想像していたより大きい(*_*)  あちゃー、ハズレを引いてもうたか... と凹みかけたが、実際に音を聴くまでは諦めまいと一応気休めに超音波洗浄を施してからレコードをターンテーブルに乗せた。もちろんスタビライザーは必須だ。
 スピーカーから出てきた音は確かにチリパチ音はあるものの見た目ほど酷くはないし、セラーの言うように反りによる音への影響もなさそうで一安心。まぁVG+ は過大評価でせいぜいVGがいいところだが値段を考えればしゃあないか。モノクロのジャケットは取り出し口が少し傷んでいたのでVGとのことだったが、前回取り上げた「Hey Jude」の書き込みやセロテープ跡によるダメージに比べると遥かに良い状態で、余裕でVG++ かEX− ぐらい付けれるレベルだ。さて、Sさんはこの音をどう評価されるだろうか?

 私:ついにトルコの最難関「Abbey Road」を手に入れましたで。
 Sさん:おぉ、これですか!
 私:ただ、盤質がねぇ...
 Sさん:曇ってますね。それにちょっと反ってるし...
 私:そうなんですよ。「Hey Jude」も盤面の光沢はありませんでしたけど、こいつはちょっと酷いでしょ? 材質なのかな?
 Sさん:温度とかが関係してるのかもしれませんね。
 私:まぁとにかく聴いてみて下さい。
 Sさん:(A①「Come Together」を聴きながら)良いと思いますね。ノイズも見た目ほど酷くないし。
 私:一応UKマザーです。
 Sさん:確かにUKらしい音ですが、ちょっと変わってますね。音そのものが伸びやかです。
 私:これで曇りがなかったらいいんですけどね。
 Sさん:(A面を聴き終えて)でもA面の途中あたりからかなり良くなってきてますよ。さっきのホワイトノイズのとこなんかすごく良かったですもん。
 私:確かに。いつの間にかノイズが気にならんレベルになってますね。
 Sさん:(B①「Here Comes The Sun」を聴きながら)この低音は凄いですね。
 私:B面の方がノイズ少ないのもあるでしょうね。
 Sさん:いやぁ、凄いベースの音ですよ。
 私:(後半のメドレーを聴きながら)こんなド迫力の「Carry That Weight」は他ではちょっと聴けませんね。
 Sさん:B面後半のベース、何かズゥゥ~ンという感じで響いてきます。
 私:「Abbey Road」でこの低音は凄いでしょ。
 Sさん:こないだの「Hey Jude」に通じるものがありますよね。
 私:いや、ホンマに仰る通りです。
 Sさん:スタンパーはA面がEでB面がMですか。確か「Let It Be」と「Hey Jude」は両面Eでしたから、ひょっとしてスタンパー・コードは EMI ですかね?
 私:なるほど!
 Sさん:まぁプレス枚数が相当少なかったんでしょう。EとMとIで足りるぐらいに(笑)
 私:ハハハ...
 Sさん:でもほとんどのコレクターは盤や音じゃなくてジャケットに価値を見い出すでしょうね。
 私:「Let It Be」はちゃんとカラーでしたからね。「Hey Jude」とこの「Abbey Road」だけが特異なモノクロ・ジャケですもんね。でも私にとっては音こそがすべてです。重低音が響き渡る「Abbey Road」っていうのも中々エエもんですよ(笑)
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