shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「White Album」ペルー盤

2023-01-15 | The Beatles
 私は苦労して手に入れた垂涎盤がネット・オークションに出ているのを見つけると、ビッドするわけでもないのにウォッチして最終結果を見たくなる。そのレコードに対する最新の世間の評価がわかって興味深いというのもあるが、やはり一番の理由は自分の購入価格と比べて高く落札されれば得した気分になり、安く落札されれば悔しがるという、卑しいコレクター根性によるところが大きい。
 つい先日もヤフオクで東京の ELLA RECORDS というお店(ID:vintageking2005)から大量にビートルズのペルー盤が出品され、“おぉ、これは凄いやん... ペルー盤って今の日本でどれくらい人気あるんかいっぺん見たろ...” と思って14枚すべて(!)ウォッチしてみた。結果は私の想像を遥かに超える激戦で、ペルー盤人気をまざまざと見せつけられた。落札価格が高い順に列挙すると;
 White Album(50,930円、入札57、8人)
 Revolver(24,200円、入札36、7人)
 Let It Be(23,650円、入札35、5人)
 Sgt. Pepper's(23,100円、入札24、7人)
 Magical Mystery Tour(19,679円、入札27、8人)
 Beatles For Sale(16,500円、入札18、8人)
 Hey Jude(16,060円、入札18、6人)
 Abbey Road(15,950円、入札11、6人)
 Help! (14,850円、入札22、5人)
 Let It Be(14,190円、入札18、7人)
 Yellow Submarine(13,200円、入札8、5人)
 Hey Jude(12,210円、入札15、5人)
 Please Please Me(12,100円、入札12、8人)
 Rock 'n' Roll Music(11,550円、入札14、4人)
という具合。へぇ~、ペルー盤探してるコレクターって意外とおるんやなぁ... と驚かされたが、中でも突出した落札額になった超激戦盤が「White Album」(←“マトほぼ1” って何やねん... ちゃんと書けや...)だった。たまたまヒマだった私はその一部始終をライヴで見学させていただいたのだが、ハッキリ言って自分が参戦しないオークションほど気楽なモノは無い。それはまさにドッグ・ファイトと呼ぶに相応しい延長に次ぐ延長戦で、決着がついたのが終了予定時刻から約40分後という壮絶な闘いだったが、いくら何でもペルー盤に5万円って... UKのアーリー・プレス盤が買えますやんwww
 しかしかく言う私も一歩間違えばここに参戦を余儀なくされていたかもしれないのだ。実際、ビートルズのペルー盤蒐集で私が最後の最後まで苦労したのが他ならぬ「White Album」で、1年以上探しまくったにもかかわらず、滅多に市場に出てこなかったし、やっと出てきたかと思えば送料込みで5万円とか人をバカにしたような値付けで手も足も出ない。どうしたものかと考える日々が続いたある日のこと、妙案を1つ思いついた。ネット・オークションがダメなら現地のセラーに直接探してもらえばいいのだ。幸いなことに、以前ウルグアイ盤を買いまくっていた時に仲良くなったセラーが南米に何人かいるので彼らに訊いてみることにした。
 まずは一番親しいウルグアイのダニエルさん(←去年「Band On The Run」のボリビア盤を買ったセラー)にメールして “「White Album」のペルー盤を探してるんですけど、ないですか?” と尋ねると“商品としては無いけど、私個人のコレクションとして持ってるよ。shiotchさんなら売ってあげてもいいけど...” という返事。“もちろん買いたいけど、いくらぐらいで売ってくれるの?” と恐る恐る訊くと “音が良いんでちょっと高いよ... $120 でどう?” と言ってきたので内心ガッツポーズしながら “Deal!(買った!)” でペルーの「ホワイト」があっけなく我が手中に落ちたというワケだ。まだ$1=120円ぐらいの頃だったので(←最近円が127円台まで戻してきたの、めっちゃ嬉しい... もうひと踏ん張りして110円台まで戻してくれぇ!!!)、送料込みでも2万円でお釣りがくる計算だ。半年後に日本のネット・オークションでその3倍以上の値段で落札されたと知ったら腰を抜かすほどビックリするやろなぁ...
 で、私が手に入れたペルー盤の「White Album」だが、ダニエルさんの保管状態が良かったらしく、実に良いコンディションだ。興味深かったのはディスク1がUKマザーのマト -1/-1 で、ディスク2が独自マトということ。その独自マトの盤に関して言うと、音圧は普通ながら倍音が実によく聞こえるし、ちょっとヴォリュームを上げれば「Everybody's Got Something To Hide...」や「Helete Skelter」なんかもう凄まじい美爆音で鳴り響く。音質的には大満足だ。
 ただ、一つ残念だったのは「Good Night」が2:35あたりでシレッとフェイド・アウトしてしまうこと。初めて聴いた時は一瞬真空管が逝ってしまったのかと肝を冷やしたものだ。気持ち良~く聴いてきた「White Album」の最後の最後で「Good Night」が盛り上がる前に終わってしまうガッカリ感を想像してくれい! デリカシーの欠如にも程があるというものだろう。「Good Night」を中途半端にフェイド・アウトするぐらいなら、その前の「Revolution 9」を一部編集して短くするか(→どうせムチャクチャなんやからテキトーに切り貼りしても聴いてる方は気付かんやろ...笑)いっそのこと丸ごとカットすればよかったのにと思ってしまう。まぁ各国盤のこのようなやらかしは、イタリア盤「Abbey Road」の「I Want You」やトルコ盤「London Town」の「Morse Moose And Grey Goose」で免疫が出来ているとはいえ、興醒め感は否めない。針を上げるまで各国盤に油断は禁物なのだ。