shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ビートルズのデンマーク盤特集②

2016-12-11 | The Beatles
 お試しセットとして買った4枚のレコードを聴いてデンマーク・プレス盤の音がすっかり気に入った私は他のアルバムも欲しくなって(←いつもの悪いパターン...)デンマーク盤のディスコグラフィーのようなものをネットで探してみたのだが残念ながら見つからない。どうやらデンマークというのはビートルズ各国盤の中でもかなりマイナーな存在のようだ。
 ディスコグラフィーが無いのなら自分で調べるしかないわいとpopsikeで "Beatles Danish LP" を検索して過去10年間に亘るデータを基に自家製ディスコグラフィーを作ってみた。私の調査によると、デンマークのモノラル盤は「プリーズ・プリーズ・ミー」から「リヴォルヴァー」までで、「サージェント・ペパーズ」以降の盤にモノ盤は存在せず、一方ステレオ盤のリリースは「ビートルズ・フォー・セール」からで、初期3枚のステレオ盤の存在は確認できなかった。
 センター・レーベルに関しては、「プリーズ・プリーズ・ミー」から「ハード・デイズ・ナイト」までが 8 star "shadowed" Parlophone、「フォー・セール」から「サージェント・ペパーズ」までが unboxed Parlophone、そして「ホワイト・アルバム」から「レット・イット・ビー」までが dark green Apple のようだ。
 大雑把ではあるが何とか全体像がつかめたので早速eBayで検索を開始、予算は1枚につき5,000円以内だ。まず最初に網にかかったのが「リヴォルヴァー」のステレオ盤で、珍しいことにアメリカのセラーが出している。ビートルズのデンマーク盤の9割以上が地元デンマークかイギリスのセラーの出品だからだ。スタート価格は$9.99で結局ライバル2人という低競争率のおかげもあって$15.50で落札。ビッドが集中するUK盤とは違い、マイナーなデンマーク盤は取るのがラクだ。
 ジャケットはUK盤と同じものを流用しているが盤の方は161gとUK盤よりも更に6g重い。マトリクスは -1/-1 でUK初回盤と同じマザーを使用していることもあって音が良いのは当たり前なのだが、このレコードは盤質がNMなこともあって、ほぼノイズレスの高音質で「リヴォルヴァー」を堪能できるのが何よりも嬉しい。
 次に手に入れたのが「フォー・セール」のモノ盤だ。デンマーク盤では何故かこのレコードだけセンター・レーベルが紫色で(←ステレオ盤は黒色らしいが私は持ってない...)重量は166gと重い。しかし私が入手した盤はマトが-4N/-3Nなせいか(←UK初版は-3N/-3N)、それとも状態がイマイチのVG盤だったせいかは分からないが、UK盤と比べるとイマイチ音がシャキッとしない。特にUK盤の「アイル・フォロー・ザ・サン」が3次元的にリアルな響きを聞かせるのに対し、このDK盤では平面的にしか聞こえないのが残念だ。まぁ全部が全部当たりというワケにはいかないのがアナログ・レコードの奥の深さなのだろう。
 「イエロー・サブマリン」はA面しか聴かない(でしょ?)ので取るかどうか一瞬迷ったが、手持ちのUK盤が "Sold in UK" リマーク無しのセカンド・プレス盤(マトは -3/-1)ということもあってマト -1/-1 のデンマーク盤と聴き比べてみたいと思い BUY IT NOW で購入。€16でピカピカ盤をゲットしたのだが、私にとっては大好きな「ヘイ・ブルドッグ」1曲だけでも何千円も払う価値は十分あるのだ。
 聴いてみた感想としてはとにかく音が良くてビックリ(゜o゜)  盤質がほぼミント状態ということもあるのかもしれないが、とにかくシャープ&クリスプな音で、「オール・トゥゲザー・ナウ」のアコギの生々しさにはゾクゾクさせられたし、「ヘイ・ブルドッグ」の有無を言わせぬへヴィネスなんかもう圧巻の一言(≧▽≦)  UKセカンド・プレス盤の音がややハイ上がりなのに対し、こちらのDKプレス盤の方は音のバランスも最高だ。買う前は迷ったが、コレは買って大正解だった(^.^)
 €26で買った「アビー・ロード」(マト-2/-1)は商品説明に "play as new" とあったので届くのが待ちきれないほど楽しみだったが、届いた盤を実際に手に取ってみると傷一つないピカピカ盤で、上記の「イエサブ」同様にノイズの無い素晴らしい音がスピーカーから飛び出してくる。一言で言うなら“豊潤な音” という表現がピッタリで、「カム・トゥゲザー」のベースなんてもう大地を揺るがさんばかりにズンズン響いてくるし、「オー・ダーリン」ではポールがヴォーカルだけでなく闊達なベースでもメロディストぶりを発揮、まさに“楽器を通して歌を歌う” という天才ぶりを存分に発揮しているのがハッキリと聞き取れる。「ヒア・カムズ・ザ・サン」のギターの美しさには耳が吸い付くし、「ジ・エンド」のギター・バトルも高音質なせいか実にグルーヴィーに聞こえ、“楽器奏者としてのビートルズ” を思う存分堪能できるのだ。やっぱりDK盤って凄いわ...(^.^)