クイーンの日本公演からほぼ1ヶ月が経ってブートレッグの方は一通り出揃った感があるが、今回はライトハウスから出た「Tokyo 2024」と「Sapporo 2024」を取り上げてツアー後半の札幌・東京を総括しようと思う。
①「Tokyo 2024」
まず東京初日の模様を収めたDisc 1だが、観始めてすぐに前々回に取り上げたMOONSHINERレーベルのブルーレイ盤「Tokyo 2024 First Night」と全く同じ映像であることに気付いた。要するにどちらもネット上に公開された映像をパクって商品化しているということだが、先行ブルーレイ盤の短所だった「Don't Stop Me Now」の映像カット部分は巧妙に編集してあり、音声も別録音をシンクロさせるなどして観ていてあまり気にならないようにしてあるあたりはさすがLHという感じ。映像作品としてもコスパの点でもこちらの方が一枚上だ。
東京2日目の Disc 2 は商品説明通りの “ステージ中央を真っ正面に見据えたポジションから撮ったプロショット的なド迫力映像” で、他の多くのブートのような “斜めから目線” ではなくド正面からのクロース・ショットが楽しめるところが凄い。惜しむらくはアレもコレも撮ろうとカメラを動かし過ぎて画面がブレる(or 揺れる)ところ。せっかくプロショット並みの真正面からのドアップ映像が撮れているのだから欲張らずにそのままにしていればいいものを、ズームをいじって引いたり寄ったりを繰り返すので、観ている方としてはライヴに集中できないのだ。この位置からDisc 1の撮影者が撮っていたら100点満点のスーパーウルトラ大傑作映像になったかもしれない。
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【私的評価(Disc 2)】
・画質:9
・音質:8
・カメラワーク:7.5
・総合満足度:8.5
②「Sapporo 2024」
異なる撮影者による2種類の札幌ドーム公演映像を収録したのがこの「Sapporo 2024」だ。Disc 1 は上記「Tokyo 2024」Disc 2 と同じ撮影者で、左側のアリーナ席からのズームによるドアップ映像が楽しめるという長所と、落ち着きのない(笑)カメラワークによる画面の揺れという短所も同じ。まぁ目が慣れてくれば画面の揺れは許容範囲内なので貴重な札幌公演のクロース・ショットが堪能できるメリットの方が大きいと言えるだろう。残念なのは、「Somebody To Love」の後半部がフェードアウトしてしまっていることと、「Bohemian Rhapsody」のイントロが切れていること、そして MCの一部も中途半端にカットされていることだ。ライヴのMCって結構重要だと私は考えているので、「Love Of My Life」前のブライアンのMC “サッポロノ ミナサン コンバンワ! オゲンキデスカ? ホントウネ!” をすっ飛ばしていきなり “ウレシイデス!” では ??? となるし、「Under Pressure」の後、アダムの “Roger Taylor, Ladies and Gentlemen” をカットしていきなり “And Brian May!” はどう考えても変。そのあたりの意味不明なカットがマイナスポイントだ。
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【私的評価】
・画質:8.5
・音質:8
・カメラワーク:7
・総合満足度:8
ディスク2はディスク1とは反対側の右のアリーナ席、おそらく前から2~3列目くらいの激近ポジションからの撮影で、前にいる数人の頭や手の影が映り込んでくる以外は余計なものは一切無いという実に羨ましい映像が楽しめる。そのままでも十分近いのでズームを多用する必要が無いせいか安定した観やすい映像になっており、商品説明にあった “現場の体験感をたっぷり味わえるリアル系の傑作” というのは実に上手い表現だと思った。音声の方も現場のリアル感がヒシヒシと伝わってくるオーディエンス録音で、特に「Love Of My Life」と「Teo Toriatte」の合唱(←ほぼ女性の声オンリーなので耳にやさしい...)は感動的。カットされているのはドラムソロ前のヤング・ロジャー(?)の演奏シーンぐらいで、ほぼライヴ全編をストレスなく楽しめるのも良い。1つの公演を全く性格の違う2種類の映像でカップリングして観る人が好きな方を自由に選べるというこの組み合わせの妙はさすが商売上手な LHと唸るしかなく、LH的には Disc 1 の方を “匠の撮影技で捉えたベスト映像” と持ち上げまくっているが、私的には Disc 2 の方が気に入っている。
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【私的評価】
・画質:9
・音質:9
・カメラワーク:9
・総合満足度:9.5