shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

John Wick 4 Original Soundtrack

2023-11-19 | TV, 映画, サントラ etc
 私は好き嫌いがハッキリした人間で、映画はSFとアクション物しか観ない。要するに “広く浅く” の真逆を行く “狭く深く” が私の流儀なのだ。作品で言うと、「スター・ウォーズ」、「スター・トレック」そして「ジョン・ウィック」が3本柱で、これらのシリーズは何十回、いや、何百回と繰り返し観て楽しんできた。先月このブログに書いた「ジョン・ウィック4」も劇場で2回、そしてブルーレイは既に10回以上は観たが、飽きるどころかまだまだコーフン冷めやらずといったところだ。
 言うまでもなくこの映画はその怒涛のアクション・シークエンスが圧倒的な見どころなのだが、そこで使われている音楽もまた素晴らしい。もちろん楽曲単体でもそれなりに楽しめるが、映像を観ながら聴くとその魅力が何倍にもアップするという、サントラの鑑のような作品ばかりなのだ。ということで今回は世界に先駆けて日本で先行発売された「ジョン・ウィック4・オリジナル・サウンドトラック」CD、そしてオフィシャルのサントラ盤には入っていないけれどこの映画に無くてはならない音源について書いていこうと思う。

①Osaka Phonk / Le Castle Vania
 大阪コンチネンタル・ホテルが登場するシーンのバックで流れていたオリエンタルなムード横溢のエキゾチックなナンバーがこの「Osaka Phonk」だ。この曲はオフィシャル・サウンドトラック盤には収録されておらず、Le Castle VaniaがEPとして発表した音源をダウンロード(←アナログ人間の私にはMP3音源で “EP” という言い方はめっちゃ違和感がある...)するしかないのが非常に残念。音楽配信/ダウンロードというシステムを生理的に受け付けない私のような古いタイプの人間にとっては住みにくい世の中になったものだ。
John Wick: Chapter 4 (2023) - Osaka Continental | 4K HDR CLIP ALARAKHS HDR Grading Showcase


②Marie Douceur, Marie Colère / Manon Hollander
 グラモン侯爵の指示でDJが殺しを煽るという設定の中、パリの街中の大乱闘シーンのバックで流れるのがマノン・ホランダーという女性歌手がストーンズの「Paint It Black」をフランス語でカヴァーした「Marie Douceur, Marie Colère」だ。「Paint It Black」のフレンチ・カヴァーといえばマリー・ラフォレが真っ先に思い浮かぶが、こちらのヴァージョンもそれに勝るとも劣らない素晴らしい出来栄えだ。映画館で初めてこのシーンを見た時、女DJの “I think it's high time we paint him red...” という言葉で “えっ、ここでまさかのストーンズ来るんか?” と身構えたのだが、間髪を入れずに例のイントロが流れた時はカッコ良すぎて震えがきた。
John Wick: Chapter 4 (26M Bounty Scene) Paint It, Black | High Definition 1440p |


③Hate Or Glory / Gesaffelstein
 凱旋門の周回道路での超高速戦闘シーンで流れるクソカッコ良い曲がゲサフェルスタインの「Hate Or Glory」だ。感情を持たない殺人マシーンのように一人また一人と敵を処理していくジョン・ウィックのアクションと硬質な電子音が炸裂するアグレッシヴなサウンドが絶妙にシンクロしてカッコ良いことこの上ない。単調なフレーズの繰り返しが生み出す高揚感がたまらんたまらん... (≧▽≦)
John Wick 4 - Arc De Triomphe scene


④LED Spirals / Le Castle Vania
 焼夷弾で次から次へと敵を火だるまにしていくジョン・ウィックの戦いっぷりを上から俯瞰する映像のバックで流れるのがLe Castle Vania の「LED Spirals」だ。この曲は「ジョン・ウィック1」でもクラブ「レッド・サークル」でロシアン・マフィアのバカ息子を追い詰めていくシーンで使われて強烈なインパクトを残したが、この「4」でもジョン・ウィックが無慈悲に敵を撃ち殺していくシーンに無機質なビートが絶妙にマッチしており抜群の効果を上げている。映像と音楽をリンクさせるチャド監督のセンスには脱帽だ。
John Wick: Chapter 4 | 4K HDR | Overhead Gun Fight - Dragons Breath Rounds


⑤Eye For An Eye / Rina Sawayama
 ラストの墓地のシーンに続いて流れるエンディング・テーマはシマヅ(真田広之)の娘アキラ役で素晴らしい演技を見せたリナ・サワヤマが歌う「Eye For An Eye」だ。歌が本職とあって映画のラストを飾るに相応しい堂々たる歌声を聞かせてくれる。調べてみたらエルトン・ジョンと共演したり、2ndアルバムが日本人歴代最高記録となる全英チャート3位に入ったりと、今が旬のアーティストのようだ。彼女が参加したメタリカのカヴァー・アルバム(←声がかかるってだけで凄いなぁ...)の「Enter Sandman」も貼り付けておいたので興味のある方はどーぞ。
Rina Sawayama – Eye For An Eye (John Wick: Chapter 4 Original Motion Picture Soundtrack)

Rina Sawayama – “Enter Sandman” from The Metallica Blacklist


【おまけ】
 凱旋門の大乱闘シーンのメイキング映像をYouTubeで見つけた。へぇ~、あのシーンはこんな風にして撮ってたのか... とビックリ。VFX技術って凄いですな...
John Wick 4 - Arc De Triomphe - VFX Breakdown by Rodeo FX