shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

B'z The Best XXV 1988-1998 (Pt. 2)

2013-06-25 | B'z
 今日は「B'z The Best XXV」白盤の続編で、1995年から1998年までの、私がリアルタイムで B'z を聴き始めた頃の思い出に残る5曲です。

①LOVE PHANTOM
 B'z のベスト盤は名曲名演の宝庫だが、そんな中で私が彼らの最高傑作と信じて疑わないのがこの「LOVE PHANTOM」だ。荘厳なストリングスが奏でるイントロから一転してデジタル・ビートに乗って疾走感溢れる B'z流ハード・ポップ・ロックが炸裂、稲さんの語りや元Mi-Keの宇徳敬子による囁きヴォーカル“そして私はつぶされる...♪” を織り込みながらありとあらゆるポップ・エッセンスを詰め込んでハイ・テンションを保ちつつ一気呵成に駆け抜ける様は圧巻の一言に尽きる。彼らの曲の人気投票で常にトップ3に入るこの曲は、私的にはB'z史上、いや、邦楽史上屈指の大名曲なのだ。それと、忘れてならないのがこの曲のミュージック・ビデオで、ヴァンパイアに扮した稲さんが曲のクライマックスでステージ・セットの一番上からダイヴするという設定のパフォーマンス(←松ちゃんがギターの先端からレーザー光線を出して数十メートル上にいる稲さんを照らすところもいい...)は何度見てもスリリング(≧▽≦) 特に「渚園ライヴ」DVDで「ラブファン」~「ZERO」へと続く流れは鳥肌モノのカッコ良さだ。尚、松ちゃんはフル・オーケストラとコラボした2004年リリースのソロ・アルバム「House Of Strings」でもこの曲を取り上げており、B'z とは又違ったアレンジ・解釈でオーケストラのド迫力サウンドをバックに弾きまくるギターが堪能できる素晴らしい作品になっている。
【MAD】LOVE PHANTOM / B'z

Tak Matsumoto with Orchestra - LOVE PHANTOM


②FIREBALL
 シングル「LOVE PHANTOM」と同曲を含むトリプル・ミリオン・セラー・アルバム「LOOSE」で行きつくところまで行ってしまった感のあるB'z が、自らの出自であるハードロック色を前面に打ち出して新たな可能性を切り開いた記念すべきシングルがこの「FIREBALL」だ。前年にゼップのサウンド・エンジニアとして有名なアンディ・ジョーンズをプロデューサーに迎え、大胆不敵なハイトーン・ヴォーカルとAC/DCばりの徹底したリフ攻撃に痺れる全英詞(!)シングル「Real Thing Shakes」をヒット・チャート1位に送り込んだのも前人未到の偉業だが、その約1年後にリリースされたこの「FIREBALL」では “No Synthesizer & Computer Used” というクレジットが示す通りの “完全生音” バンド・サウンド(←ドロドロ感に満ちたうねるようなグルーヴが圧巻!)で日本語詞のハードロックを演っているのだから、彼らがアーティストとしての次のステージへと進んだマイルストーン的な作品と言えるだろう。この曲には資生堂化粧品のタイアップが付いており、歌詞の “魂に火をつけろ~♪” の前に “メェーィク” という稲さんの掛け声を入れて “メイク魂に火をつけろ” という化粧品キャッチ・コピーに仕立て上げた点は実に秀逸(^o^)丿 ラストの “飛んでゆける 空を燃やしながら~♪” での高音シャウトは稲さんにしか出来ない離れ業だ。ミュージック・ビデオも80'sメタル色全開のカッコ良さで(←何てったってヘビメタ・バンドのビデオには “炎” が付き物!)、この手の硬派なロックが大好きな洋楽ファンに超オススメだ。
資生堂ピエヌ CM 1997

B'z / FIREBALL


③Calling
 B'z の曲には2つの異なる楽曲を組み合わせたような “接合型ソング” が結構多く、中には無理やりくっ付けたようなものも無いではないが、この「Calling」はそういった “接合型ソング” の中でも屈指の大傑作。異なるメロディーを持った2つのパートが絶妙にお互いを引き立てあっているという稀有なナンバーだ。私にとって本格的なB'zとの出会いがこの曲であり、彼らに他のJ-POPアーティストには無い “洋楽ロックの薫り” を感じ、それ以来16年間の付き合いのきっかけとなった思い出の1曲なのだ。'97 FIREBALLツアーのアンコールで初披露されたこの曲の原型は中間部のメロウな胸熱バラッド部分のみだったが(←「Hidden Pleasure」DVDに収録)、シングル化するにあたってその前後にAC/DCの「The Furor」みたいなリフと稲さんの “こぉ~の声が聞こえ~るかい♪” の掛け合いが高揚感を生み出すエレクトリック・パート(←隠し味的に使われているアコギが効果抜群!)を付け加えて完成したというキラー・チューンだ。クイーンの「We Will Rock You」にも比肩しうる圧倒的なグルーヴ感に酔いしれていると一転して静謐なピアノの響きが印象的なバラッドへ、そして徐々に盛り上がって行ってクライマックスを迎え、再びイントロのヘヴィーなリフへと戻っていく... このスムーズな転調の妙こそがこの曲の最大の聴き所だろう。歌詞は単なるラヴ・ソングではなくもっと深い人間同士の絆を歌ったもので、聞くところによると稲さんが松ちゃんに宛てたメッセージだという。そう思って聴くと、歌に呼応するかのように挿入されるギターのフレーズが松ちゃんから稲さんへの返答のように思えてくる。
B'z / Calling


④Liar! Liar!
 1997年はまさに私にとってのB'z元年で、「FIREBALL」のCMで知らぬ間に脳内にB'z回路が形成され、「Calling」で彼らのファンになり、そしてこの「Liar! Liar!」で一生彼らについていこうと決めたのだった。つまり私にとっての “運命の1曲” になるのだが、何とあのマーティ・フリードマンもこの曲でB'zにハマったらしく、メガデスのメンバーとして来日してた時にたまたま街でこの曲を耳にして大感激し、すぐにCD屋に走ったという。 “ボクがJ-POPファンになって日本に住み着いたのはこの曲がきっかけ” と公言してはばからないマーティの気持ち、めっちゃわかるなぁ...(^.^)  私にとって、そしてマーティにとって、それほどこの曲は衝撃的だったのだ。これまで “ハードネスとポップさの絶妙なバランス” を追求してきた彼らが “原点回帰” と位置付けたこの曲は、打ち込みデジタル・サウンドが炸裂するイントロから一気にラウド&キャッチーなハードロック・サウンドへなだれ込み、爆発的なエネルギーの奔流を感じさせながら息をもつかせぬ展開でメロディアスに突っ走るという、まさにB'zロックの王道を行くナンバーで、糸を引くような稲さんの粘っこい唱法とハジケまくりの歌詞が見事にマッチしているのが凄い。ニュー・オーリンズで撮影されたミュージック・ビデオはスピード感あふれる映像編集でめっちゃカッコ良いのだが、ワニが出る(!)沼地で松ちゃんがギター・ソロを弾くシーンがあって、この前のYouTube番組のインタビューで “アレは本当に怖かった...” と当時を回想していたのには笑ってしまった。ビデオ撮影も命がけやなぁ...(>_<)
B'z / Liar! Liar!


⑤HOME
 B'zのバラッドには心に響くキラー・チューンが多いが、そんな中でも別格中の別格と言っていいぐらい好きなのがこの「HOME」だ。出だしのアコーディオンの音色からして何かこう心にポッと温かい火がともる様な感じがするし、アーシーな雰囲気漂うアコギが実に良い味を出している。 “鏡をのぞけば~♪” の所で間髪を入れずに “テクマクマヤコォ~ン♪” という稲さんの追っかけコーラスを挿入する遊び心も◎。香港で撮影されたミュージック・ビデオもアジアン・テイスト溢れる仕上がりで、それぞれのシーンが曲とめっちゃ合ってて何度見ても飽きない。とにかく、将棋相手に盤をひっくり返されて一目散に逃げる松ちゃんの迫真の演技(笑)や曲に合わせてミディアム・スロー・テンポで中華鍋を振る稲さんの手さばきなど、見どころ満載なのだ。しかし何と言ってもこの曲が素晴らしいのはその歌詞で、共感できるポイントが一杯あって “ホンマにエエこと言うなぁ... (≧▽≦)” と感心してしまう。そういえば当時付き合ってた彼女とつまらんことでケンカしてお互い意地を張って口もきかなかった時期に、それまで軽く聞き流していた歌詞の “君を傷つけていっぱい泣かせて... 僕はもう眠れなくて... 後悔してるのにまた繰り返す... どうしようもなくダメなんだ~♪” の部分を聴いて自分の心の中を見透かされたような気持ちになり、サビの “言葉ひとつ足りないぐらいで 笑顔ひとつ忘れただけで ほんの少しのすれ違いだけで 全部あきらめてしまうのか 愛されるばかりが能じゃないだろう~♪” で大いに反省して(笑)すぐに彼女に謝りの電話を入れたのを覚えている。この曲に限らず、例えば「ラブファン」の “少しのズレも許せない セコイ人間になってたよ~♪” を聴いて “もっと心の広い人間にならなアカンなぁ...” と思ったりとか、これまで稲さんの書く歌詞のおかげで自分を省みれたことが何度もあった。そういう意味でもB'zは私にとって特別な存在だったし、これからもずっとそうあり続けるだろう。
B'z / HOME

【おまけ】MAD職人さん、GJ!!!
B'z キリンビ-ルCM