ネットでビートルズ関連の情報を収集していた時に偶然 “White Album Challenge” なるものを見つけた。要するに “もしもホワイトアルバムが2枚組ではなく1枚組だったら...” というよくあるファンの妄想遊びなのだが、そのサイトのフォーラムでは参加者それぞれの思い入れたっぷりのトラックリストが紹介されており、“へぇ~、この曲入れるんか...” とか “何でこの曲入ってへんねん???” とかいう感じで面白く読ませてもらった。
これは多分ジョージ・マーティンの “曲を絞って1枚のアルバムにしていれば傑作になっただろう...” という発言を受けての企画だと思うが、私も初心者の頃に同じことを思いついてやってみたことがある。まぁビートルズ・ファンなら誰しも一度はトライしたことがあるのかもしれないが、その時は曲を削る作業が辛すぎてすぐにやめてしまった。名曲名演目白押しのホワイトアルバムから数曲ならまだしも、収録曲の半分を削らねばならないというのは拷問に近い。
実際ポールもアンソロジーのビデオで “ヴァラエティに富んでいて良いアルバムだよ。不満だという奴もいるだろうが、ビートルズのアルバムだ。黙れってんだ!(←この Shut up! の言い方好き...)” と言っているし、私が見たフォーラムにも “ビートルズのアルバムから曲を削る遊びなんて冒涜だ!” という頭の固いファンが乱入してきてちょっとしたカオス状態になっていた。
しかし視点を変えて考えてみると、これはこれでその人のビートルズ観が如実に表れて中々面白い企画だと思うのだ。そう言えばこのブログでもかなり昔に “自家製ダブル・ファンタジー” というのをやったことがあるが、プロデューサー気分が味わえて結構楽しかった記憶がある。
というワケで、今週はお盆休みでヒマだったこともあり、ジョージ・マーティンになったつもりで “White Album Challenge” に再チャレンジ... 自分の好み丸出しで取捨選択し、「ホワイト」を再構築してみた。コンセプトはズバリ、多様性よりもロックンロール性を重視した、“鋭く尖ったホワイト・アルバム” だ。
"It's great, it sold, it's the bloody Beatles' 'White Album, shut up!"
まずオリジナルのA面からだが、最初の4曲「Back in the U.S.S.R.」「Dear Prudence」「Glass Onion」「Ob-La-Di, Ob-La-Da」は絶対に外せない。「Wild Honey Pie」は “大仁田~♪” の空耳ソングと割り切って楽しんでいるが、曲としてどうかと言われると迷わず外すの一択だ。「The Continuing Story of Bungalow Bill」は曲も演奏も好きなのだが、大嫌いなヨーコの声が入っている時点で即アウト。「Birthday」のようにコーラス隊の一人としてならまだ無視できるが、単独であの声を聞いただけでブツブツが出る。自分で言うのも何だが、私のヨーコ・アレルギーは筋金入りだ。Aラスの2曲「While My Guitar Gently Weeps」と「Happiness is a Warm Gun」の入ってないホワイトアルバムはホワイトアルバムではない(と思う)。
オリジナルのB面は結構難しい選択を強いられた。「Martha My Dear」はポールならではの名曲だと思うのだが、出来るだけロックンロール色を強めるというコンセプトなので典雅なこの曲は泣く泣くカット。「I'm so tired」「Blackbird」「Rocky Raccoon」の3曲は個人的に好きな曲なので外せない。ジョージの「Piggies」とリンゴの「Don't Pass Me By」は曲のインパクトとして相対的にちょっと弱いと思うのでカット。「Why don't we do it in the road?」は初心者の頃は “何じゃこりゃ?” だったが、何度も聴くうちに次曲「I Will」とのセットで聴いてその良さがわかるようになったのでめでたく当選。ホワイトアルバムは曲の配置が絶妙だという事実を今回の “チャレンジ” を通して再認識させられた。「Julia」は名バラッドだとは思うが、歌詞の中の “Ocean child” がどうしても受け入れられないのでカットさせてもらう。
B面同様に悩んだのがオリジナルのC面だ。ロックンロール重視のコンセプトから「Birthday」「Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey」「Helter Skelter」の3曲は余裕で当確。ヘヴィーな「Yer Blues」も外せない。「Sexy Sadie」は他の曲に比べるとやや弱い感じがするのでカット。「Mother Nature's Son」と「Long, Long, Long」の2曲に関しては、前者はアコースティック色が強くて「Blackbird」とキャラが被るし後者はメロディー・ラインは気に入っているのだがいかんせん音が脆弱すぎるという理由から、断腸の思いで外すことにした。う~ん、辛い...(*_*)
オリジナルのD面は結果としてはジョージの「Savoy Truffle」だけになってしまった。ポールの「Honey Pie」もジョンの「Cry Baby Cry」もリンゴの「Good Night」もみんながみんな捨て難い佳曲なのだが、上記のコンセプトからやや外れるので涙を呑んでカット。上記の「Mother Nature's Son」や「Long, Long, Long」あたりと併せてアンプラグド・アルバムを作ってみるのも面白そうだが、それはまた別の話。「Revolution 1」はちょっと迷ったが、この曲に関してはロック魂溢れるシングル・ヴァージョンの方が圧倒的に優れているので(←こっちを入れれたら最強のホワイトアルバムが完成すると思うが、反則っぽいので断念...)今回はカット。「Revolution 9」は論ずるにも値しない。ということで選んだ16曲のうち、ポール8曲ジョン6曲ジョージ2曲という内訳になった。ごめんね、リンゴ。
さて、次なる問題は曲の配置だ。これには選曲以上に頭を悩まされたのだが、幸いなことにオリジナルの曲の流れが絶妙なので、できるだけそれを活用するような形(A①⇒④、A⑤⇒⑥、A⑦⇒⑧、B⑤⇒⑥)で、何通りものシミュレーションを比較検討した結果、最終的に以下のような形に落ち着いた。
【自家製1枚組 WHITE ALBUM】
A 1. Back in the U.S.S.R.
2. Dear Prudence
3. Glass Onion
4. Ob-La-Di, Ob-La-Da
5. Why don't we do it in the road?
6. I Will
7. While My Guitar Gently Weeps
8. Happiness is a Warm Gun
B 1. Birthday
2. Everybody's Got Something to Hide Except Me And My Monkey
3. Rocky Raccoon
4. Savoy Truffle
5. I'm so tired
6. Blackbird
7. Yer Blues
8. Helter Skelter
A面は新鮮味がないというかベタな曲配置になってしまったが、私が拘ったのはB面のアタマ2曲とラスト2曲で、このインパクトはロックンロール・バンドとしての面目躍如たるものがあるのではないかと思っている。リンゴの優しい子守唄ではなく “I've got blisters on my fingers!!!(手にマメができちまったぜ!)” という叫び声で終わるホワイトアルバムっていうのが私らしい。
まぁこれも所詮はダイジェスト版というか、楽チン格安パックツアーみたいなものなので、ホワイトアルバムはアナログ・レコードの片面ずつをオリジナル・フォーマットでそのヴァラエティーに富んだ楽曲の配置の妙をじっくりと味わいながら聴く(→もちろん「Revolution 9」は飛ばすけど...)のがベストだと思うが、今回この “チャレンジ” をやってみて、これまで以上にホワイトアルバムに対する理解が深まったような気がした。みなさんも一度やってみてはどうですか?
これは多分ジョージ・マーティンの “曲を絞って1枚のアルバムにしていれば傑作になっただろう...” という発言を受けての企画だと思うが、私も初心者の頃に同じことを思いついてやってみたことがある。まぁビートルズ・ファンなら誰しも一度はトライしたことがあるのかもしれないが、その時は曲を削る作業が辛すぎてすぐにやめてしまった。名曲名演目白押しのホワイトアルバムから数曲ならまだしも、収録曲の半分を削らねばならないというのは拷問に近い。
実際ポールもアンソロジーのビデオで “ヴァラエティに富んでいて良いアルバムだよ。不満だという奴もいるだろうが、ビートルズのアルバムだ。黙れってんだ!(←この Shut up! の言い方好き...)” と言っているし、私が見たフォーラムにも “ビートルズのアルバムから曲を削る遊びなんて冒涜だ!” という頭の固いファンが乱入してきてちょっとしたカオス状態になっていた。
しかし視点を変えて考えてみると、これはこれでその人のビートルズ観が如実に表れて中々面白い企画だと思うのだ。そう言えばこのブログでもかなり昔に “自家製ダブル・ファンタジー” というのをやったことがあるが、プロデューサー気分が味わえて結構楽しかった記憶がある。
というワケで、今週はお盆休みでヒマだったこともあり、ジョージ・マーティンになったつもりで “White Album Challenge” に再チャレンジ... 自分の好み丸出しで取捨選択し、「ホワイト」を再構築してみた。コンセプトはズバリ、多様性よりもロックンロール性を重視した、“鋭く尖ったホワイト・アルバム” だ。
"It's great, it sold, it's the bloody Beatles' 'White Album, shut up!"
まずオリジナルのA面からだが、最初の4曲「Back in the U.S.S.R.」「Dear Prudence」「Glass Onion」「Ob-La-Di, Ob-La-Da」は絶対に外せない。「Wild Honey Pie」は “大仁田~♪” の空耳ソングと割り切って楽しんでいるが、曲としてどうかと言われると迷わず外すの一択だ。「The Continuing Story of Bungalow Bill」は曲も演奏も好きなのだが、大嫌いなヨーコの声が入っている時点で即アウト。「Birthday」のようにコーラス隊の一人としてならまだ無視できるが、単独であの声を聞いただけでブツブツが出る。自分で言うのも何だが、私のヨーコ・アレルギーは筋金入りだ。Aラスの2曲「While My Guitar Gently Weeps」と「Happiness is a Warm Gun」の入ってないホワイトアルバムはホワイトアルバムではない(と思う)。
オリジナルのB面は結構難しい選択を強いられた。「Martha My Dear」はポールならではの名曲だと思うのだが、出来るだけロックンロール色を強めるというコンセプトなので典雅なこの曲は泣く泣くカット。「I'm so tired」「Blackbird」「Rocky Raccoon」の3曲は個人的に好きな曲なので外せない。ジョージの「Piggies」とリンゴの「Don't Pass Me By」は曲のインパクトとして相対的にちょっと弱いと思うのでカット。「Why don't we do it in the road?」は初心者の頃は “何じゃこりゃ?” だったが、何度も聴くうちに次曲「I Will」とのセットで聴いてその良さがわかるようになったのでめでたく当選。ホワイトアルバムは曲の配置が絶妙だという事実を今回の “チャレンジ” を通して再認識させられた。「Julia」は名バラッドだとは思うが、歌詞の中の “Ocean child” がどうしても受け入れられないのでカットさせてもらう。
B面同様に悩んだのがオリジナルのC面だ。ロックンロール重視のコンセプトから「Birthday」「Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey」「Helter Skelter」の3曲は余裕で当確。ヘヴィーな「Yer Blues」も外せない。「Sexy Sadie」は他の曲に比べるとやや弱い感じがするのでカット。「Mother Nature's Son」と「Long, Long, Long」の2曲に関しては、前者はアコースティック色が強くて「Blackbird」とキャラが被るし後者はメロディー・ラインは気に入っているのだがいかんせん音が脆弱すぎるという理由から、断腸の思いで外すことにした。う~ん、辛い...(*_*)
オリジナルのD面は結果としてはジョージの「Savoy Truffle」だけになってしまった。ポールの「Honey Pie」もジョンの「Cry Baby Cry」もリンゴの「Good Night」もみんながみんな捨て難い佳曲なのだが、上記のコンセプトからやや外れるので涙を呑んでカット。上記の「Mother Nature's Son」や「Long, Long, Long」あたりと併せてアンプラグド・アルバムを作ってみるのも面白そうだが、それはまた別の話。「Revolution 1」はちょっと迷ったが、この曲に関してはロック魂溢れるシングル・ヴァージョンの方が圧倒的に優れているので(←こっちを入れれたら最強のホワイトアルバムが完成すると思うが、反則っぽいので断念...)今回はカット。「Revolution 9」は論ずるにも値しない。ということで選んだ16曲のうち、ポール8曲ジョン6曲ジョージ2曲という内訳になった。ごめんね、リンゴ。
さて、次なる問題は曲の配置だ。これには選曲以上に頭を悩まされたのだが、幸いなことにオリジナルの曲の流れが絶妙なので、できるだけそれを活用するような形(A①⇒④、A⑤⇒⑥、A⑦⇒⑧、B⑤⇒⑥)で、何通りものシミュレーションを比較検討した結果、最終的に以下のような形に落ち着いた。
【自家製1枚組 WHITE ALBUM】
A 1. Back in the U.S.S.R.
2. Dear Prudence
3. Glass Onion
4. Ob-La-Di, Ob-La-Da
5. Why don't we do it in the road?
6. I Will
7. While My Guitar Gently Weeps
8. Happiness is a Warm Gun
B 1. Birthday
2. Everybody's Got Something to Hide Except Me And My Monkey
3. Rocky Raccoon
4. Savoy Truffle
5. I'm so tired
6. Blackbird
7. Yer Blues
8. Helter Skelter
A面は新鮮味がないというかベタな曲配置になってしまったが、私が拘ったのはB面のアタマ2曲とラスト2曲で、このインパクトはロックンロール・バンドとしての面目躍如たるものがあるのではないかと思っている。リンゴの優しい子守唄ではなく “I've got blisters on my fingers!!!(手にマメができちまったぜ!)” という叫び声で終わるホワイトアルバムっていうのが私らしい。
まぁこれも所詮はダイジェスト版というか、楽チン格安パックツアーみたいなものなので、ホワイトアルバムはアナログ・レコードの片面ずつをオリジナル・フォーマットでそのヴァラエティーに富んだ楽曲の配置の妙をじっくりと味わいながら聴く(→もちろん「Revolution 9」は飛ばすけど...)のがベストだと思うが、今回この “チャレンジ” をやってみて、これまで以上にホワイトアルバムに対する理解が深まったような気がした。みなさんも一度やってみてはどうですか?