shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Dig It」の思い出

2021-12-19 | The Beatles
 私は中学に入ってすぐビートルズと出会い、彼らの曲の歌詞を通じて英語を学んだ人間である。学校で習うワケのわからん文法やら何やらは気にせずに(←私の世代はみんな “クジラが魚でないのは馬が魚でないのと同じ” とかいうアホみたいな英語を覚えさせられたトラウマがあるでしょ?)、とにかく彼らの歌や映画、インタビューを何度も何度も聴いているうちに何となく英語がわかるようになったのだ。当時の私にとっての教科書的存在がビートルズ国内盤(主にEAS-で始まる国旗帯)に付いていた歌詞カードで、学校の勉強そっちのけで歌詞と対訳を徹底的に読み込み、来る日も来る日も歌詞カードを見ながらビートルズを聴いていた。
 十代前半の頃の私は今と違って疑うということを知らない世間知らずのおバカさんだったので歌詞カードは絶対に正しいものだと信じ切っていたのだが、そんな私が最初に “あれ、ちょっと変やぞ???” と思ったのが「yestderday」の “Love was such on easy game to play” という部分で、当時まだ中学生だった私ですら “何でsuchの次に前置詞onが来るんやろ?” と納得がいかなかった。
 そしてそんな私の疑念が更に大きくなったのがアルバム「Hey Jude」収録のB④「The Ballad Of John And Yoko」の歌詞で、“死んでしまったらあの世に持って行けるのは魂だけ...” のラインに続いて歌詞カードには “Sing” と書いてあったが、ビートルズ復活祭(←懐かしい!!!)の時に見たプロモ・ビデオにはハッキリと “Think” という文字が映し出されており、“歌詞カード間違うとるやんけ...” と東芝EMIの仕事に対して大いなる不信感を抱いたのだった。
 他にも「Maxwell's Silver Hammer」の “B.C.31”(←紀元前かよ!)は “P.C 31”(←これって巡査 Police Constable やろ!)だし、“studied by the physical, sign in the home” という意味不明の文章も “studied pataphysical science in the home” だ。しかし数ある歌詞カード間違いの中で群を抜いて私の印象に残っているのが他でもない「Dig It」だ。
 実はこの文章を書こうと思ったきっかけが最近毎日観ている映画「Get Back」の1/24(金)セッションにおける同曲のエンディングで(2:13:32)、ジョンが例の裏声で That was “Can You Dig It?” by Georgie Wood, and now we'd like to do “Hark, the Angels Come.” (ジョージ-・ウッドの「キャン・ユー・ディグ・イット」でした。次は「聞け、天使が来る」です。) と言ってるのを聞いて、国内盤歌詞カードの笑える聞き取り間違いを思い出したからだ。
 その歌詞カードには、That was come here, dig it. By George, he wouldn't. And now we'd like to do “Hark, the Angel's come.”(さあ、始めようぜ! ジョージがやらないっていうんで、ここらで「ホラ、天使がやってきた」っていうのをやります。)と全くデタラメな聞き取り歌詞と訳が載っていた(笑)  当時の私は映画「Let It Be」での例のポールとジョージの大ゲンカがずーっと頭にあって、“やらないって、ジョージ相当頭にきとるんやなぁ... でもジョージがやってへんのやったらあのギターは誰が弾いとるんや?” などと頓珍漢なことを考えていたのが今となっては懐かしい思い出だ。それにしても That was come here とか Angel's come とか、今どき高校生でもやらんレベルの文法破壊やな...(笑)
 それと「Dig It」絡みでもうひとつ、歌詞カードには FBI、CIA、BBCに続いてPBKという聞いたこともない略語があり、対訳も “BBCやPBKやドリスデイみたいに” としれーっと誤魔化してあるのだが、その箇所をよくよく聞いてみると何のことはない B.B.King だった(笑) 対訳は山本安見という人で(←洋楽訳者のくせに B.B. King も知らんのかい!)、私がビートルズを聴き始めた頃はこの人の訳詞が大半を占めていた気がするのだが、こんなエエ加減な仕事でお金がもらえるって、ホンマに大らかな時代やってんなぁと呆れてしまう。まぁ今となっては面白いお笑いネタを提供してくれてるということで良しとしよう(笑)
 最後に「Get Back」関連の耳寄りな情報を... この映画がディスク化されるまで半年か1年かかると思うのだが、半年で6,000円、1年で12,000円もディズニーに課金するのは嫌なので何とかパソコンにダウンロードできないか色々研究して、StreamFABというのを見つけた。このソフトの利点は3本まで無料でお試しできることで、ちょうど「Get Back」3話を丸々パソコンに取り込めることになる。
 早速試してみたところ、実に簡単に3話ともダウンロードできて大喜びしたのだが、ひとつ重大なミスを犯してしまった。音声の選択で何も考えずに Englishを選んだつもりだったのに、再生してみると目の不自由な人用の英語音声解説が入っててビックリ。よくよく見るとEnglish音声には2種類あって、私は English (Audio Description)っていうアカンやつ(←こっちがデフォルトに設定されてる...)を選択していた模様。もし試される方は気をつけてシンプルに“English” っていう方を選んで下さい。それと、再生する場合にWindows Media Playerでは日本語字幕が出ない場合があるので、そんな時は VLC Player っていう再生ソフトを使うと字幕が見れます(←ちょっと文字化けするけど...)。
 結局私は別のパソコンを使って何とかダウンロードに成功。1ヶ月間「Get Back」を堪能したし、12/24でディズニープラスを退会してディスク発売まで何とかこれで乗り切ろうと思っていた矢先、ディズニーは新たにこんなの↓をブッ込んできやがった。う~ん、参った... もう1ヶ月延長決定やな。
「マッカートニー3,2,1」|予告編|Disney+ (ディズニープラス)


※ディズニー・プラスのようなストリーミング放送をDLするソフトをいくつか見つけて試してみたが、上手く機能しなかったり、1080ピクセル保証と謳っておきながら実際は720ピクセルだったり、有料コースは解約手続きが複雑すぎて勝手に課金されそうになったりとか、詐欺まがいのサイトも多いので(→FlvtoのMySrreamとか結構悪質...)絶対に無料お試しだけにしておくのがいいと思う。