shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

SURVIVE / B'z

2010-08-04 | B'z
 1週間のご無沙汰でした。実はパソコンが突然壊れてしもうたんですわ。買うてまだ1年半やというのに何ちゅーへタレ・パソコンや!とにかく液晶がヤラれてしもうては使いモンにならへん(+_+) 一応修理に出してきたけれど、 “お盆を挟むので通常よりも1週間長めに見ておいて下さい” とのこと。オイオイ、お盆を挟むって、まだ8月の初めやのに一体いつまでかかるっちゅーねん?液晶部ってめっちゃ高ぅつくらしいんで、5年保障に入っといたのが不幸中の幸いやけど。ということで Vista 君が退院するまでは引退していた XP 君に復帰してもらって、細々と更新していきます。それにしても YouTube はコマ送り状態やし、反応遅すぎてイライラするわ(>_<)
 愛車の方はもう絶好調で、毎朝このセドナ・レッド嬢で京奈和道をバビュ~ン!しながら通勤しているのだが、前が空いた時にアクセルをガバッと踏み込むと、クオーーーンという乾いたエンジン音と共に矢のように加速していく。その滑らかな吹け上がりは快感の一言で実に気持ちがいい(≧▽≦) 今までの車と一番違うのは高速になればなるほど地面に吸いつくように安定感が増すところで、高速コーナーもまるでミズスマシのように(?)6速全開フラットアウトでイケるのが嬉しい。街中でもストレートでもコーナーでも速い... 今の F1 で言うとレッドブルみたいにオールマイティーな車やね(^o^)丿 でもあんまり調子に乗ってると免許が何枚あっても足りなくなりそうなので自重しなければ...(>_<)
 運転も音楽もスローが苦手で疾走系が大好きな私にとって、ドライヴの BGM として絶対に欠かせないのが B'z である。洋邦・ジャンルを問わず昔の音楽しか聴かない私を、リアルタイムでCDやDVDの発売日が待ちきれずにワクワクさせてくれる殆んど唯一の存在が彼らなのだ。車が変わってただでさえイケイケ・オラオラ気分なところに先週の DVD 発売が重なって、テケテケ→ウクレレに続く祭り状態になっている(^o^)丿
 私が B'z を知ったの1997年夏のこと(←遅い!)、当時ロック/ポップスとジャズ以外のことは何も知らなかった私は周りの話題についていく為に仕方なくTVやラジオで J-Pop を勉強することにした。まぁ大半は小室系の軽薄な使い捨てダンス音楽ばかりで正直ウンザリだったが、ある時耳にした1曲に耳がピタリと吸い付いた。凡百の J-Pop とは明らかに曲の佇まいが違う。1度聴いただけで心をギュッとワシヅカミにされるようなヴォーカルと、美味しいフレーズのアメアラレ攻撃で心憎いほどよく歌うギター、そして何よりも70's~80'sロックのエッセンスを濃縮還元したようなサウンドに完全KO されてしまった。その曲のタイトルは「Calling」、アーティスト名は B'z といった。
 自分がそれまで聴いてきた洋楽ロックと共通する空気を B'z の音楽に感じた私は早速台湾盤のシングル・コンピレーション・ベスト「単曲集」Vol.1 & 2 を購入、大コーフン状態で盛り上がっているところへトドメとばかりにリリースされたのが次のシングル「Liar! Liar!」で、そのバリバリにストレートなロック・サウンドを聴いて私の B'z 熱は決定的となり、その約1ヵ月後に出たこの「SURVIVE」というアルバムも発売日にゲットした。
 音楽的に見て、B'z は前作「LOOSE」で J-Pop アーティストとしては行き着くところまで行ってしまった感があり、このアルバムから次のステップとして “ハードロック・ベースの J-Rock アーティスト” へと大きく舵を切ったように思う。シングルで言うと AC/DC みたいなタテノリ・ロック「Real Thing Shakes」あたりが分水嶺か。その前作「ミエナイチカラ」を “ロック色の強い J-Pop” とすれば、次作「FIREBALL」は“メロディアスなハードロック” といえるぐらいの大きな違いが感じられるのだ。
 このアルバムでも随所にそういったハーロック志向が見受けられるが、それが最も顕著に表れたのが冒頭の①「DEEP KISS」だろう。重量感溢れるドラミングが生み出すリズムに乗って松ちゃんのハード・エッジなギター・リフが轟き渡り、切っ先鋭いナイフのような稲さんのハイトーン・ヴォーカルが炸裂... こんなアグレッシヴなロックはちょっと他では聴けない。とにかくそのハードなサウンドに度肝を抜かれるが、 “しなる鞭のような意地がある~♪” のラインの比喩表現の冴えも見事としか言いようがない。サビのメロディーが「飾りじゃないのよ涙は」に似てるかも?
 ①の余韻に浸る間も与えずに②「スイマーよ」のイントロがスルスルと滑り込んでくる。このように曲間ギャップをつめることによってアルバム全体のスピード感に拍車がかかっており、後の「ultra soul」や「ROCK man」に繋がるこの疾走系チューンの魅力が際立っているように思う。それにしてもライヴでクロールしながら歌う稲さん、何をやっても絵になるなぁ(^・^)
 稲さんにしか歌えない泣きのロッカ・バラッド③「Survive」、アクセルを床までベタ踏みしたくなるカッコ良いロック・シングル④「Liar! Liar!」、90年代初め頃のB’zの薫りを漂わせる⑤「ハピネス」、資生堂化粧品 CM に使われ “メイク魂に火をつけろ~♪” というキャッチコピーと曲想がコワイぐらいに合っていた⑥「FIREBALL」、凹んだ時に元気をくれる⑦「Do me」、歌詞がグッと心に響く⑧「泣いて泣いて泣きやんだら」、稲さんの “ミャオミャオ~♪” が妙に耳に残る⑨「CAT」、歌詞も面白いしイントロの軽快なピアノとその後に続くグルーヴィーな曲想とのギャップもめっちゃ楽しい⑩「だったらあげちゃえよ」、ラス前にひっそり置かれた箸休め的佳曲⑪「Shower」、AC/DC の「Furor」みたいなギター・リフが印象的なロック・パートと稲さんが松ちゃんのことを歌ったという歌詞に涙ちょちょぎれるバラッド・パートを B'z お得意の2曲合体技によって最も美しい形で融合させた⑫「Calling」... すべての曲に顔があり、それらが絶妙な統一感を醸し出している。
 B'z の “ハードロック宣言” ともいえるこのアルバムは過去の B'z のポップな側面のみを溺愛する昔ながらのファンの間では賛否両論だったようだが、そういう人達は彼らの本質のほんのイチブしか分かっていない。B'z は有象無象の J-Pop とは激しく一線を画すロック・ユニットなのだ。「FIREBALL」の歌詞じゃないが、当時オルタナ系が主流だった洋楽ロックに愛想を尽かしてジャズ一辺倒に傾いていた私のロック魂に再び火をつけたこの「SURVIVE」こそが私の B'z 入門盤であり、ここから B'z との長い付き合いが始まったという意味でも忘れられない1枚なのだ。

【B'z】 SURVIVE 店頭用VTR


B'z - Liar!Liar! (LIVE-GYM '99)


B'z Calling