地場・旬・自給

ホームページ https://sasamura.sakura.ne.jp/

外国人労働者は日本の労働者の3%

2024-02-08 04:41:57 | Peace Cafe


 製造業が48.5万人、サービス業が29.5万人、卸・小売業が23.8万人、宿泊業・飲食サービス業が20.9万人 合計182万人の外国人労働者が日本で働いてくれている。コロナ終わったことになり、また海外から日本に労働者の流入が再開した。

 2021年の外国人労働者の年収の平均は338万円となる。これは日本の労働者賃金調査全体の489万円 よりは、3割ほど安くなっている。建設業で働く人の年収は278万円と建設業労働者の平均賃金水準を100とすると、その比率は51.7%とおおむね半分となる。 

 日本ではどの分野でも労働者不足になっている。人口減少と高齢化で、特に身体を使う労働者が不足している。働く人を雇用できないために、バス路線がなくなったり、荷物の配達が遅れるようなことが出てきている。働く人が居ないためにお客さんはいるのに、開けないホテルもある。

 企業も政府も、この労働者不足を外国人労働者で穴埋めしようとしている。外国人労働者が低賃金で雇用できると言うことが、日本の低賃金社会を作り出しているとも言える。外国人労働者の流入は、企業の要請に基づき政府が行っている。このことは果たして正しい方角なのだろうか。

 国民に対する合意を得たものではない。企業の悲鳴に答えて、政府が法律改正を無理矢理進めたことだ。仕方がないだろうと言うことで、過去にない大きな社会の変化がどんどん進められている。このまま外国人労働者が増えて10%になれば、かなり深刻な問題が生じるはずだ。

 一方で遠からず外国人が来てくれないことになる時代は来る。円安と低賃金と雇用条件と人種差別。果たしてどちらに進むのだろうか。日本社会は多様な人種と大量の外国人を受け入れた経験が無い。日本の社会が行った朝鮮人への差別の歴史を考えると、大きな不安を感じざる得ない。

 日本の伝統的な村社会は、排除の為の組織と言っても良いものである。流入者への防御的思想を持っている。村社会の中にも階層を作り出し、良いしの家があり、下取りの家がある。さらに村社会からはずれる部落民を作り出した。これが江戸時代の最も悪い差別社会の側面であるだろう。

 こうした日本人の同族意識は簡単には抜け出られないものだと思う。社会の中で、外国人がこれ以上増えて行くことを、日本人は立ち止まり、その是非を考えてみる必要があるのではないか。日本人の持っている心の狭さが心配になるところだ。

 企業は労働者がいなければ、競争に敗れると言うことで、社会の構成の変化や混乱など無視して外国人労働者を求めている。背に腹を変えられないとしても、そのために社会が混乱させられるのではたまらない。受け入れるのであれば、受け入れる場合の条件の整理がさらに必要である。

 政府は企業が栄えなければ、日本経済は立ちゆかないと考えるから、外国人労働者が日本社会にどのような結果をもたらすかについて、しっかりとした検討はしたことがない。なし崩し的に、労働者の臨時雇用から、長期就労に変ってきている。そして、永住権取得に進んでいる。

 社会のインフラと外国人労働者はどう関係するのだろうか。受け入れ企業はその負担を担っているのだろうか。日本人としての福祉や教育をどのように進めるかについては、かなりの問題が含まれている。教育の受け入れについては帰国子女の難しさ以上の困難があるはずだ。いじめ問題はすでにあるだろう。第二の朝鮮人問題にならないだろうか。

 外国人労働者は収入の低い人が多い。労働者も在日期間が長くなれば、老齢化して貧困層を形成する可能性がある。その福祉的費用を誰が負担するのだろうか。企業にはそのつもりはない。しかも日本人がやらない3k労働分野を占める割合が高い。職業差別を引き起こす可能性も高いのではないか。

 日本社会は階層化を強めている。大企業の賃金は上がるが、中小企業や個人事業者の賃金や第一次産業では、あまり収入が上がらない。だから辞めて行く人が多い。そこに低賃金でも日本に来てくれる外国人労働者が来てくれている。それで社会が維持されているのだからありがたいことだが、問題は先送りされている。

 結果的に外国人労働者層が、日本社会の下層に位置する人達に対して、さらに下の階層を作ることで不満を抑える政策になっている可能性が出てきているのではないか。そして低賃金が固定化する結果にも成っている。それに伴い外国人労働者が日本社会のあたらな不安定要因になる可能性が高い。

 日本の政府は人口が急増し、余る時代には海外雄飛とか宣伝をして、国民を棄民した。押しつけられる国を探しては、劣悪な状況の海外に騙して送り込んだのだ。ひどい条件の場所で命をすり減らした、何万人もの日本人が居たのだ。今度は人手が足りないというので、3K職場を中心に外国人を入れている。

 人間を労働力としてしか見ていない企業や政府の考え方が間違っている。まず日本社会自体の方角を国民的議論にして、問い直すべきだろう。外国人が増えて行く中で、どのような社会が作れるかを、議論すべきだろう。国民の納得を得ながら、外国人労働者の受け入れ方法を作るべきだ。

 そして、日本人がどの分野でも働けるような労働条件を作ることを、優先すべきだ。3k職場の賃金こそ高くしなければならない。あのコロナの時にあれほど社会のために、犠牲になって働いてくれた医療関係者の労働条件が悪いなどあり得ないことだ。一方で高い能力があれば、高賃金が当然と言うことはおかしな事だ。

 つまり能力主義が競争に勝つ要因と言うことで、どんどん先鋭化している。これを当然のこととしていたのでは、必ず社会は行き詰まる。能力とは関係なく社会全体が回るための賃金制度を作るべきだ。能力の高い人は給与ではなく、社会に対して高い貢献をしていることで満足するべきではないか。

 社会はその貢献に対して感謝して敬意を払いそれを対価とする。労働対価はできる限り、どの労働でも同一賃金。賃金は暮らせれば十分である。能力を金銭対価で充当する考えを一定抑える必要がある。行き過ぎた能力主義を抑えなければ資本主義に未来はない。

 日本社会は世界から後れを取り始めたため、能力主義を強化して、競争に勝てる企業を作ろうとしている。間違った考え方だ。お金に釣られて頑張ると言う頑張り方は、悪い頑張り方だ。やりがいがあるから頑張る。そういう社会にしなければならない。

 競争社会の考え方が社会の価値観を拝金主義的なものに変えている。その考え方が、外国人労働者の受け入れに繋がっている。企業は利益を出すためには、そうする方が有利と言うことだろう。しかし、社会インフラは日本人全体で作っているものだ。

 外国人労働者の問題は世界全体の格差の広がりから起こっている。もう一度、日本社会は外国とどのように関わることが良いのか。考えてみる必要がある。アメリカはすでに有色人種の国になったのだ。日本がこのまま多国籍国家になる道を選んで良いとは思えない。日本人がまず、この国土でしっかりと暮らすという所からではないか。

 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2024年のひこばえ農法 | トップ | 文科大臣が統一教会議員で良... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Peace Cafe」カテゴリの最新記事