shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

各国盤頂上決戦③「The Game」

2021-07-25 | Queen
 私の場合、ビートルズ、ゼップとくれば次は当然クイーンだ。クイーンのインド盤とウルグアイ盤は色々と出ていて割と簡単に手に入ったのだが、トルコ盤に関しては私が調べた限りでは「The Game」しか出ていない。ということでインド盤、ウルグアイ盤、トルコ盤の三つ巴聴き比べ第3弾はクイーンの「The Game」でいきます。

①インド盤1stプレス
 インド盤の「The Game」には白地レーベルに文字だけというシンプルなデザインの盤と赤地レーベルにHis Master's Voiceのニッパー犬が描かれている盤の2種類のヴァージョンがあってネットで色々調べてみてもどちらが1stプレスかわからず、単価が安かったこともあって結局両方買ってみたのだが、UK初版と同じフォイル(銀箔)スリーヴを使っていてスタンパーの若い白レーベル盤(←1桁でした!)の方がどうやらインドの初版のようだ。
 実際に聴いてみるとこれがもう文句ナシの高音質(^o^)丿  音圧が高くて音のキレも素晴らしく、めちゃくちゃ鮮度の高い音が楽しめるのだ。例えばA②「Dragon Attack」なんかもう元気溌剌という感じで、調子に乗ってアンプのヴォリュームを上げていくと各楽器が乱舞しているかのような錯覚に襲われるほど。とにかく音が生々しいのだ。A④「Need Your Loving Tonight」もキレッキレで、そのドライヴ感に圧倒されること間違いなし。インド盤1stプレスがUKオリジナル盤とは又一味違った良い音で鳴るというのはビートルズで何度も体験したが、この「The Game」もその例に漏れない超高音質盤だった。

②インド盤2ndプレス
 ニッパー犬の赤レーベル盤はジャケットそのものの作りもインド盤2ndプレスによくある簡素なものだが、マトは1stプレスと同じものであり、私が手に入れた盤の音溝の状態がめちゃくちゃ良かったせいかもしれないが、1stプレス盤と遜色ないパワフルでエネルギー感に満ちたサウンドで鳴ってくれる。ビートルズではインド盤の2ndプレスにはハズレも少なくなかったが、少なくともクイーンのこのレコードに関する限りはプレス時期云々よりも音溝の状態の良い盤を選びさえすればめちゃくちゃ良い音が聴けるのではないかと思う。

③ウルグアイ盤
 ウルグアイ盤もインド盤と同じくUKともUSとも違う独自マトで、A①「Play The Game」からいきなりウルグアイならではの太~い音を聴かせてくれる。音場は雄大そのもので、聴く者を温かく包み込むようなそのサウンドが曲想とベスト・マッチ。いやぁ、これはたまりませんわ...(^.^) 特に中間部のギター・ソロはチューブ・カッティングならではの温かみのある野太い音で、ブライアンのレッド・スペシャルがこれほど甘~い音で鳴るのを私は聴いたことがない。ジョンのベースがゴムまりのように弾むA⑤「Crazy Little Thing Called Love」は実に気持ち良いし、ロジャーの爆裂ドラミングの一打一打が腹に来るB④「Coming Soon」もたまらんたまらん。有無を言わさぬド迫力で圧倒するインド盤に対し、個々の楽器の音色で聴かせるウルグアイ盤という按配だ。

④トルコ盤
 最後はポール、ゼップと素晴らしい音を聴かせてくれたトルコ盤だ。これまでに買ったトルコ盤がみんな良い音していたのでこのクイーン盤もさぞかし凄い音を聴かせてくれるんやろなぁと思いながら期待に胸を膨らませてレコードに針を落としたところ、スピーカーから出てきたのはこちらの予想とは裏腹のショボい音でガッカリ(*_*)  低音がどうとか高音の伸びがこうとかいう以前の、その埃っぽいヘタレな音は “ホンマにこれがトルコ盤???” と疑いたくなるほどの情けなさで、今年買ったレコードの中ではぶっちぎりのワースト1。こんなん聴くぐらいやったらまだ日本盤でも聴いてる方が遥かにマシだ。
 音そのものもダメだが何よりも許せなかったのはアルバムのラストを飾るクイーン屈指の名バラッドB⑤「Save Me」のエンディングのピアノの途中でフェイドアウトしてしまうこと。アルバムのラストであのピアノの余韻に気持ち良く浸ろうと思っているといきなりバッサリ急速フェイドアウトである。何たる暴挙!!! このMaxというレーベル自体怪しさがハンパないが、何にせよ、このレコードは論ずるに値しないガッカリ盤だった。