shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Walls And Bridges」イスラエル盤

2022-12-08 | John Lennon
 先週久しぶりにB-SELSに行ってきた。これまでも辺境盤の比率は結構高かったが、改めて壁面を飾っているレコードを見回すと、グアテマラにニカラグアにモザンビーク(←なんかゲリラがいそうなイメージの国ばっかりな気が...)と、更に凄まじいことになっていた。今話題のコスタリカ(笑)盤も “どーだ、参ったか!” とばかりに壁の高いところから店内を睥睨している。ちょうど日本がスペインに勝った日だったので、“スペイン盤フェアとかやらないんですか?” とアホなことを訊いたらSさんに笑われてしまった。
 エサ箱をチェックした後、いつものように美味しいコーヒーをいただきながら “お店の中がワールドカップや~” と彦摩呂みたいなことを言ったらまたまたSさんに大笑いされてしまったが、冗談抜きでインド盤や南ア盤の存在が全く目立たないくらいに充実した各国盤の品揃えである。日本はおろか、世界中を探してもこれほどビートルズの各国盤を大量に在庫しているアナログ・レコード店は無いのではないか。そう言えば私がお店に居た時にたまたま外国人のお客さんが入ってこられたのだが、店内を見回してそのバラエティー溢れる品揃えに圧倒された様子で、お店を出られる時に “Good collection!” と感心されていた。極東の国のド田舎にまさかこんな凄いお店があるなんて、さぞや驚いたことだろう。
 で、ここからが今日の本題だ。去年から今年にかけて各国盤の中でも特に力を入れて集めてきたイスラエル盤のコレクションが充実してきて嬉しい限りなのだが、中でもジョンのソロをあるセラーから一気にドバーッと買えたのがめちゃくちゃデカい。稀少でありながら人気薄のイスラエル盤らしく、1枚平均 $12~$15で買えてラッキーラララだったが、そんな中で1枚だけ $20という高値だったのが「Walls And Bridges」だった。
 その理由はもちろん他国の盤とは一味も二味も違うディフ・ジャケにあることは火を見るよりも明らかだが、私の狙いはもちろんイスラエル盤ならではの低音の効いた音作りでこのアルバムを楽しむことで、ジャケットはオマケのようなモノだ。それに、他の各国盤と比べれば $20なんて最安盤の部類に入るだろう。イスラエルは送料も安いので大助かりだ。
 発送から3週間で届いたレコードはスパイン部にセロテープが貼ってあって表ジャケがやや汚れているのと裏ジャケの歌詞印刷の余白部に青ペンでワケのワカラン落書きがしてあるが、ジャケットの状態に拘らない私としては問題ない。てゆーか、イスラエルは何故かジャケットの状態の悪い盤が多いので、この程度なら余裕でOKだ。
 次に盤を取り出してまず目視チェック。見た限りでは良くも悪くもない典型的なVG盤だ。マトはA面が手書きの SW 1- 3416-Z5 に線を引いて消してあってその横に “✳ MCR” と刻まれており、センター・レーベルギリギリの所に機械打ちで YEX 937-Z5、B面も同様に手書きの SW 2- 3416-Z6 に線を引いて消してあるが、それに続くのは “✳”のみで “MCR” は無い。
 盤に針を落として聴き始めたところ、いきなりA①「Going Down On Love」の途中で針飛びしてビックリ(゜o゜)  しかも複雑骨折よろしく数ヶ所飛びまくったので慌てて針を上げてよくよく見ると、確かにヤバそうな横キズが数ヶ所確認できた。あちゃー(>_<) と凹みながら試聴を再開したところ、A②「Whatever Gets You Thru The Night」でも盛大に針飛びしてさすがの私もブチギレ。即座にセラーに “アンタもプロやったら針飛びせぇへん「Walls And Bridges」を見つけて送ってこんかい!” と怒りのメールをしたところ、向こうは “全額返金するから勘弁してm(__)m” と平謝り。まぁ無いモンはしゃあないので、それで手打ちにすることにした。
 針飛びするレコードなんか聴く気になれないのでそれからしばらくの間は放置していたのだが、ダメ元でB-SELSのSさんに診てもらおうと思い付き、お店に持って行って入院させることにした。Sさんはお忙しいのに嫌な顔一つせずに引き受けて下さり、その次に伺った時にはちゃーんと針飛びが直っていたのだからもうさすがとしか言いようがない。Sさん、いつも助けて下さってホンマにありがとうございます。感謝感謝です。
 ということで無事針飛びが直った「Walls And Bridges」、盤質は所々チリパチが入るVG~VG+ レベルで、鑑賞に特に問題はない。音作りの傾向としては基本的にUK盤と同じで、イスラエル盤ならではのベースの響きとか、低音の太さとかは感じられない。まぁイスラエル盤の全部が全部、あの「Abbey Road」や「A Hard Day's Night」、「Help!」みたいなえげつない爆音で鳴るワケがないので、まぁこんなモンかという感じだ。
 さっきeBayで見たらこのレコードには $50の値が付けられており、再発のPortraitレーベル盤ですら $40もしていてちょっとビックリ。音はホンマに普通なので(←決して悪い意味ではなく、突出した特徴がないということです...)、やはりこのディフ・ジャケに人気があるのだろう。まぁ私としては一度は諦めた針飛び盤がSさんのお蔭で生き返り、結果としてタダで手に入ったことになるので万々歳と言える。Sさんホンマにありがとうございました!

【御礼】12/1付のB-SELSの「日記」に登場する東京の104(とし)さんからバターガレットをいただき恐縮しております。お会いしたこともない私なんかにお土産をくださって、何とお礼を言って良いかかわりません。ホンマにありがとうございました。ご覧のとおり思いっ切り好みの偏ったブログですが、これからも出来るだけ続けていこうと思いますので楽しんでいただければ嬉しいです。