shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

トルコの Unofficial「赤盤」「青盤」

2021-05-08 | The Beatles
 これまで「Let It Be」「Hey Jude」「Abbey Road」と後期ビートルズのトルコ盤を立て続けにゲットして楽しんできたが、こーなってくると初期や中期の作品もトルコ盤の重低音サウンドで聴いてみたいと思うのが人情というもの。というわけで当初は全く眼中になかった例の “アンオフィシャル” 「赤盤」と「青盤」に手を出すことにした。
 トルコの「赤盤」「青盤」はどちらも2枚組を1枚に再編集した内容で、Ronnex という怪しげなレーベルからリリースされている。Discogsではアンオフィシャル、つまり正規盤ではないレコードは買えない仕組みになっており、「青盤」の方は取扱い不可なのだが、何故か「赤盤」の方は“Unofficial Release”となっているにも関わらず正規盤と同じように普通に買えてしまうのだ。最近送料の表示も間違いだらけやし、何か Discogs めちゃくちゃやな...(゜o゜)
 ということでまず eBay で検索すると、アンオフィシャルの分際で「赤盤」「青盤」共に $100オーバーというふざけた値が付けられており開いた口が塞がらないが、1週間ほど網を張っていたところ送料込みで$30という格安物件の「青盤」が出品されたので BUY IT NOW で即決。盤質NMとのことなのでまさに “待てば海路の日よりあり” を実感した。
 しかし「赤盤」の方は中々リーズナブルな値段のブツがeBayに出てこなかったので Discogs に出品されている中から盤質VG+ で€12のブツを買うことにした。同じセラーから他にも2枚レコードを買ったので1枚当たりの送料単価は €5と超お買い得(^.^)  音質に確信が持てないアンオフィシャル盤は安く買うに越したことはない。
 先に届いたのは「青盤」の方で、アンオフィシャルのくせにジャケットはピカピカにコーティングされている。盤は見た目キレイだったが実際に針を落としてみると結構チリパチ音があってガッカリ。盤起こしっぽかったので元になったレコードのノイズなのかもと思ったが、超音波洗浄で30分間じっくりクリーニングしてみるとウソのようにチリパチ音がなくなり、見違えるようなクリアーなサウンドになって大喜びヽ(^o^)丿  やっぱりクリーニングって大事やね。Sさんに「またトルコか...」と思われそうだが(笑)4月はトルコ盤しか買っていないのでこれしか持って行くものがないのだ。

 私:まいど(^o^)丿 新しく買ったレコード持って来ましたで。
 Sさん:トルコですか?
 私:トルコです(笑) 今日は「青盤」持って来ましてん。アンオフィシャルなんですけど、トルコ盤のビートルズではこいつが一番ポピュラーみたいなんで...
 Sさん:変わったレーベルですね。
 私:そのRonnexっていうレーベル、フロイドの「Wish You Were Here」も出しとるんですよ。それもオフィシャルでね。もちろん独自カットですけど。
 Sさん:へぇ~そうなんですか。
 私:トルコは分からんことだらけですわ。とにかくまぁこれを聴いてみて下さい。
 Sさん:(A①「Hey Jude」が流れる...)全然悪くないですね。オフィシャルやと言われたら信じちゃいますよ。
 私:でもこれ、盤起こしなんですよ。よくよく聴くとブーンていう音がするでしょう?
 Sさん:確かに... でも盤起こしには違いないですけど、元になったレコードの音が良いんでしょうね。トルコはビニールの材質が良いですから、盤起こしでもこれほどの音がするんでしょう。
 私:まぁ海賊盤(←懐かしいなぁこの呼び方...)でこれだけの音が聴けたら上等でしょうね。
 Sさん:普通に聴く分には十分楽しめます。
 私:わぁ、A⑥「Back In The USSR」のイントロのジェット音のフェイド・イン処理がめっちゃズサン...(笑)
 Sさん:もろにディスク・ダビング跡がわかりますね。これはこれで中々面白いですけど...(笑)
 私:珍盤でしょ?
 Sさん:マトの書き方もめっちゃエエ加減ですね。
 私:76年にカッティングしたようです。
 Sさん:ブートであっても、76年に真空管を使って切ってるから音が良いのかもしれませんね。ソリッドを真空管でカットし直してるのか...(笑)
 私:ハハハ、なるほどね。トルコってホンマにオモロイですわ。

 それから数日して今度は「赤盤」が届いた。こちらも盤質は申し分なしで、音の傾向も「青盤」と同じく伸びやかで艶のあるサウンドだ。アンオフィシャルの盤起こしでありながらこれだけ芯のある腰の据わったサウンドが楽しめるのだからトルコ盤恐るべしである。
 この「赤盤」はコンピレーション盤の宿命というべき個々のトラックにおける音質差が先の「青盤」よりも顕著で、例えば A②「From Me To You」、A④「I Want To Hold Your Hand」、B①「Help!」、B⑤「Girl」、B⑥「Paperback Writer」、B⑦「Eleanor Rigby」なんかもうエグいぐらいにキレッキレな音がするのに対し、A⑤「All My Loving」やA⑦「Can't Buy Me Love」、B⑧「Yellow Submarine」あたりはやや大人しめ。B③「Eight Days A Week」(←「Yesterday」をAラスに持って来るために弾き出されたのか「We Can Work It Out」と「Michelle」の間で居心地悪そうにしてる... 笑)のハンド・クラッピングも脆弱な感じがする。
 とは言え、そういった細かいことを気にしなければ音質面では十分合格点を付けられるレコードであり、「赤盤」「青盤」2枚併せて6,000円弱の出費で手に入れることができて大ラッキーヽ(^o^)丿  残念ながらトルコ本国は新型コロナの感染爆発によって4月の末から3週間のフル・ロックダウンに突入しており今はレコードを買えない状況なのだが、解除されたら是非とも他のアーティストのトルコ盤も買って聴いてみたいなぁと心待ちにしている今日この頃だ。
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