shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Imagine」のインド盤3種聴き比べ①

2019-06-03 | John Lennon
 ジョン・レノン「Imagine」のインド盤といえば、ビートルズの各国盤コレクターならカッと熱くなる珍盤である。例のガイド本「アナログ・ミステリー・ツアー」の中に “インド盤の奥深い世界” というコラムがあって、そこで “レーベルのジョンの顔の人相が悪くなっているが、そんな見かけに反して音は大変に良い。インド盤の特徴である真空管カッティングの効果からか、アンビエンスの出方が他の国のプレスとは全く異なる。” と紹介されているのだ。コレを読んで “聴いてみたいな...” と思わなければビートルズ・ファンではない。
 ちょうどビートルズ・ソロの各国盤蒐集が面白くなってきたところだったので、私はこのインド盤「Imagine」を手に入れてやろうと決意。早速 Discogsで調べてみたのだが、そこでとんでもないことが判明した。何とこのレコードにはマトリクス№の組み合わせが何種類も存在し、しかもそれぞれレーベル・デザインが異なっているのだ。もちろんどれが1stプレスなのか、はたまたどれの一番音が良いのか全く分からない(>_<)
 私はとりあえずローカル・リカットされたマト末尾 “T1” の盤で盤質の良さそうなのを1枚オーダーして聴いてみることにした。本で紹介されたとはいえ、ソロ作品にまで手を伸ばそうという人はそれほどいないらしく、価格設定も全体的に低めで、たったの €5.99 で買うことができた。
 届いたレコードは60年代のインド盤とは違って分厚いカードボード・スリーヴに入っており、表ジャケは印刷の不具合か、インクの色が薄い。センター・レーベルは本に書いてあったようにジョンの人相が少し悪くなっている。う~ん、やっぱりインド盤は色々と面白い(^.^)  盤はずっしりと重く、デッドワックスに刻まれているマトは「-1U / -??T1」(←?? の部分は Ri に見えるのだが、字が潰れていてよく分からない...)で、更にA面にのみ手書きで「PORKY」と彫ってある。DiscogsではB面「PECKO」となっているが、私のレコードにはペコのペの字も無い。
 で、肝心の音の方だが、A面を聴き始めてビックリ(゜o゜)  めちゃくちゃ良い音ではないか! ラウドカットかと思わせるような音圧の高さもあるが、どの曲も1つ1つの楽器の音に温かみを感じるし、正直言って音質がどーのこーのと分析するのがアホらしくなるぐらい音楽に引き込まれてしまうのだ。A①「Imagine」なんかもう天上の世界のような美しさを湛えているし、A②「Crippled Inside」のダイナミック・レンジの広さやA③「Jealous Guy」の音の響きの素晴らしさも特筆モノ。“コレってひょっとすると UK盤よりエエんちゃうか?” と直感した私は B面に行く前に手持ちの UK 1stプレス(マト末尾1U)盤と聴き比べてみたところ、同じ「1U」「PORKY」なのにインド盤の音の方に魅了されたのだ。これはエライコッチャである。
 私は小躍りしながら再び盤をインド盤に取り替えて今度はB面を聴き始めたのだが、何たることか A面の魔法が消え去ってしまったかのようなガサツな音でビックリ(゜o゜)  音圧は高いものの、音場が狭いのが致命的で、例えるならゴミゴミしたインドの街中のようなむさくるしい音とでも言えばいいのか、とにかくデリカシーに欠ける音である。B③「How Do You Sleep」に至っては過大入力なのか音がビリつくような感じでガッカリ(>_<) 思わず盤に埃が付いているんじゃないかと確認したぐらいだ。A面とのこの落差は一体何なのだ? 念のため木工用ボンド・パックでクリーニングしてみたが全く変わらずで、万策尽きた私はいつものように “困った時の B-SELS頼み” ということで、この盤を Sさんに一緒に聴いてもらうことにした。
(つづく)