shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

各国盤頂上決戦①「Give My Regards To Broad Street」

2021-07-11 | Paul McCartney
 私はこれまでで色んな国のレコードを手に入れてその日の気分で取っ替え引っ替え楽しんできたが、おかげでそれぞれの国の音作りの傾向みたいなものが何となくわかってきた。大雑把に言うと、オリジナル盤以外で私の音の好みに一番近いのはウルグアイ盤とトルコ盤で、それに時々インド盤が加わる(インドってホンマに当たり外れが激しいんですわ...)という感じ。ある時ふと、ウルグアイ盤とトルコ盤の頂上対決をやってみたら面白いんじゃないかと思いつき、Sさんに提案してみたところ快諾を得たので早速「Give My Regards To Broad Street」を抱えて土砂降りの雨の中をB-SELSへ直行。インド盤も含めたウルグアイvsトルコvsインドの三つ巴戦をやってみた。

 私:今日はポールの「ブロード・ストリート」をウルグアイ、トルコ、インドの三つ巴戦で聴き比べしましょう。何曲か選んで、曲ごとに比較するんです。
 Sさん:面白そうですね。早速聴きましょう。
 私:じゃあウルグアイからいきますか。A①「No More Lonely Nights」お願いします。
 Sさん:良いですねぇ... さすがはウルグアイです。
 私:これこれ、この音作り... めっちゃ好きな音です。じゃあ次インド...
 Sさん:これは独自カットですかね... (と言いながらお店のUK盤を持ってきてマトを見比べ)やっぱり全然違う...
 私:これは普通かな... 大きな欠点もないけど、かと言って面白みもない平凡な音に思えます。じゃあ最後にトルコお願いします。
 Sさん:おぉ、やっぱりトルコは素晴らしいですね。
 私:3枚の中でトルコが一番音圧高かったですね。ヴォーカルの表現力が素晴らしいですよ、これ。
 Sさん:ウルグアイはちょっと音圧が低かったですが、ヴォリューム上げたらエエ音してましたね。
 私:インドはこの3枚の中では一番普通に聞こえましたね。
 Sさん:よく言えば一番馴染みのある音とも言えますけど...
 私:トルコは最初の音聴いただけで違いが判りましたね。次はどの曲いきますか?
 Sさん: じゃあB②「Not Such A Bad Boy」をウルグアイで。
 私:ヴォリューム上げて聴くウルグアイはやっぱり良いですね。盤質がイマイチなのがちょっと難点ですが... ウルグアイ盤でキレイなの中々無いんですよ。
 Sさん:次、インドいきますね... これ、迫力はそれなりに出てますけど、音の広がりはウルグアイの方が断然良かったですね。
 私:インドは音が平面的なのに対し、ウルグアイは立体的というか、とにかくダイナミックですよね。じゃあ次トルコお願いします。
 Sさん:コレは凄いですねぇ...
 私:さすがの一言に尽きます。圧倒的ですよ。トルコやりよるなぁ... (≧▽≦)
 Sさん:マトのエエ加減な字の書き方もトルコらしい...(笑)
 私:それにしても「ブロード・ストリート」のトルコ盤なんて誰も目もくれんでしょうね... こんなに音が良いのに勿体ない...
 Sさん:しかも良い曲一杯入ってるのにねぇ...
 私:次の曲は?
 Sさん:B⑦「The Long And Winding Road」です。ウルグアイいきますね。
 私:いやぁ、これは立派なモンですね。
 Sさん:良いですねぇ。曲が良いのはもちろんですけど、この音は泣かせますね。
 私:次はインドですね... う~ん、先の2曲と同じで決して悪くはないんだけれど、ウルグアイやトルコに比べると何かが足りない...
 Sさん:音の厚みでウルグアイに負けてますね。
 私:何かこう、心を鷲づかみにするような要素に欠けてるんですよ。
 Sさん:ウルグアイは期待を裏切りませんね。じゃあ最後にトルコ...
 私:うわぁ、凄い! この3枚ではトルコが完全にアタマ一つ抜けてますね。
 Sさん:ウルグアイもすごく良かったですけど、上には上がおるっていうことですね。

とまぁこんなやり取りをしているとお店にお客さんが入ってこられた。その方はしばらくエサ箱を漁っておられたが、私とSさん同様にこのトルコ盤の「ワインディング・ロード」の音にいたく感心されたご様子で(←エサ箱を漁ってる時って何故かお店のスピーカーに耳がいってしまって目の前の盤に集中できないことが多くないですか...)、レコードを探す手を止めて “良い音してますねぇ!” と仰った。良い音というのは人それぞれの好みだが、このトルコ盤の音には万人の胸を打つような何かが宿っているように思えた。