shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Let It Be」ペルー盤 2種聴き比べ

2021-12-10 | The Beatles
 私はここのところずーっと「Get Back」祭り状態で、「Let It Be」の各国盤を取っ替え引っ替え聴きまくっている。特に今年になってから手に入れた盤はそれぞれ個性的な音がして面白いので、これはぜひともSさんと一緒に楽しもうと思い、とりあえずペルー盤とイスラエル盤の2枚をB-SELSへと持って行った。
 お店に着いて壁に飾ってあるレコードを見ていたらたまたまそこに同じペルー盤の「Let It Be」が飾ってあった。“この店はホンマに何でもあるなぁ...”と感心しながらレコードを見ていた時、ジャケットがコーティングしてあることに気が付いた。あれ?ペルーの「Let It Be」ってコーティングしてたっけ?と不思議に思いながら自分のレコードを確認するとやはりノン・コーティングのザラザラ・ジャケである。
 “これってひょっとしてプレス時期がちゃうのんか?” と好奇心を抱いた私は “ペルー vs イスラエル” という当初の予定を変更し、ペルー盤の 1stプレスと2ndプレスの聴き比べをさせてもらうことにした。

 私:今日は私が持ってきたペルー盤「Let It Be」とあそこに飾ってあるヤツを聴き比べたいんですけどいいですか?
 Sさん:いいですよ。(私の差し出したレコードを細かくチェックして)あれ? これ独自カットじゃないですか。ウチのはUKマザーの3Uですよ。
 私:そうなんですか。UKマザーと独自カットの両方出てるというのはインドと同じパターンですね。
 Sさん:いやぁ、ペルー盤の「Let It Be」に独自カットがあるとは知りませんでした。
 私:面白そうですね。確かにデッドワックスの幅も違いますね。じゃあ音を聴かせて下さい。
 Sさん:(2枚のA①「Two Of Us」を聴き比べて)いいですね。独自カットはやっぱり音が違いますね。
 私:個性ありますよね。でもマト3Uの方が安心安定の音という感じがします。
 Sさん:(A面の他の曲も聴き終えて)A面に関しては3Uの方がダイナミックに聞こえます。
 私:そうですね。じゃあB面いきましょか。
 Sさん:(独自カットののB①「I’ve Got A Feeling」を聴いて)独自カットのB面は良いですね。これは素晴らしい!
 私:強烈ですね。でもこれってB面全体が良いのか、それともカッティングとルーフトップ曲との相性がたまたま良かったのか、どっちなんでしょうね?、
 Sさん:(B③「The Long And Winding Road」を聴きながら)この曲ではちょっと繊細さに欠けますね。ペルーの独自カットはきっと曲との相性の合う合わんが大きいんでしょう。
 私:こうやって聴いてくると、独自カットの方は出来不出来にバラツキがありますね。
 Sさん:B④「For You Blue」もB⑤「Get Back」も同じで、ガツン!とくるパートが得意で、繊細なパートは苦手ですよね。全体を通して聴いたらUKマザー盤の方が安定してるんですけど、逆に言うとそのあたりが独自カットの面白さでもあるんですよね。
 私:それにしてもカッティングと曲の相性って結構デカいですね。
Sさん:独自カットってホンマに色々あるんですよ。例えばブラジルのモノラル盤「Let It Be」ですけど、マトに枝番の付いてるヤツと付いてないヤツがあって、付いてない方が明らかに音が良かったんです。ほら、前ここで聴かせていただいたヤツ。枝番付きの方は再発やと思います。
 私:へぇ~、それは全然知りませんでしたわ。各国盤なんて普通はみんな1種類しか買いませんから、当たり盤をつかむかハズレ盤をつかむかで天国と地獄ほどの違いがありますね。
 Sさん:ハハハ...
 私:でも各国盤でプレス違いまでいっちゃうと、もう底なし沼ですよ(笑)